Ever17 

〜the out of infinity〜

 Premium Edition

 

一言レビュー

ずば抜けたシナリオ、完璧に近い完成度

 

グラフィック 9点
シナリオ 10点
ボリューム 9点
快適さ 10点
満足度 10点
総プレイ時間 50時間
総合評価 98点



 

ここまで完成度が高く、緻密に練りこまれたシナリオは

未だかつて見たことがありません。

硝子の糸で編み上げられた城のように繊細で完璧、

ありとあらゆるところに張り巡らせられた

伏線が全て生きて意味をもっているストーリーは、

他に類を見ないでしょう。

 

今まで名作といわれているアドベンチャーはいくつもプレイしてきましたが、

これほどまでに素晴らしい、秀逸なアドベンチャーは

もう殆どお目にかかれないと思います。

 

ただ、このゲームの真価は、

最後にプレイすることになる最終シナリオを

プレイしないと発揮されません。

 

全ての謎解きは最後のシナリオで明かされるからです。

最終シナリオは、例をたとえるならば、

無数のドアが凄まじい勢いで、

怒涛の如く開かれていくような、

圧倒的な波に否応なく呑み込まれていくような、

そんな、とてつもなく大きなものを感じさせる作りとなっています。

 

ただ、このゲームにもほんのちょっとだけ欠点があります。

一つ一つのシナリオが膨大な文書量を誇っておりますので、

途中で中弛みがあるのです。

途中までのシナリオが他のキャラクターと共通だったり、

どのシナリオも概ね始めから終わり近くまで、

起こる出来事はだいたい同じですので、嫌になってくるのですね。

 

ただ、この点は後に述べるシステム面で殆ど解消されると思います。

後問題があるとすると、キャラクター達の

あまりにも緊迫感のなさが気にかかるところですが、

皆が皆パニックに陥っていたらストーリーがとてつもなく

暗〜くなっていたでしょうから、

これはこれでよいのではないかと思います。

要するに、皆前向き、ということですね。

 

今ですとSuperLite2000で

Premium Editionが2100円で売っておりますので、

値段としても申し分がありません。

 

また、パソコン用として出ているソフトは

ゲーム内で使用されたCGやおまけCGが

全て壁紙として使用でき、

システムボイス、スクリーンセイバーも付いておりますので、

お値段はPS2,DCの廉価版よりかなり高めですが、

こういう機能が欲しいならば、買って損はないでしょう。

 

私は最初に出たPS2版オリジナルと

Premium Edition のDVD版(Win用)を

所有しておりますが、どちらも買ってよかったと思っています。

 

 

CGは美しく、あまり好き嫌いのない絵だと思います。

9点としたのは、1枚絵の絵崩れも少なく、綺麗ですが、

ずば抜けた美麗さがないのと、少し枚数が少なく、

また、ちょっとだけ挿入されているムービーが

あまり出来が良くないからです。

 

 

次に秀逸なのはシステム面です。

アドベンチャーとして完璧なレベルを誇っている思います。

これからはこれが標準装備となることを渇望してしまうほどです。

 

セーブデータを複数保存できるのはもちろんのこと、

自動的にセーブしてくれるオートセーブ、

セーブデータとは別にセーブできるクイックセーブと

セーブ面は至れり尽せり。

セーブアイコンを見るとその直前のシナリオが表示されたり、

現在のストーリーでアイコンが変わったりと、芸が細かいです。

 

読んだシナリオのみ高速で進めるスキップモード、

読んだ、読んでないにかかわらずにスキップできるスキップモード、

また、何も手を触れなくともオートで台詞を進めてくれる

オートモード(スピードも変えれます)と、実に親切設計。

 

また、選んだ選択肢は色が変わりますので、

どの選択肢を選んでいないかが一目瞭然となっており、

膨大なストーリーを出来るだけ飽きさせずに、

快適にプレイできるようにと、

細々とした所まで気が配られているのは流石としか言いようがありません。

 

 

アドベンチャーや小説が好きならば、

買って絶対損はしません。

私が今までやってきたアドベンチャーの中で、

一番のオススメ作品です。


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