あいかぎ

〜ぬくもりとひだまりの中で〜

 

一言レビュー

ボリュームと二人の絵師で、損をしている作品

 

グラフィック 6点
シナリオ 6点
ボリューム 5点
快適さ 9点
満足度 7点
総プレイ時間 28時間
総合評価 66点

 

 

高校卒業を間近に控えた2月。

その訃報は突然舞い込んだ。

 

「お父様が事故にあわれたの」

 

自由登校になっていたその日、

たまたま学校へ登校していた主人公に、担任であり、

姉の親友である女性が告げる。

父はそのまま帰らぬ人となり、

海外で暮らす姉は葬儀が終わり、

身辺整理が付くとともに元いた場所へ帰っていった。

もとより母はとうに亡く、主人公は独りになった。

 

そんなある日。

姉の計らいにより、担任の女性と、

その妹で、同級生でもある女の子と

卒業するまでの間一緒に住むことになって…。

 

と言うお話です。

 

憧れの美女、友人の美少女と一緒に暮らすという、

最初の滑り出しこそ奇抜なものの、

そこから展開されていくストーリーは実に無難。

感動要素も余りありませんし、

何より父親を亡くした主人公が、

ほとんどそのことに悩んでいないのには驚かされました。

「父親を亡くした」というその出来事自身を、

このシュチュエーションにするためだけに

作り上げたというのはいかがなものかと思います。

 

ストーリーは淡々としており、

緩やかに進みますが、中だるみもないわりには

特に先が気になるというわけでもなく、

雰囲気のよい恋愛小説をのんびりと読んでいるという感じですね。

 

しかし、メインヒロインはよく書かれているものの、

サブヒロイン2人がやや急ぎ足で、

ストーリーが短めなのがちょっと気になりました。

最初から好意を持っているメインヒロイン達はともかくとして、

サブヒロイン達はゲームスタート時、

ほぼ主人公のことをなんとも思っていない割には

好きになるのが早すぎるような気がします。

そういう意味では心理描写が少なく、練り込みが足りないと思います。

 

 

システムはかなり良いです。

概読スキップは驚くほど高速で、

2月前半は共通シナリオが結構あるのですが、

この素晴らしいスキップのおかげで共通シナリオがあることすら

頭に残らないくらいです。

 

各システムもアドベンチャーに是非そろえて欲しいものが

きっちり用意されてきていますし、

細かい設定も出来て、セーブも軽く、

100個のセーブデータが用意されており

大体は何も言うことは無いかと思います。

 

ただ、セーブデータがゲームでの日付とプレイ日付、

サブタイトルしか表示されないため、

どのセーブデータを使えばよいかちょっと迷うところがありました。

前回プレイしたところから続けたい場合、「続きから」

というものが初期場面にあるので、それは便利でしたが。

 

 

グラフィックですが、二人の絵師さんを採用しています。

これがそもそもの失敗で、二人の絵のレベルに

格段の差があるのが如何ともしがたいですね。

 

メインヒロインを担当されている方は綺麗で、

誰もが好感を持つ絵を繊細に描かれる方なのですが、

サブヒロインを担当されている方の絵が…微妙ですね。

不細工だとか癖がありすぎるとかそういうものではなく、

なんというか――一言で言えば「華」がないのです。

 

「華」というものは、人気のある絵師さんならば

必ず持っているものなのですが、

絵の好き嫌いに関係なく、

見た瞬間パッと見る者の視線を釘付けにする

強烈なインパクトのようなもので、

人をひきつける独特な、磁力のような魅力の事です。

それがサブヒロインの絵師さんはかなり低く、

二人の絵師さんのヒロインが並び立つと、

その違いが顕著に現れてきてしまいます。

 

はっきり言うと、身体の描き方から服装、

顔の描き方まで、なんだかもっさりしているのですよね。

絵の塗りもぺたっとしていて、絵を見比べると歴然としています。

このためにグラフィックの点数は低い目になっています。

 

ヒロインも4人と多くありませんので、

メインヒロインを担当されていた方が全部担当されていれば、

作品の印象がかなり違ってきたと思います。

実際サブヒロインをメインヒロインの絵師さんが描いている絵があるのですが、

こんなに魅力的な子達だったのかと驚いたぐらいですから。

そういう意味では二人の絵師さんを採用したのは失敗だったと思います。

 

人物のCGの枚数はかなり少ない目で、全60枚。

プレイ時間は短いとはいえ、これはちょっと少なすぎですね。

おまけに差分は一切なし。

90枚+差分が欲しかったところです。

 

 

ヒロインの立ち絵は数が少なく、一衣装一ポーズなのが実に寂しいです。

一人当たり、2〜3衣装で、表情は変わるものの

ポーズが変わらないため違和感がちょっとありますね。

アドベンチャーですので、この辺はもうちょっと頑張って欲しかったです。

 

 

プレイ時間は正確な時間はわかりませんが、28時間。

全ヒロインルート、全CGをコンプリートしての時間です。

絵の諸事情により、メインヒロインをクリアして終わり、

という方が多いと思いますので、

その場合、実質的なプレイ時間は十数時間ぐらいになるでしょう。

かなり短いですね。

 

オススメ!とはちょっと言えないのですが、

のんびりと楽しくほがらかにアドベンチャーを楽しみたい方、

このちょっと嬉しいシュチュエーションが気に入った方、

時間のない方、またメインヒロインの絵師さんの

ファンの方にはいいのではないでしょうか。

時間のない方は、攻略は厳しく、自力攻略は難しいので、

さっさと攻略サイト、攻略本を頼ることをお勧めします。

色々なところがもうちょっと、な作品でした。


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