ファイアーエムブレム if

 

白夜王国 暗夜王国 インビジブルキングダム

 

一言感想

醜悪で強欲な製作費回収ゲーム

 

グラフィック 8点
シナリオ 5点
ボリューム 8点
システム 10点
快適さ 9点
満足度 3点
総プレイ時間 133時間
総合評価 65点

 

 

ファイアーエムブレムの完全新作です。

今回はシナリオをなんと三分割して水増ししています。

制作側はシナリオがそれぞれ独立していると謳っていますが、

キャラクターとほとんどのマップ、世界観や世界の謎、システム、

挙句の果てには敵キャラクターまで存分に使いまわして9割方共通なので、

これで独立しているという方が苦しいかと思われます。

また、独立して販売されている白夜、暗夜だけ、

又は両シナリオではストーリーが完結せず、

謎や伏線は投げっぱなしで終了するのには唸らずにはいられません。

 

さらに、完結編であり、真シナリオですべての謎が明らかになる

インビジブルキングダムはこのゲーム単体ではプレイ不可であり、

必ず白夜か暗夜を購入し、ソフトを本体に差し込んでいる必要があります。

しかもインビジブルキングダムはダウンロード専売という恐ろしいほどの搾取意欲は

思わず舌を巻かずにはいられませんでした。

暗夜か白夜購入で4,000円、

さらにもう片方のソフト購入で2,000円、

そしてインビジブルキングダム購入で2,000円。

暗夜か白夜はどちらかでも良いので、

ソフト一本で購入費用は6,000〜8,000円。

全部(一応)入っているスペシャルエディション購入で

9,000円〜10,000円弱。

余りに強烈な販売方法に、嫌悪感を覚えたほどです。

 

前回で評判の良かったマイユニットは継続。

主人公の軍師ではなく、今回は主人公そのものとして活躍しています。

ストーリーは水増し感満載。

本来一本で済むゲームを無理矢理三分割したかと思われます。

白夜王国につくか、暗夜王国につくか、

どちらにもつかずにこの世界の謎を追うか。

白夜、暗夜は実の兄弟や、血の繋がっていないものの、

長年暮らしてきた義理の兄弟と引き裂かれる葛藤をウリにし、

インビジブルキングダムは両方味方につけるといったシナリオなのですが、

はっきり言ってしまうとインビジブルキングダムだけで良かったかと思われます。

そういう意味でも、こういう販売方法は悪辣ですね。

また、シナリオ中の主人公のあまりにも

お花畑過ぎる思考がとても鼻につきます。

 

 

 

グラフィックは2Dに近い3Dで、立ち絵は2Dとなっています。

戦闘中やムービー以外は基本的に2Dの立ち絵で展開されます。

ムービーはどちらかというと2.5Dですが。

3Dの出来は2Dに近いクオリティになっており、綺麗です。

絵師は覚醒から続投です。

やや淡白な絵柄で、人を選ぶところがあり、あまり万人向けではありませんが、

萌ではなく、大人びた絵柄ですね。

 

主人公として、またプレイヤーの現身として

マイユニットの容姿をある程度決められるようになっています。

男女2人、顔立ちもかなりいろいろあり、

髪型も多く用意されていて、

髪の色や、女性キャラクターは髪飾りまで変更可能です。

ボイスも決められるのはいいですね。

また、マイキャッスルで髪型を変更可能になっているのは嬉しかった。

 

 

このゲームの魅力である戦闘ですが、

従来のシリーズを通じて同じところは割愛します。

安定したクオリティで、そこの部分は特にコメントするところはありません。

 

さて、このゲームで進化・あるいは付け加えられたシステムですが。

今回は癖のあるギミックのあるマップが多かったと思います。

竜脈という、渦巻き状のマスが存在しており、

王族のみがこの竜脈の力を起こすことが出来ます。

マップにより違いがあり、湖を凍らせたり、

川に水を入れたり、何がしかのギミックを動かしたりするというシステムで、

マップ毎に違いがあります。

竜脈のあるマップが多く、それに対応するのがちょっと大変でしたね。

 

覚醒は「ダブル」という名称でしたが、

今回は防陣、攻陣という名のシステムになっています。

2人のユニットが一つのユニットとして戦うというシステムなのですが、

今までの「かつぐ」というものの進化系であり、

従来のかつぐとは真逆ともいえるものになっております。

「かつぐ」では担いだユニットのスピードが遅くなったり、

担ぐユニットより重いキャラクターは担げなかったりしたのですが、

今回は協力して戦うという趣旨となっており、

パラメーターに補正がかかり、

防陣を組んでいる相手が追敵の攻撃を防御(デュアルガード)してくれ、

隣接しているユニットが攻撃(デュアルアタック)してくれます。

基本的なシステムは覚醒と大体同じですね。

 

