アルノサージュ

〜生まれいずる星へ祈る詩〜

 

一言感想

シェルノサージュから続けるからこその感動

 

グラフィック 8点
シナリオ 8点
ボリューム 8点
システム 6点
快適さ 7点
満足度 8点
総プレイ時間 61時間
総合評価 79点

 

 

一応別名となっていますが、シェルノサージュの続編です。

イオン編は前作終了直後から始まります。

このゲームに出てくる主要人物はほぼ全員と言っていいほど、

前作から再登場する人物ばかりであり、

前作をプレイしていないと少々厳しいストーリーになっています。

前作はアドベンチャー、今作はRPGという

ジャンル違いのゲームになっているための改名かもしれませんが、

どちらかというとシェルノサージュ2というタイトルにした方が似つかわしいでしょう。

その為、前作をプレイしていない場合は

受け取り方がだいぶ違ってくる恐れがあります。

 

さて、実際のストーリーですが、

前作のネタバレが大量につぎ込まれているため、

これをプレイして前作をプレイするより、

前作をプレイしてこちらをプレイする方をお勧めします。

 

ジャンルはRPGとなっていますが、

どちらかというとアドベンチャーに近いゲームで、シナリオメインのゲームです。

世界観や詩を非常に大事にしており、

前作後、宇宙船で細々と生きる人たちを描いています。

ただ、今回は詩がちょっと弱い気がします。

フルコーラス流れることが少なく、印象が薄くて、印象に残らない曲ばかり。

黄昏感があるのは相変わらずですね。

 

アルトネリコと世界観もリンクしており、

そちらのファンとしては嬉しいサプライズですが、

アルトネリコをプレイしていないと後半は

ちょっと置いてけぼりになるかと思います。

こちらのゲームを語る上ではアルトネリコとシェルノサージュの

ネタバレに触れなければいけないため、

なんとも説明するのに困るストーリーです。

上記二作をプレイ済みの方はおなじみの世界観に嵌れると思います。

 

戦闘システムはやや独特であり、詩を歌うパートナーとそれを守る人物

キャス&デルタ、イオン&アーシェス(プレイヤー)という、

ペアで戦うのですが、4人が同時に共闘することはありません。

ザッピングで両視点を操りながらクリアしていくことになります。

また、プレイヤーが操作するのはデルタとアーシェスだけであり、

詩い手であるヒロインは自動で時折攻撃をしてくれ、

詩魔法を一気に放つタイミングのみプレイヤーが操作可能です。

 

ダンジョンマップ毎に敵のグループ数が表示され、

グループ1つで1エンカウントではなく、

敵グループと立て続けに戦闘を行い、

全部倒すか詩魔法を放つまで延々と連続して戦うことになり、

詩魔法炸裂後に倒し損ねた分は次のエンカウントで戦うことになります。

攻撃方法はシンプルですね。

デルタかアーシェスで攻撃し、

次の敵ターンで攻撃してくる敵はHPの横に「!」

という表示がされます。

!の記号が表示された敵を全部倒すことが出来ると、

敵にターンを渡すことなく、こちらの連続ターンとなるのですが、

!の記号を持つ敵を1体でも倒し損ねると敵のターンになります。

敵が攻撃するのは前衛ではなく、後衛のヒロインです。

デルタとアーシェスはそのヒロインの前で防御して

ヒロインを攻撃から守ることになります。

攻撃を続けるうちにハーモニクスゲージが上昇してゆき、

ある一定以上になると詩魔法を放つことが出来るというタイプ。

 

最初は独特のコマンドに戸惑いますが、

実際はシンプルであり、ヒロインを守る、

ペアで行動するということに注力しており、

レベルをある程度上げてきっちり装備を整え、

詩魔法を放てばさほど悩むことなく勝利することが可能です。

その為、ダンジョンも敵も非常にシンプル。

レベルも非常に上がりやすく、終盤ではほとんどの方が

カンストするのではないかと思われます。

ダンジョンマップはほぼ一本道であり、

脇道があってもすぐに行き止まりになっています。

敵の種類は色違いを1つと数えると、

20種類ほどとなっており、シンプルを通り越して簡素と言っていいほど。

戦闘はひたすらストーリーの為というか、

ヒロインを守っているという意識をプレイヤーに感じさせるためにある

と言っても過言ではないぐらいです。

この辺はあまり期待されないほうが良いかと。

 

 

また、アトリエシリーズ制作の会社らしく、

アイテムの調合というシステムがありますが、これがとてもシュール。

バックはなんとも独特でポップな映像が流れ、

店主とヒロイン、デルタが歌を歌い、ダンスを踊りながら作成するのですが、

余りにも世界観や踊り、音楽が奇抜すぎて思わずひきます。

作成後の全員の会話は必見なものの、

どう見てもおかしい、食べ物交じりの装備品などが大量にあって、

アイテム自体も独特ですね。

このシュールなシステムを受け入れられなければ

ドン引きするゲームではあります。

装備品は余りにも効果が多すぎて、

どれがどういう効果を持つのか非常にわかりにくいです。

もうちょっとここはシンプルに作ってほしかった。

 

他にもヒロインの精神世界に入って詩を紡ぐダイブ、

ヒロインとお風呂に入りつつする会話であるトークマター、

精神世界で手に入れたジェノメトリカ結晶を互いの体に取り込んで

パワーアップさせる禊ぎ、と独特のシステムがありますが、

全てヒロインと主人公たちの絆を強く結びつけるものですね。

精神世界や詩魔法は非常に独特であり、

これはアルトネリコの頃からですが、

特に精神世界での一部イベントはエロくて

家族の前でプレイするには抵抗のある場面が所々あります。

アルトネリコよりは大分マシになっており、

かなりマズイ場面は終盤に固まっているのですが、

そういう意味でもやや勧めにくいゲームですね。

 

 

ポリゴンは独特の魅力を持つイラストをかなり忠実に再現しています。

ちょっと違和感のあるものもありますが、

2Dを3Dにとても上手に再現しています。

ですが、時折無表情やセリフに合わない表情が

ちらほらあるのが残念ですね。

特に、デルタの表情があまり変わらないのと、

無表情が多いのが気になります。

作中のCGは美しく、ちょっと露出の高いものもあるものの、

彩色も水彩画風で綺麗で透明感があります。

 

 

 

プレイ時間は、ノーマルでプレイして61時間。

プラチナトロフィーを取得しています。

ムービーやCGに一部抜けがありますが、

もうこれで終了としたいと思います。

 

完全にシェルノサージュの続編であり、これ単体ではお勧めしにくいゲームです。

また、アルトネリコからある程度システムを継続しており、

独特のエロいシステムは家族の前でプレイするのは躊躇われます。

ですが世界観と詩は大変良くできており、

ヒロインと絆を結ぶというシステムは素晴らしい。

また、シェルノサージュから長々と付き合ってきた

プレイヤーの感動はひとしおだと思います。

シェルノサージュが気に入ったのならば是非と言いたいのですが、

これ単体ではやや厳しいですね。

私はアルトネリコとシェルノサージュを

プレイしているために点数は高めに設定しましたが、

なんとも評価しにくいゲームです。




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