あかね色に染まる坂

ぽ〜たぶる

 

 

一言レビュー

PS2ベタ移植

 

グラフィック 5点
シナリオ 8点
ボリューム 8点
快適さ 9点
満足度 8点
総プレイ時間 40時間
総合評価 78点

 

 

 

自称冒険家で、いま一つ職業のわからない両親は世界中を飛び回っており、

主人公、長瀬準一は目の中に入れても痛くないほど猫可愛がりしている妹、

湊と実質的に二人で暮らしていた。

学園的アイドルである生徒会長、椎名観月に頼まれて、

先輩の橘ミコトと生徒会の仕事を手伝って学校から帰る途中、

目の前を過ぎった高級車から飛び降りてきた美少女に腕を掴まれ、

公園へといきなり連れ込まれてしまった。

わけがわからないなりも、口裏を合わせて助けてほしいという少女の願いを受けて、

後から追ってきた少女の父親らしき人物に

自分が少女の恋人であるという嘘を無理やり告白させられる。

恋人がいるので許婚の件は承諾できないと

強烈に反発する少女の横の準一に、

父親は意味ありげな視線を向けた。

 

「では、キスぐらい出来る仲なのだろうな?」

 

という挑発的な台詞に、少女は思わず躊躇する。

可愛らしい少女を横に、その言葉に背中を押されたように

準一は思わずキスしてしまった。

その後も念入りに準一が本当に恋人なのか尋ねられ、

もはや後には引けない少女はためらいつつも肯定する。

途端に父親が破顔一笑した。

 

「その、長瀬純一君こそが、優姫の許婚だ。ちょうど良かったな!」

 

 

という、当初は派手な展開から始まるストーリーです。

半ば無理やりに婚約させられ、

親たちの策略で強引に長瀬家に同棲させられることになった優姫と、

兄さん大好きで他の女性に取られまいとするクールビューティーな妹湊、

そんな妹にべたべたに甘く、女性至上主義な主人公準一を

コメディータッチのどたばた劇で描いています。

 

最初は派手なものの、一部ヒロインを除くと

結構地味目な展開で繰り広げられています。

ですがつまらないわけではなく、

日常は出来るだけ省略してテンポ良く進ませ、

地味ながらもヒロインの設定や性格を上手に利用し、

ヒロインの魅力を見事に引き立てています。

この上手さは正直感心しました。

かなり強引で都合の良すぎるいきなり好展開振りも結構見られるものの、

きちんと各ヒロインらしさを前面に出した

ストーリーになっていると思います。

 

また、このゲームのちょっと変わった趣向として、

ヒロインたちの視点から描いている部分が随所にあり、

この手のゲームにありがちな、なぜ彼女たちは主人公のことが好きなのか?

というプレイヤーの疑問を上手に解消しています。

そして、主人公はお祭り好きのお調子者で女の子大好き!でありながら

女性に対して誠実で、ヒロインたちのためならば必死で頑張る様、

時には不器用なこともあるものの、

誰もがYESと言える欲張りな回答を導き出す格好良さを

プレイヤーに拒否感を抱かせないように描いており、

きちんと主人公がプレイヤーにも好かれるようになっています。

 

Win版では顕著だった権謀術数渦巻く裏世界を大分削ぎ落として、

かなりリニューアルしたらしいのですが、

どうしてもその設定を免れないヒロインが二人おりまして、

そのかなり突飛な展開は強烈で、この辺は少し人を選びます。

こういう現実的でない事をあまり好まない方は要注意でしょうか。

 

あとは、エンディング後のエピローグがかなり長いのが気になりました。

エンディングテロップ後にエピローグがあるのですが、

これが妙に長く、まだまだこれから続きそうなストーリーが

冗長気味なのが少々難でしょうか。

間延びしている感がありますので、

もうちょっとコンパクトにまとめた方がすっきりと終われたと思います。

 

 

