ブレイブリーデフォルト

 

フォーザ・シークウェル

 

一言感想

繰り返しが長い

 

グラフィック 9点
シナリオ 6点
ボリューム 9点
システム 8点
快適さ 10点
満足度 7点
総プレイ時間 86時間
総合評価 79点

 

 

 

クリスタル正教が信仰する

風火水土の4つのクリスタルが存在する世界で、

闇に呑みこまれたクリスタルを開放するため、

突如として開いた大穴に、村も、弟も、隣人もすべて失ったティズは、

村の大穴の前で出会った風のクリスタルの巫女、

アニエスと共に旅立つ、というのが大まかなストーリーです。

 

アンチクリスタリズムを掲げ、巫女たちを殺そうとし、

世界中に争いをまき散らしているエタルニア公国と戦いつつ、

4つのクリスタルを順次開放していくわけですが、

ストーリーは随所に突っ込みどころが満載です。

単なる一農民に王様を助けに行くのを依頼したり、

今まで争いごととは無縁そうだったのに騎士を圧倒したり、

短絡的な理由で軍を抜け、

慕った人たちをあっさり葬り去ってしまったりと

ストーリー中で随所に首を傾げたくなります。

 

敵側も世界を混乱に陥れているのには理由があると言いながらも、

その理由をあくまでも話そうとせず、

こちらを否定するばかりで結局は力に物を言わせて

強引に押し通そうとするあたり、

素直に話せばいくらでも和解可能だったのに、

ストーリーを長引かせるために作り手があえてそれを

語ることを禁じたのを強く感じます。

 

そういう安易な設定や無理のある展開は

無視して楽しめるのならば話は別ですが、

整合性や設定に拘るのならばやめた方がいいでしょう。

かなり力技でストーリーを進めていくタイプであり、

作り手にキャラクターが無理矢理踊らされています。

随所でそういう作り手の都合が目に付き、思わずため息が出ます。

 

また、終盤で延々と同じ作業を繰り返されることが

かなり苦痛になってきます。

同じことを幾度も繰り返すのかと思うと、いささか退屈です。

サブイベントは最初の辺りは微妙な変化ぐらいであまり差がなく、

終盤になると大分変わってくるものの、

延々と同じボスを倒し続けるのにいい加減飽いてきますね。

もう少し、このループを短縮したり、

メリハリを付けたりできなかったのでしょうか。

 

 

 

戦闘システムはシンプルですが結構歯ごたえがあります。

雑魚戦では1ターンで決着を着けなければかなりレベル差があっても

苦戦するような難易度であり、

ボス戦はかなりシビアで、きちんとボス対策をしなければ

なかなか勝てないようになっています。

雑魚戦とボス戦とがらりと変えた戦略の練り方が肝になっており、

両者の差異が結構面白いですね。

 

戦闘は大まかにブレイブとデフォルトを使い分けていく形で進めていきます。

ブレイブはブレイブポイントを消化して

ターンで行動できる回数を増やすことで、

デフォルトはブレイブポイントを貯金し、防御をするというシステムです。

ブレイブポイントは次ターンで1ポイント回復し、

デフォルトを行うとさらに1ポイント回復するのですが

2以上マイナスになると次のターンでは

何の行動もできないようになっています。

いかにして1ターン中で行動回数を増やして敵を減らすか、

ボス戦でボスの行ってくる攻撃に耐えるかが戦闘の醍醐味となっています。

 

シンプルですが奥深く、ジョブの組み合わせと、

ジョブレベルを上げることにより習得できるアビリティを

どう組み合わせて装備するか、

キャラクターごとにどのような役割を担うかが戦闘で重要になっています。

どのジョブに就いてどのアビリティを付けるかで

全く難易度や戦闘スタイルが変わってくるのも面白いですね。

シンプルですがどこまでも自分で変化を付け加えられるのがなかなか良いです。

その辺りを如何にして作戦を練るかがこのゲームの面白い所です。

途中からジョブレベルやレベルが面白いように上がるので、

レベル上げが実に楽しい。

ついストーリーそっちのけでレベル上げにいそしんでしまいますね。

 

 

すれ違い通信や同じゲームをプレイする人の

連携もシステムとしてあるのですが、

そもそもほとんどすれ違わないのと、

ゲームをプレイしている人がいないので、

このシステムは評価していません。

ただ、救助策としてメンバーズサイトに登録していれば、

その辺りのシステムも多少は使えるようになっています。

ノルエンデ村の復興にはすれ違うことがほぼ必須なのに、

全くすれ違わないので少々青ざめましたが、

このあたりの救助策を用意してくれたのは助かりましたね。

ノルエンデ村の復興はいわゆる育成物なのですが、

大した感慨もなく、非常にシンプルであり、

各ダンジョンにいる冒険者が売ってくれるアイテムの種類が

増えるのはとても便利だったものの、

レベルをマックスにするのにあまり手間はかからず、

全施設をマックスにしてしまうと

やることがなくなってしまうのが残念でした。

 

 

システムはかなり快適に出来ています。

こちらでエンカウント率を設定できるのが素晴らしい。

レベル上げの為に100%にすることもでき、

また全くエンカウントしない−100%にも変更可能で、

ここまでシステムをプレイヤーの思う儘に変更できるのは珍しいです。

戦闘の4倍速やオートセーブの設定、

難易度の設定も何度も変更できます。

ボイスも日本語か英語に、字幕も6か国語に切り替えられたり、

イベントが起こる場所やサブイベントが起こる場所がマップに表示されたりと、

至れり尽くせりのシステムです。

ここまで自由度が高く、快適なシステムを持つRPGは初めてプレイしました。

 

 

 

グラフィックは等身の低いデフォルメタイプ。

可愛らしいのですが各キャラクターの特徴を上手くとらえており、

優しい感じがして好感が持てます。

ジョブごとに衣装が変化するのも良かったのですが、

被り物はやめてほしかった。

中には殆ど〜全く顔が分からなくなる衣装もあり、

どれが誰かわかり辛くなります。

武器を変えると持っている武器のデザインも

反映されるのは良かったですね。

 

ムービーも優雅で美しく、繊細です。

背景も3DSにしてはかなり美麗で、見応えがあります。

この辺は流石スクエアエニックス、かなり頑張っていますね。

 

 

 

プレイ時間は、サブイベントをフルコンプリートして、86時間。

レベルをマックスまで上げ、全ジョブをフルコンプリートしています。

サブイベントを全部省き、レベル上げをあまり熱心に行わなければ

40〜50時間ぐらいだと思うのですが、

携帯機としてはかなりボリュームがありますね。

 

シナリオは突っ込みどころ満載で穴だらけですが、

ゲームのシステムやジョブ習得、戦闘が楽しいです。

ストーリーに高レベルを求める人には向きませんが、

システムが楽しかったり、やり込み要素があったりするのが

好きという人ならば楽しめるでしょう。

ただし、ストーリーは笑って許せる度量が必要です。




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