ワイルドアームズV

ザ フィフスヴァンガード

WILD ARMS the Vth Vanguard

 

一言レビュー

ストーリーが青臭すぎる

 

グラフィック 9点
シナリオ 5点
ボリューム 8点
快適さ 7点
満足度 8点
総プレイ時間 52時間
総合評価 74点

 

 

今回シナリオライター氏が変更になったのですが、

そのせいかワイルドアームズシリーズに共通する

青臭さの方向性がちょっと違っていたような気がします。

ストレートにいうと、青臭さがとても鼻につく感じ。

 

今までもこちらがこっぱずかしくなるほどの青臭さはあったのですが、

一本筋の通ったところがあり、

物語的に勢いはあるものの、破綻していないという

ギリギリのラインを綱渡りしているストーリーだったのですが、

今回のはかなり強引過ぎますね。

とにかく諦めなければ何とかなるの一点張りで、

強引に突き進んでどうにかなってしまうところは首を傾げるものがありました。

強烈にご都合主義なところがあり、

見る人によってはその部分に拒絶反応を示す人も少なくないと思います。

 

また、途中で挿入されるレベッカの乙女チックな日記がかなり引きます。

赤裸々に彼女の感情が語られており、見ているこちらが恥ずかしくなってきました。

これは確かに他の人には絶対に見せたくない日記ですね。

ああいうのは、もうちょっとイベントや会話にさりげなく盛り込んだ方が良いかと。

 

ただし、終盤での締めの部分はほろりとくるものがあります。

もう一度最初からやってみたくなりますね。

あの終わり方は良い…とは思うのですが、

エンディングシーンは拍子抜けするぐらいあっさり目。

その後が語られないキャラクターが大多数なのは、非常に残念です。

 

 

まず戦闘のシステムについてですが、

前回で大幅に切り替えられたHEXの戦闘システムの改良が図られており、

戦闘に対してはかなり高度に纏めてきていますね。

 

戦闘はHEXと言われる六角形のマスを移動して攻撃します。

雑魚戦では中央にHEXがひとつ、それを取り囲むように花びら状に

6つのHEXが配置されていますが、

今回はボス戦では変形HEXに切り替わっており、

従来のものよりもかなり戦略性に富んでいますね。

 

前回での敵の攻撃が物凄く高く、雑魚戦でも簡単に戦闘不能になった部分は

かなり修正を加えられており、

難易度は前回よりも控えめになっていてさくさく進められるようになっています。

それでも気を抜けば、戦闘不能になってしまうのは相変わらずですが、

以前の戦闘不能率の高さに比べれば、かなり調整されていますね。

戦闘システムとしてはかなりバランスが良いです。

難しくはなく、さりとて易しくもなく、

戦闘では常にボタンを押すだけというものでもなく、

高いレベルで揃えてきていると思います。

戦闘のシステムが今回はとても面白かったですね。

 

ただ、戦闘においてバッチの依存率が高すぎるような気がします。

バッチとは装備品のひとつで、

ステータスを底上げしたり、BADステータスにならないようにしたりするものですが、

バッチ対策を行っているか否かで戦闘の難易度が

格段に違ってしまうのがちょっと問題ですね。

また、装備しているミーディアムによっても

特殊能力やステータスが違ってきており、

ミーディアムを誰にどのように装備させるかがボス戦の鍵にもなります。

この辺から考えてみると、ボス戦においての戦闘難易度は高め。

また、ボス戦直前のマップにセーブポイントがないものもあり、

その辺でも戦闘難易度の高さに拍車をかけてしまっています。

このあたりは次回で改良を行って欲しいところです。

 

FP(攻撃したり、されたりすると溜まるもの)を消費して使用する、

同じHEX内にいる者の合体攻撃

コンビネーションアーツというものがあるのですが、

2人一組限定になってしまっているのがちょっと残念ですね。

3人全員で行うコンビネーションアーツもあってもよかったのではと思います。

 

後気になるのが、アースガルズですね。

一種の乗り物に近いロボットなのですが、操作性が悪すぎる上に、

フィールドを移動するにおいてもっと便利なモノホイールというものが存在するため、

はっきり言って岩粉砕&浅瀬乗り越え専用機という

趣が強くなってしまっています。

また、アースガルズで徒歩移動している場合エンカウントするのですが、

この戦闘システムが大問題ですね。

とにかくこちらは見ているだけ。

アースガルズが勝手に戦闘を行うので、こちらは何もすることがありません。

お金は入ってくるのですが、経験値はもちろんですが入ってきません。

何がしたかったのかさっぱり分からないシステムでした。

 

基本システムで唯一気になったのがロードですね。

システム画面でのバッチと、人物の全体像を表示するページでの

ロードの長さが気になりました。

やや時間が掛かってしまうのは難点。

そして戦闘開始時、テレポートオーブ使用時、

街マップに入る時のロードがかなり長く、15秒前後掛かります。

この辺も次回への課題だと思います。

 

 

グラフィックは、かなり綺麗になっていますね。

前回までは2Dのイラストが文字フィールドに表示されていたのですが、

今回は2Dのイラスト、アニメーションが廃止になっています。

ですが、3Dポリゴンで感情を十分表現できるレベルにまで仕上げてきています。

人物の自然な表情の変化は綺麗ですね。

ただ、脇役の顔グラフィックがややぞんざいだったのがちょっと気になりました。

 

 

プレイ時間は、サブイベントを8割がた消化しての時間です。

隠しダンジョンはプレイしていません。

RPGとして、ボリュームは普通〜やや多目。

どこまでサブイベントをこなすかでプレイ時間が大幅に変わってくるタイプで、

ストーリーのみを追っていくと30〜40時間ぐらいですね。

ただサブイベントが結構楽しく、やってみて損はないと思いますので、

色々寄り道してみるといいかもしれません。

 

今回は10周年記念ということで、

ファンサービスか、これまでの作品の主役・重要脇役キャラクターが

街の住人としてかなり出演しています。

会うのが楽しかったですね。

ただし重要イベントには絡んできませんし、

自己主張も強くなくさらりとしていますので、

初めての方でも違和感なくプレイできるかと思います。

 

ストーリーが青臭くかつ強引過ぎ、ロードの時間がかなり長く、

ギャグが横滑りして白けてしまう所もありますが、

戦闘システムは楽しいゲームです。

絶対オススメ、とはいえませんが、青臭さに耐性がある方ならば是非。

次回作はもうちょっと現実的で感動的なストーリーを期待したいですね。




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