Riviera

〜約束の地リヴィエラ〜

 

一言レビュー

斬新なシステムを受け入れられるかどうかがキモ

 

グラフィック 10点
シナリオ 7点
ボリューム 8点
快適さ 3点
満足度 1点
総プレイ時間 35時間
総合評価 56点

 

 

ストーリー自体は可もなく不可もなく、

実にオーソドックスなストーリーのRPGです。

神界に住んでいる告死天使が魔族の復活・活性化を防ぐため、

精霊の住む地、リヴィエラに下りてきて神罰の発動を図ろうとするが、

神罰の発動とは精霊を絶滅させるということであり、

それに疑問を覚えた主人公は神界を裏切ってまで

精霊を救う道を模索する、というストーリー。

 

お使い要素が強いゲームで、なおかつ自由度は皆無です。

ここまで自由度のないRPGは初めてプレイしました。

そういうのが嫌いな人には絶対向きません。

また、主人公をおいてパーティメンバーが全員女性であり、

ヒロイン候補者であるというのは好き嫌いを分けると思います。

また、この作品の特色はその独特な各システムにあると言っていいでしょう。

 

 

戦闘のスタイルは一見ごく普通のRPGなのですが、

戦闘で使えるアイテム・武器は最高15所持のアイテムの中で、

全キャラクター共有で4つしか選択できないという独特のシステム。

戦闘には3人しか参加できませんので、3人の得意とする武器ひとつずつと

後は回復アイテムになるのですが、

どのアイテムを選択するのかが非常に重要になります。

敵によっては全く効かない武器というものが多く存在しており、

選んだ武器がダメージを与えられないというのもしばしば。

また、攻撃の回避率が高く、攻撃してもミスしたり

ガードされたりすることが頻繁に起こるので、

その点は大変ストレスが溜まります。

 

また、戦闘のテンポも悪いですね。

まず攻撃のモーションをして、次にダメージを表示した後、

HPのバーがその数値だけ減り、特殊効果がメッセージとして出されます。

そのメッセージも決定ボタンで消去しなければいけないのが面倒です。

ダメージ表示とHPバーの表示も別々にされるのもテンポの悪い原因です。

どちらかひとつか、あるいは同時に表示するべきだったと思います。

 

このゲームはダンジョン内で沢山のアイテムが手に入るのですが、

15個までしか所持できないという縛りが存在しており、

何か手に入れると所持しているアイテムを必ず

捨てなければいけないというのが最後までジレンマでした。

いかなる時でもどのアイテムを捨てるのか非常に悩みます。

宝箱の中身もかなりの数がランダムで決まるため、

下手すれば同じアイテムばかり手に入ってしまう

というのもとてもストレスを感じました。

いちいち欲しいアイテムを手に入れるために、

セーブポイントからやり直さなければいけないのがとても大変でした。

まあ、手に入ったアイテムを使えばいいというのもあるのですが、

同じものが3連続で手に入ってしまうとさすがにくるものがありますね。

 

宝箱には殆ど罠が仕掛けられており、

アクションでその罠を解除したり避けたりするのですが、

アクションゲームの苦手な私にとって

やや難易度の高めのアクションを要求されるのは辛かったです。

そして一度失敗すると、やり直しがきかないのも非常に苦しかったですね。

 

 

このゲームにはレベルという概念が存在しておらず、

武器に対する熟練度でステータスの底上げがされます。

ただ、アイテムには主人公が最初に持つ武器以外は

使用数が決まっており、強い武器は気軽に使えません。

また、ダンジョン内で敵が出現する場所、回数が決まっており、

通常の戦闘で熟練度を上げるのは難しくなっています。

 

ではどうやってステータスアップを図るのかというと、

練習バトルというものを利用します。

その練習バトル中では基本的に武器、道具の使用回数が

減らないようになっており、気軽に強い武器などを使うことは出来るのですが、

敵が弱すぎる為、練習バトルは完全に作業になってしまっていて

とてもつまらなかったのが残念ですね。

 

そして、ヒロイン選択システムというのも癖が強い原因ですね。

プレイ中にヒロインの好感度を上げて、

最終的にエンディングを迎えるヒロインが決定するのですが、

苦心して好感度を上げた割にはあっさり目。

ヒロイン達が主人公に対して恋心を抱いているのは分かるのですが、

恋愛イベントなどはありませんし、

主人公がヒロイン達を女性としてどう思っているのかというのも

描写されていないので拍子抜けです。

そういう意味では中途半端なヒロイン選択システムでしょう。

 

一番ストレスを感じたのが、自由度が皆無なダンジョンのシステムです。

前行ったダンジョンはもちろん二度と行けません。

その上今いるダンジョンをクリアしなければ街に戻れません。

アイテムを買う、ということをしませんし、

戦闘が終わればHPは全回復していますので、

街に戻れないのはさほど困ることではないのですが、

とにかく出来ないというのに多大なるストレスを感じました。

 

また、ダンジョンは複数の階層に分かれているのですが、

前の階層にはまず戻れないと思っていいでしょう。

イベント等で前の階層に強制的に戻されることはあるのですが、

殆どの場合、前の階層には戻れません。

要するに、基本的には前に進むのみで

後戻りできないシステムになっているのです。

もし前の階層に取り溢しのアイテムやイベントがあったとしても、

あきらめるか三つしかないセーブポイントからやり直すしかありません。

ちょっとした動作で細かくイベントやアイテムが変化してしまい、

二度とやり直しがきかないというのもストレスを感じる原因でした。

 

 

ビジュアルは評判どおり、GBAとしては最高峰。

実に彩色が綺麗です。

ほのぼのとした絵柄は作風に良くあっており、

多数表示されるCGもほんわりとした色合いで塗られているものの、

雰囲気の良い絵で、綺麗だと思います。

さすがにムービーはないものの、

ダンジョン等の塗りもはっきりとしていて美しく、

ドット絵もとても丁寧に作られていると思います。

立ち絵のバリエーションや表情がやや少ないのと、

立ち絵とドット絵で髪等の色が明らかに違うのが

ちょっと気になるというと気になるのですが、

(主人公の髪は茶色なのに、ドット絵では明らかに青色など)

ビジュアル面ではほぼ完璧だと思います。

 

 

私のプレイ時間は、約35時間。

アイテムを苦心して取ったりイベントの取り溢しの回収をしたりし、

何度もやり直しているのでちょっと長めです。

GBAとして、プレイ時間は長めで、

そういうこだわったプレイをしなければ20時間強位のプレイ時間でしょうか。

ボリュームとしては十分だと思います。

 

とにかく独特の斬新なシステムを

受け入れられるかどうかが明暗を分けるゲームですね。

非常に多い縛りはストレスと紙一重です。

私はゲームを丁寧にプレイし、アイテムも全部回収して、

イベントも綺麗にクリアしていくタイプの人ですので、

「 〜出来ない 」「 〜しなければならない 」「 取り返しがつかない 」

というのが大変ストレスでした。

こんなにストレスを感じたRPGは初めてです。

ここまで自由度がないと、多大なストレスを感じるものなのですね。

 

とにかく意地と根性でクリアしましたが、

神経質な人、丁寧にプレイする人には絶対に向きません。

アイテムが手に入らなくても、イベントを取りこぼしても、

一向に気にしないという人ならば…という感じでしょうか。

気楽にゲームを遊ぶ人意外はとてもお勧めできません。

独特なシステムは光るものがあるのも確かですので、

もう少しそのシステムを昇華して欲しかったですね。

とにかく物凄くストレスのかかるゲームでした。


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