システムはかなり良く仕上げています。

音声の類はボイス、BGM、効果音と事細かに音量を調整でき、

概読テキスト・概読選択肢の色変更、オートモードの微調整可能、

クイックセーブ、自動セーブ機能ありとほぼ全面隙の無いシステム。

非常にレベルが高いと思います。

一部問題あるのがセーブで、ロード時は最新のデータに合うものの、

セーブ時は何故か一番上のアイコンに合う仕様になっています。

セーブも最新データで良かったと思います。

セーブアイコンが一律同じで

プレイ日時と表題しか表示されないのも難ですね。

PSPとしては宿命になっているシャーク音が時々するので、

贅沢を言えばメモリインストールを採用してほしかったです。

まあ、この辺はちょっと仕方ないでしょうか。

他は特に問題なく、PSPとしては上位レベルです。

 

 

グラフィックですが、可愛らしく万人向けタイプ。

特に立ち絵が魅力的で、複数の絵師を採用しているのですが、

上手に統一しています。

ですが、CGのクオリティがヒロインごとに

著しく違うのがかなり気になりました。

ハッキリ言ってしまえば立ち絵の方が

断然魅力的な絵が結構存在しており、

CGが立ち絵より明らかに見劣りするヒロインはあまりにも哀れです。

中にはヒロインの顔で隠れていても

明らかに主人公の耳や髪の配置がおかしいとわかるCG、

デッサンが狂っていて足の配置がどう見ても変なCG、

ヒロインごとに別人になる主人公など、

アドベンチャーでさすがにこれはまずいだろうという絵が

存在するのは大減点ポイントです。

 

また、CGの枚数は、差分は結構あるのですが、差分抜きで79枚と、

ボリュームがそれなりにあるわりにはかなり少ないです。

追加ヒロインたるや、なんと6枚という驚異的な少なさで、

メインヒロインの優姫ですら14枚しかありません。

大分少なすぎですね。

最低限差分抜きで100枚以上はほしかったところです。

彩色はふんわりとして美しく鮮やかなグラデーションで

綺麗なだけに非常に勿体無いです。

 

そして移植ながらもフルプライスなのに、

一部PSPに最適化されていない手抜き加減にちょっと呆れてしまいました。

3:4のグラフィックをPSP用に拡大、

あるいは左右に黒帯を表示させて原寸対比で表示させるのは

良くある手法なのでよいものの、

PSP用に拡大してあった場合、

章や区切り毎に表示されるグラフィックが

下三分の一ほど切れてしまうのです。

背景やCGにゲーム名ロゴ、

そしてヒロインのミニキャラクターが表示されるのですが、

そのおかげでヒロインのミニキャラクターの首あたりがはねられて

ちょん切れているおかしな感じになってしまっています。

ベタ移植はともかくとして、最低限このぐらいは

PSP用に調整してほしかったと思います。

 

最後に駄目出ししたいのがムービー。

ムービー自体は悪くないのですが、PSP用に

無理やり圧縮したとわかるシャギーバリバリの

汚いグラフィックで、DS並み。

もうちょっと何とかならなかったのかと思います。

移植に際してオープニングムービーを刷新して来るゲームが多いのですが、

このあたりが問題で新たに作っているのでしょうか?

 

 

プレイ時間は表示されないため正確にはわかりませんが、約40時間。

優姫に2箇所、つかさに1箇所CGに抜けがありますが、

どうやれば取得できるのかわからないのでこれで終了します。

ボリュームは普通レベルです。

 

日常を出来るだけ排除してテンポ良く進み、

地味ながらもヒロインの魅力を上手く引き出しています。

ストーリー部分は良いながらも、Win版のダークな部分を

引きずってしまっているヒロインが二人いるため、

ちょっと人を選ぶ部分はありますが、基本的には万人向けです。

 

そして問題なのがCGで、クオリティの低いものが

かなり存在していて立ち絵より見劣りする絵が多数あり、

枚数が少なすぎるのと、オープニングムービーの汚さが気になります。

全体的には良いレベルだと思うのですが、

多少絵崩れしていてもOKという大らかな人ならば問題ないと思います。

絵のクオリティはもうちょっと統一してほしかったですね。




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