今回の兵種変更は前回より気軽に出来なくなっています。

支援をA+に出来るユニットの兵種か、

自分が本来持つ隠された能力か、

結婚相手の兵種しか変更できなくなっています。

兵種変更によりスキルを覚えることが前よりも少なくなってしまいましたが、

前はあまりにも変更でき過ぎていたので、これはこれでいいかと思います。

 

 

聖戦の系譜以来の結婚のシステムですが、

絆レベルを上げると、絆会話というものがマイキャッスルなどで発生します。

今回も会話が全員(親子会話を除く)違っていて、

各キャラクターの特徴を良くとらえており、かなり良かったですね。

会話も意外なことや、ある人物の過去が垣間見えることがあり、

ストーリーに深みを与えています。

親子会話はどの親でも基本的に共通でしたのでちょっと残念です。

結婚すると子供が生まれ、子供が生まれると外伝マップが発生して、

外伝マップをプレイすると子供をユニットとして迎え入れることが可能になっています。

この、子供がどうやって1年かそこらでユニットとして

加わることが出来るのかというのがかなり強引な設定ですね。

親とほぼ同じ年代でユニットに加わる理由が今回かなりご都合主義です。

子供に親のスキルや兵種を引き継ぐことができるのは前と同じです。

 

アイテムの強化というシステムもあったのですが、

これは全く使いませんでした。

ノーマルでプレイしたせいかもしれませんが、

強化しなくても十分でした。

捕獲というコマンドで敵キャラクターを捕まえ、

自軍ユニットとして加えることも可能なのですが、

道具屋、武器屋などを設置可能で、

中には温泉などよく分からない施設も存在しましたが。

マイルームの存在意義は少々謎です。

ユニットを呼び、タッチペンで相手に触れるだけで支援経験値を稼ぐのですが、

やっていることは主人公が相手ユニットをひたすら触っているだけ。

これで何故支援経験値を稼げるのか首を傾げたくなりましたし、

相手ユニットの反応も少々気持ち悪い。

白夜では少し試してみましたが、

暗夜、インビジブルキングダムでは一切無視しました。

無い方が良かったシステムだったと思います。

 

さて、基本的なシステムですが、何作も作っているだけあって

かゆいところに手の届く感じで非常に快適です。

チュートリアルも丁寧に作られており、

もちろん飛ばすことも可能です。

3DSの2画面も上手に使い、上画面は通常のマップですが、

下画面は全体マップやキャラクターのステータス表示の切り替えができ、

そして敵の攻撃範囲をピンクや敵単体の赤にマーキングすることができます。

これにより、敵の攻撃範囲が常に表示され、

ギリギリ範囲外でユニットを待機させやすくなっています。

ダウンロードコンテンツですが、ほとんどが有料になってしまい残念です。

 

すれ違い通信ですが、すれ違った時に相手のメンバーと戦闘や、

相手キャッスルに訪問が可能になっています。

今回は擦れ違いだけではなく、ネット通信で同様のことが

できるようになっているのが便利でした。

 

 

 

プレイ時間は、白夜で何人かユニットを結婚させ、

ノーマル&クラシックモードでプレイし、

一人もロストさせずに1週50時間、

2週目は暗夜でノーマル&カジュアルで25時間、

インビジブルキングダムでノーマル&クラシック、

子供が生まれるユニットは全員結婚させてもれなく子供を仲間にし、

一人もロストさせずにクリアで合計133時間ほどです。

白夜やインビジブルキングダムではかなりユニットのレベルを上げましたね。

本来は1週25時間前後ぐらいでクリアできるかと思います。

 

今回は非常に残念な出来でした。

水増し感満載、プレイヤーからお金を搾り取る気満々の

あくどい集金システムにはがっかりです。

白夜、暗夜のシナリオをやる意味はあったのかと問われれば、

インビジブルキングダムだけで良かったと答えるしかありません。

白夜、暗夜はあくまでも外伝シナリオで物語に少々厚みを付けるものに過ぎません。

それなのに、インビジブルキングダムだけでプレイは不可、

ダウンロード専売というのは最高にたちが悪い。

次回も同じような販売方法を採ってくるのならば、

購入を考えたいと思います。

シリーズファンとしては、このブランド名に泥を塗った作品だと思います。




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