バテン・カイトスU

始まりの翼と神々の嗣子

 

一言レビュー

洗練された独特なカードバトルと致命的なバグ

 

グラフィック 9点
シナリオ 7点
ボリューム 8点
快適さ 8点
満足度 8点
総プレイ時間 64時間
総合評価 80点

 

 

世界観はきっちりと作られていますが、

お使い要素の強いストーリーを持つゲームです。

本筋のストーリーから、100あるサブイベントまで、

 

「どこそこに行くように指示される」

「ある特定のアイテムを取ってくるように言われる」

 

という類の展開なので、お使いが嫌いな方には向かないゲームです。

 

前作の「終わらない翼と失われた海」で語られなかった、

神々の時代と残された謎を補完する形になっています。

ただ私も前作をきっちり覚えているわけではないので、

やっているうちに思わせぶりなものが出てきたりすると、

前作をもう一度プレイしたくなりましたね。

前作をやっているとにやりとくる

キャラクターの若かりし頃が出てきて楽しかったです。

 

少し問題なのが、仲間になるキャラクターが2人、

主人公を入れて3人キャラクターで固定なところでしょうか。

早いうちに3人になるのですが、それからずっとそのままなので、

会話パターンが決まってしまってちょっと寂しいですね。

前みたいに6人でわいわい会話をして欲しかったです。

せめてあと二人ぐらいはキャラクターが欲しかったところ。

 

下で述べていますが、デッキが全キャラクター共通ですので、

その辺がこれ以上人数を増やせなかった

理由のひとつだったのかもしれません。

 

 

戦闘はカードバトルという、

独特なシステムが採用されています。

カードに剣や防具の類が封印されており、

戦いの折にそれを開放して戦う、という趣向になっています。

前作ではデッキはキャラクター毎に

組まなければならなかったのですが、

今回は全キャラクター共通になっています。

 

攻撃1、攻撃2、攻撃3は全キャラクター共通なのですが、

4.5.6.7の番号を持つカードが各キャラクター専用になっており、

また4〜の番号のカードは必殺技のカードなのですが、

攻撃1〜3のカードを出すとためられる、マジックポイントがなければ

4以降のカードを出せないという制限があり、

戦略に富んでいて楽しかったですね。

 

リレーコンボというものもあり、

全員で立て続けに敵を攻撃するシステムなのですが、

全員きっちり繋がった時の爽快感たるものや素晴らしいものがあります。

戦闘後HPは全回復しますので、

戦闘後にいちいちHPを回復させなければならないという

手間は省かれて、ますます快適なものになっています。

戦闘を出来るだけ楽しめるようにと、

物凄くこだわって作られていますね。

 

とにかく戦闘が楽しいゲームです。

システムは文章で見るだけではわかり辛いかと思いますが、

実際にやってみるとその絶妙なバランスの上に

成り立つ戦闘がどれほど素晴らしいものなのか良くわかります。

カードの出し方も、次に出せるカードが光ったり、

リレーコンボが可能な時はそのような表示をされたりするので、

前作よりかなりわかり易くなっていると思います。

 

最初はカードを出すことに必死になって、

味方のHPがかなり際どい事になっていたり、

キャラクターの戦闘エフェクトを見る暇がなかったりしますが、

慣れれば自然と見る余裕が出てきます。

 

独特な戦闘スタイルに最初は戸惑うかと思いますが、

少しずつ人数が増えていきますので、

10時間もすると慣れて戦闘が楽しくなってきます。

よくわからないと投げ出さずに頑張ってプレイしてみてください。

このゲームの一番の醍醐味はなんと言っても戦闘です。

 

 

このゲームの難点ですが、とにかくバグが多いということ。

普通にプレイしていても嵌るバグ

(しかも結構致命的)がたくさん存在します。

 

それに、どうしてこうなるのかわからないバグも存在しており、

実に惜しいと思います。

もしかするとデバック処理をしなかったのだろうかと

疑いたくなるぐらいありますので、

攻略サイトでバグを調べてプレイされることをお勧めします。

これさえなければ、システムは10点をつけても良い作品だけに

非常に勿体無いですね。

 

 

グラフィックは非常に美しく、

ゲームキューブのグラフィック能力を余すことなく見せてくれます。

が、やっぱり制作費が圧倒的に足らなかったのでしょうか、

前作にはあった素晴らしい出来のムービーが

なくなっていましたね。

オープニングはアニメーションとも言いにくい出来で、

魅力がなく、とても残念でした。

 

マップも殆どが前作の使いまわしですし、

フィールドマップで極端に人物が小さくなって

どこにいるのかわからなくなるという

点が改善されていないのも難点ですね。

 

 

プレイ時間は、100あるサブイベントを

99コンプリートしての時間です。

膨大な時間のかかるパックマン育ては挫折してしまいました。

ストーリーを最短で追えば40時間ぐらいだと思います。

まあまあのボリュームですね。

 

前作も素晴らしい出来だったのですが、

GCということでぜんぜん売れなかったらしいのに、

2作目を作ってくれたことに喜んでいます。

PS2で発売されていればもっと売れただろうにと思うので、

是非PS2でリメイクして欲しいですね。

とにかく、ゲーム機体のために遊んでもらえないというのが残念でなりません。

とても良いゲームなのですが。



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