ファイアーエムブレム 聖魔の光石

 

一言レビュー

良くも悪くも正統派

 

グラフィック 8点
シナリオ 5点
ボリューム 7点
快適さ 10点
満足度 7点
総プレイ時間 74時間
総合評価 72点

 

 

とても有名なシミュレーションRPGシリーズですね。

シミュレーションRPGと言えば、

難しいという印象が先立つと思いますが、

最近ゲームボーイアドバンスで出されたシリーズ作品は、

初心者に取っ付き易く、優しく作ってあるので入門編としてはお薦めです。

難易度も3段階から選べるのは良いと思います。

 

 

ストーリーはよく言えば正統派、

悪く言えばワンパターンです。

ファイアーエムブレムシリーズは、

悪神、あるいは悪竜が復活し、

どこかの王がそれらに操られて他国に侵略戦争を起こし、

それに立ち向かって最後は悪神、あるいは悪竜を倒す、

というのが全作品に共通する大筋になっています。

 

味付けは個々の作品で違ってきていますが、

概ね同じパターンですので、

いい加減飽きてきてしまいます。

そろそろ新たなストーリーを構築すべきだと思うのですが、

このゲームの面白さはストーリーではなく、

戦闘、育成にあるので、

多少のストーリーのまずさは目を瞑っていいと思います。

 

 

今作はストーリーが短いと言われていますが、

そんなことはありません。

全体的に見れば、従来のものより長めだと思います。

が、短いといわれるのは、

エイリーク編とエフラム編に分かれているからです。

どちらも同時進行できれば良いのですが、

どちらかのストーリーしか遊べません。

 

つまり、

片方を選ぶと、もう片方はいつのまにか

終わったことになっているからです。

もう片方を選ぶには、

どちらのお話を選ぶかの直前のセーブデーターから始めるか、

最初からやり直すしかありません。

しかも、最後の7マップは両者共通マップです。

 

ティアリングサーガのように両編を同時進行でき、

各自にどのユニットを配置するかを決めてお話をすすめていけたのなら、

ボリュームも格段にアップし、

戦闘の面白さも増大して、

もっと高い評価になったと思います。

ようするに、どれだけバランスよくユニットを

配置できるかというのがキモになったのじゃないかな、と。

使わないユニットも大分減ったと思いますし。

たくさんのユニットが仲間に出来るわりには、

出撃できるユニットが少ないのですよね…。

 

片方の編だけでは、盛り上がってきたぞ〜

という所でもう終わりですので、

正直拍子抜けしてしまいます。

ではもう片方を遊ぼう、という所ですが、

最後の7マップ、最初の10マップが共通というのがネックです。

どうしてもこのあたりでボリュームを水増ししている感が否めません。

どちらの編に進むかで、お話が微妙に変わる、

マルチエンディング(?)になっていますので、

そのためにこういう事になったのかな、とも思いますが、

エンディングはひとつでも良かったと思います。

 

 

で、このゲームの醍醐味である戦闘ですが、

次々に増えてくる増援をどう対処するか、

どのようにユニットを配置して向かわせるか、

一軍ユニットをどのように選んで育成するかが

面白い作品だと思います。

 

自分が入れ込んでいるユニットに

ドーピングアイテムをつぎ込んでみたり、

闘技場ではまってしまったり。

お気に入りのユニットが

上手く育ってくれた時の感慨はひとしおですね。

 

ただ、最後らへんのマップは力押しで十分通ってしまったのが

少々不満でした。

闘技場は2箇所ずつしかないのですが、

Exマップがあるので、

簡単にレベル上げが出来てしまいます。

今作はどのユニットも成長率が高めなので、

育てればかなり強くなってしまい、

わずかなユニットで敵をなぎ倒していけるのですね。

ここがちょっと残念でした。

 

ただ、Exマップも良いところがあって、

この作品の良い点である支援効果が簡単につけられる、

という点が秀でていると思います。

 

支援効果とは、ユニット達が仲良くなって、

近くに配置すれば攻撃や命中率などに補正がかかる

というものですが、それだけではありません。

支援効果をつけるとき、ユニット同士が話を始めるのですが、

これがなかなか面白い。

 

会話を見ているだけでも楽しいのですが、

各自の会話から、彼らの性格付けが如実に現れており、

彼らがただの駒ではない、

生きている人間だということが実感できます。

会話から読み取れるサブストーリーはとても興味深く、

またユニットによってはエンディングで語られるその後が

変わってきたりして、ここもやりこみ要素になっていると思います。

 

 

グラフィックは可もなく不可もなく、

ゲームボーイアドバンスではこんなものだと思います。

人を選ばない綺麗な絵柄ですので、

イラストで敬遠することはないでしょう。

 

前作品にあった、挿入されていたCGが

今作には無くなっていたのは非常に残念でした。

エンディングにちらちらと何枚か出てくるのですが、

その時にしか見れませんし、

CGを集めるのも楽しかったのに。

 

 

快適さは初心者にもやさしい作りだということで、

満点を付けています。

 

 

プレイ時間は、エイリーク編、エフラム編を

各自最初から遊んで、かつユニットをビシビシ鍛え上げていますので、

かなり長めになっています。

分岐点からやり直したのなら、

40時間〜50時間ぐらいだと思います。

 

 

値段が暴落してしまっていますが、

易しく、完成された操作性のシミュレーションRPGですので、

楽しく遊べる作品に仕上がっていると思います。

ただ、従来のエムブレマーにはちょっと物足りなかったかな。



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