グリザイアの楽園

 

LE EDEN DE LA GRISAIA

 

一言レビュー

迷宮と揃って一作品

 

グラフィック 9点
シナリオ 8点
ボリューム 4点
快適さ 9点
満足度 7点
総プレイ時間 14時間
総合評価 74点

 

 

 

どのヒロインとも恋人関係にならず、

全ヒロインたちの問題を解決したその後のストーリー

「カプリスの繭」の正当なる続編です。

前回とんでもないところでブツ切りに

終わっていたシナリオの続きです。

ファンディスクとは違っており、

前々作はもちろんのこと、前作プレイが必須となっております。

おまけで、「Prologue De La GRISAIA」と、

スピンオフタイトルである「アイドル魔法少女ちるちるみちる」の

第1話のみ収録されています。

 

本作のメインである「ブランエールの種」は、

ものすごく気になる終わり方をした

「カプリスの繭」の続きから始まります。

行方不明になり、とある組織に付け狙われることになった主人公を助け出すべく、

ヒロイン達が一致団結して事態の解決に向かうというのが大筋ですね。

スリルがあり、テンポよく進むアクション要素の高い本作は、

思わず先が気になってどんどん進めてしまいます。

ただし、ボリュームが非常に少ない。

8〜9時間程度で終わってしまいます。

前作のカプリスの繭が5時間程度でしたので、

それと前作のおまけをつけて

ようやく一作品のボリュームになるかと思います。

別作品にせず、できれば一作で完結してほしかったですね。

 

おまけの「Prologue De La GRISAIA」は、

主人公の風見雄二が美浜学園に来る前、榊由美子が学園で一人、

学園生活を送っているところから、

一人ずつクラスメイトが増えていく過程が細やかに描かれています。

このシナリオはとても良く、最初から仲が良かったのではなく、

かなりぎくしゃくしながら少しずつ

仲良くなっていく様がとても丁寧に描かれており秀逸ですね。

視点は榊由美子側から書かれており、

最初は拒絶から始まったものの、

彼女が意外と他のクラスメイト達を

大切に思っていたのが良く分かります。

 

「アイドル魔法少女ちるちるみちる」は

グリザイアのキャラクターを使ってはっちゃけたシナリオ展開をしており、

ちょっと人物のキャラが崩れている者もいますが、

全く違う世界観を描いたいわゆるファンタジーというか、

現代ながらも魔法のある平衡世界があるという設定ですね。

各キャラクターの立ち位置も全く違っており、

それを理解してプレイする必要があります。

ただし、何話もあるストーリーの中の一話のみであり、

正にお試し版という仕様。

続きが気になったら製品版を買ってくださいと言わんばかりであり、

正直これをこの作品中に入れる必要はなかったというか、

入れなかったほうが世界観を崩さずに済んで

よかったのではないでしょうか。

楽しくなかったのか? というとそうでもないのですが、

余計だったと思います。

一話だけでなく、全話入っているというのならば評価できるのですが。

 

 

システムは前作を引き継いでおり、非常に快適です。

ほぼ完璧と言って差し支えないでしょう。

前作とあまり変わりがありませんので、割愛します。

 

 

 

グラフィックは綺麗目のあまり癖の無いタイプの絵柄。

塗の美しさや繊細さも問題ありません。

染み入るような空や夕暮れのグラデーションの塗が非常に美しく、

Vitaのグラフィック解像度の高さ、

色鮮やかさが最大限生かされています。

背景の美麗さは思わず見とれ、壁紙用に何枚か保存したぐらいです。

 

CGの枚数は差分抜きで「ブランエールの種」が100枚。

Prologue De La GRISAIA」が21枚、

「アイドル魔法少女ちるちるみちる」が4枚、

計125枚です。

ボリュームとしてはかなり多めですね。

今回は差分もちょっと頑張った枚数になっています。

ミニキャラのデフォルメイラストは18枚と

前作よりも抑えめになっているのも良ポイントです。

 

 

 

プレイ時間は約15時間程度。

時間が表示されないタイプで正確な時間が分かりませんので約の時間です。

「ブランエールの種」が9時間、

Prologue De La GRISAIA」が4時間程度、

「アイドル魔法少女ちるちるみちる」が1時間程度になるかと思います。

「アイドル魔法少女ちるちるみちる」は無料一話のみサンプル版であり、

あまり評価できません。

前作と十分一作にできたのではないかと思います。

ボリュームの無さが気になりますね。

また、「ブランエールの種」の終盤での都合の良すぎる展開が

ちょっと気にはなるものの、前作、前々作が気に入っているのならば、

アナザーエンディングであり、ハーレムエンディングである今作は、

結構良い作品ではないかと思います。

ただし、前作前々作プレイ必須です。




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