ファイアーエムブレム

覚醒

 

 

一言感想

システムの完成形

 

グラフィック 7点
シナリオ 7点
ボリューム 8点
システム 10点
快適さ 9点
満足度 10点
総プレイ時間 150時間
総合評価 87点

 

 

ファイアーエムブレムの久々の完全新作です。

前回で評判の良かったマイユニットは継続。

今度は単なる近衛兵ではなく、主人公の軍師として、

もう一人の主人公となって参加するという試みはなかなか良かったと思います。

記憶をなくしたマイユニットの正体も密接にストーリーにかかわっており、

上手に第二の主人公らしさを出してきていましたね。

 

ただし、ストーリー自体あまり捻りはなく、王道一直線。

意外性はほとんどなく、複雑なストーリーを想像していると

肩透かしを食らうことになります。

支援Sまで絆を結べば結婚、或いはプロポーズということになり、

子供が産まれる未来へとなるのですが、

子供をどうやってストーリーに絡め、ユニットとして参加させるのかと思えば、

かなりの超展開でやや腰が引けてしまいました。

この辺の都合の良すぎる展開がやや目についたものの、

あまり年の変わらない親子会話や葛藤などが見られて面白かったのも確かです。

 

 

グラフィックは2Dに近い3Dで、立ち絵は2Dとなっています。

戦闘中やムービー以外は基本的に2Dの立ち絵で展開されますので、

前作の新紋章の謎ほどの違和感はなくなっていますが、

3Dの出来は正直あまりよくありません。

フィールドで表示されるミニキャラクターアイコンは

同じ兵種についていてもユニットごとに微妙にアレンジされており、

ぱっと見た目でどのユニットなのか見やすくされているのはいいですね。

ただし、今回絵師の絵柄をがらりと変えてきています。

やや淡白な絵柄で、人を選ぶところがあり、あまり万人向けではありません。

正直暁の女神の頃の方の絵の方が断然好みであり、

私的にはこの絵師の採用は残念でした。

 

さて、もう一人の主人公として、またプレイヤーの現身として

マイユニットの容姿をある程度決められるようになっています。

今回は男女2人、それぞれ基本的に3パターン。

ノーマル、年下、年上といった具合で、それぞれに専用の髪型や眼元があり、

髪の色まで変更可能です。

色んな種類があるのは良かったのですが、

髪型がある特定のパターン専用というのがやや残念でした。

 

 

このゲームの魅力である戦闘ですが、

従来のシリーズ通じて同じところは割愛します。

安定したクオリティで、そこの部分に特にコメントするところはありません。

 

さて、このゲームで進化・あるいは付け加えられたシステムですが。

まず特筆すべきは「ダブル」というシステム。

2人のユニットが一つのユニットとして戦うというシステムなのですが、

今までの「かつぐ」というものの進化系であり、

従来のかつぐとは真逆ともいえるものになっております。

「かつぐ」では担いだユニットのスピードが遅くなったり、

担ぐユニットより重いキャラクターは担げなかったりしたのですが、

今回は協力して戦うという趣旨となっており、

パラメーターUP、また絆レベルによって

ダブルを組んでいる相手が追撃(デュアルアタック)、

敵の攻撃を防御(デュアルガード)してくれる可能性があります。

つまり、二人が一人になることによって戦力ダウンになるのではなく、

返って戦力UPになり、戦闘の難易度がダブルを組むかで大分変ってきます。

この追撃・防御は隣接しているキャラクターとでも発生します。

 

 

今回の兵種変更は前回ほど気軽でなくなっているのですが、

各キャラクターの特色というものが出てきてよかったと思います。

今回はどのキャラクターも兵種変更可能なのですが、

キャラクターによって変更可能な兵種が違っています。

各兵種である一定レベルになるとスキルが覚えられ、

最大で5つスキルを装備でき、付け外しも可能です。

5つ以上になると装備するスキルを選ぶことになるのですが、

これが中々良いシステム。

スキルを覚えるために兵種変更をする必要があり、

色んな兵種に変更したくなりますね。

そしてこれが次の結婚のシステムに密接にかかわってきます。

 

