相州戦神館學園 八命陣

 

天之刻

 

一言レビュー

明晰夢での熱え系バトル

 

グラフィック 8点
シナリオ 9点
ボリューム 8点
快適さ 5点
満足度 8点
総プレイ時間 40時間
総合評価 79点

 

 

 

柊四四八は生まれてこの方、明晰夢以外を見たことがない。

眠りに落ちると明晰夢の世界に入り込み、

なおかつその夢は連続しており、

眠っていても一度も意識が途切れたことがなかった。

 

その世界は不思議なところで、強く願えば超能力の様な、

現実ではありえないような色々なことが出来た。

脚力を強化して人間にはあり得ないジャンプをしたり、

何か物や食べ物などを創造したり。

 

そんなある日、四四八は夢の中の出来事で悩まされていた。

黒い影に追い回されていたのだ。

毎夜様々な力を使って蹴散らし、難を逃れていたが、

翌日になるとその黒い影は学習し、

四四八が使った能力を自身も使って追いすがってくる。

そろそろ後がない事を悟った四四八は、

逃げるのではなく立ち向かうことに決めた。

死闘を続け、ありったけの解法を黒い影にたたきつけた途端、

敵が纏っていた黒い影が晴れ、全裸の少女が現れた。

少女がけたたましい悲鳴を上げた途端、その日は夢から目覚めた。

 

少女の名前は世良水希。

2年もの間眠り続け、その日の後に

四四八達のクラスへ復学してきたのだが、

何故夢の中で四四八を追い回していたのか詳しく話そうとしない。

そして二人が明晰夢を見続け、夢の中で出会ったことを知った幼馴染達は、

自分達もその夢の世界に入りたいと騒ぎ始めた。

水希のアイデアで明晰夢の中に入ることに成功した彼らは、

明晰夢の世界「邯鄲」で行われている、

盧生の座を巡っての戦いに巻き込まれていくことになります。

 

 

世界観の構築が非常に巧みなストーリーです。

ジャンルは燃え系のバトルもので、絶えず各派閥が夢の世界で

覇権を握るために超人的な能力を用いて戦い続けます。

その戦いに巻き込まれた四四八達は、邯鄲の世界の深奥に迫り、

この夢から抜け出して全員無事に朝へ帰るために、

八層からなる夢界を攻略して、

最深部へもぐっていくことになるのですが、

各派閥と戦うことになり、そうは簡単にはいきません。

絶えず死闘を繰り返しており、命がけで彼らを倒すために、

友人たちと一致団結して戦っていくうちに、

この世界の謎と、各派閥の思惑に翻弄されていきます。

 

 

非常に濃い内容で、練り込まれた世界設定に感嘆します。

各ヒロインを攻略する事にもきちんと意味があり、

とにかくありとあらゆるところに伏線が張り巡らされていて、

最後のヒロインで一気に回収されていく収束感があり、

濃密な世界観に圧倒されます。

複雑な世界観が好きな方は一気にはまれるでしょう。

各キャラクターきちんと見せ場が用意されており、

それぞれのキャラクターが強烈に立っているのも良く、

人数が多い割にはいらない人物が一人もいないのもいいですね。

 

文章はこのライターの特徴として、

とてもねっとりとしており、読む人を選ぶタイプ。

長々と言葉を尽くすわりには迂遠に終始しており、

真相をなかなか口にしようとせず、

ありとあらゆるところがくどい文章です。

私はこういうタイプの文体に慣れているので

さほど気になりませんでしたが、

癖のある独特な文章は好き嫌いが激しく分かれます。

 

 

 

システムはかなり不便です。

基本的なシステムは神咒神威神楽と同じです。

今回新たに加わった酷いシステムは、

文章の履歴表示が恐ろしく長くかかる事です。

7秒〜15秒ほどかかり、最初はあまりの長さに

コマンドを受け付けていないのか、

押すボタンを間違えたのかと思ったほどです。

ここまで文章の履歴表示に時間がかかるアドベンチャーは

初めてプレイしました。

 

無いシステムはオートセーブ、クイックセーブ、

履歴からのジャンプの類です。

これが地味につらい。

また、セーブも見辛い。

その時の画面のみで、しかもその画面も小さく、

どのセーブか非常にわかり辛いです。

 

オートモード中に何も操作しなければ

光度が落ちるというVITAの欠点が制御されておらず、

オートモード中は一分ごとにボタンか画面に触って光度が落ちないように

プレイヤーがしてやらないといけません。

前面のタッチ無効が出来ないために、

何かボタンか画面を触るしかないのが辛い。

 

 

 

グラフィックはシンプルながらも綺麗で

はっと目を引く華やかな絵柄で非常に魅力的です。

綺麗も可愛いも渋いも変人も見事に描き分けるタイプ。

色の塗り方もはっきりとしており、

その原画にあった塗で美しく、雰囲気にも良く合っています。

特に光の入れ方が美しい。

万人向けの綺麗系の絵で、とても作風に合っています。

立ち絵のバリエーションも問題ありません。

 

CGの枚数は差分抜きで89枚。

ストーリーのボリュームは多いだけに、かなり少ないですね。

その分差分が多めなのですが、

圧倒的に枚数が少ないのは如何ともしがたい。

バトルが売りのストーリーなのに、

一人1〜2枚ほどのCG+差分で展開しており、

拡大したり、体の一部を見せたり、CGを重ねたりと小技が光るものの、

かなり物足りなく感じます。

神咒神威神楽の時もそうでしたが、

もう少しCGの枚数を頑張って欲しいメーカーですね。

 

 

 

プレイ時間は約40時間程度。

時間が表示されないタイプで正確な時間が分かりませんので約の時間です。

プラチナトロフィーを取得しています。

 

独特の濃ゆくてくどい文章は人を選ぶものの、

世界観の構築のレベルは高く、魅力的なシナリオです。

熱いバトルがメインのストーリーは手に汗を握ります。

そして世界の真相に至るまでが非常に楽しい。

燃え系のバトルが好きで、複雑な世界観や伏線が好きな方ならば

見事にはまれるかと思います。

ただ、システムの悪さには要注意です。



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