 

聖戦の系譜以来の結婚のシステムですが、

隣接、或いはダブルを組んで戦闘、回復や踊りコマンドにより絆レベルを上げると、

絆会話というものが発生します。

この会話が全員(親子会話を除く)違っていて、

今回はかなり頑張ったと思います。

会話も意外なことや、ある人物の過去が垣間見えることがあり、

ストーリーに深みを与えています。

親子会話はどの親でも基本的に共通だったのがちょっと残念です。

 

ある程度絆を結べる人物が決まっているのですが、

異性との場合Sまで上げることが可能となっていて、

Sまで上げるとプロポーズということになります。

プロポーズすると子供ができる未来となるのですが、

子供に親のスキルや兵種を引き継ぐことができるのです。

引き継ぐことのできるスキルは母親と父親から一つずつであり、

子供は親たちと違って最初からスキルを2つ多く所持した状態でユニットに加わります。

また、本来持っている成長値に父親のパラメーター補正が加わり、

親世代よりもバランスよく育っていきます。

そして父親によっては母親よりより多くの兵種に変更可能であり、

兵種選択の幅が広がっており、どのユニット同士を結婚させ、

どのスキルを引き継がせるのに悩むのも大変楽しかったです。

 

 

アイテムの強化というシステムもあったのですが、

これは全く使いませんでした。

ノーマルとハードでプレイしたせいかもしれませんが、

強化しなくても十分でした。

 

 

 

さて、基本的なシステムですが、何作も作っているだけあって

かゆいところに手の届く感じで非常に快適です。

チュートリアルも丁寧に作られており、

もちろん飛ばすことも可能です。

3DSの2画面も上手に使い、上画面は通常のマップですが、

下画面は全体マップやキャラクターのステータス表示の切り替えができ、

そして敵の攻撃範囲は敵を選択することで赤くマーキングすることができます。

もちろん全敵の攻撃範囲もボタン一つでマーキング可能です。

これにより、敵の攻撃範囲が常に表示され、

ギリギリ範囲外でユニットを待機させやすくなっています。

ただ、DSの時と違って上画面と下画面の役割が反対になっており、

以前ではタッチで移動箇所を指定できるのがとても便利でしたのでそこが残念です。

下より上画面が大きいのでそうなったのでしょうが、

タッチとSRPGの相性が抜群だっただけに少々やりにくくなっています。

 

今回、闘技場はありません。

ではどうやってお金や経験値を稼ぐのかというと、

定期的にマップに現れる敵ユニットの遭遇戦を利用します。

敵ユニットが落とす武器や金塊を売買することにより、

お金や経験値を得るわけです。

これにより、闘技場の一対一の煩わしさが減りました。

闘技場も結構楽しかったのですが。

 

ダウンロードコンテンツですが、有料ばかり有名になっているのですが、

実は無料のコンテンツも結構あります。

いまだに外伝のマップが無料で追加配布されているのは好印象ですね。

有料コンテンツは初めの物のみ期間限定で無料配布されており、

それのみプレイしました。

外伝マップでは、ある特定のキャラクターを

仲間にできるというのも良かったと思います。

 

すれ違い通信ですが、すれ違った時に相手のメンバーと戦闘や、

相手の所持しているアイテムが購入可能になっています。

また、戦闘で勝利すれば、相手のマイユニットを仲間に加えることが可能です。

相手のマイユニットは支援を結べないので使用しませんでしたが、

相手の所持しているアイテムを購入させてもらえるのは

中盤まで大変助かりました。

 

 

 

プレイ時間は、ノーマル&クラシックモードで外伝マップまでプレイし、

キャラクターは全員仲間にして一人もロストさせずに1週74時間、

2週目はハード&カジュアルで75時間、合計150時間弱です。

兵種変更でスキルを覚えさせるのが楽しく、ユニットを鍛えすぎました。

本来は1週30時間前後ぐらいでクリア可能だそうです。

 

まさにシリーズ集大成、25周年記念に相応しい出来だったと思います。

シリーズファンや、SRPGファンならばやって損はありません。

時間を忘れてプレイするほど楽しめました。




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