超執刀カドゥケウス

 

一言レビュー

病み付きになる絶妙な外科手術アクション

 

グラフィック 7点
シナリオ 9点
ボリューム 8点
快適さ 9点
満足度 10点
総プレイ時間 20時間
総合評価 91点

 

 

主人公は新米医師。

オーベンとベテラン看護士の補助の元、

危なっかしくも一人前の医師として成長していく内に、

ごく一部の者だけが持つ「超執刀」の力が自分にあることに気付く。

その特殊な能力を買われて、「ギルス」という奇病を治療する特殊な機関

「カドゥケウス」に引き抜かれ、

人為的に作られたとしか思えないギルス患者の治療を続け、

その諸悪の根源たる大本を突き止めるという、

外科手術アクションです。

 

テンポ良く進み、躍動感・スピード感溢れるストーリーは秀逸。

アドベンチャーパートは10分ぐらいで、

アクションパートも同じほどになっており、

その2パートが大体交互に繰り返されますので、

実際プレイしている時間よりも早く感じられます。

次々と進化していくギルスと、

何故こんなものが作られたのかという興味で続きが気になり、

止め時が分からなくなりますね。

ただし、終盤ではっきりとした答えが示されなかったのはちょっと残念です。

 

 

そしてこのゲームの醍醐味であり、

一番の魅力であるアクションパートなのですが。

これがまさに絶妙の出来で、大変素晴らしいです。

このアクションパートに関しては正直

これほど面白いとは思っても見ませんでした。

難易度もアクションが苦手〜普通の人でも

ギリギリクリア出来るぐらいに調節されており、

もうちょっとでクリアできる難易度に、再プレイをする意欲が湧き上がります。

難しすぎず、さりとて決して優しくはなく、

抜群のバランスの上でのオペはまさに秀逸です。

またアクションの得意な人用に、クリアランクがあるのも

腕に覚えのある者の心をくすぐると、なかなか心憎い試みだと思います。

クリア後に現れるエクストラステージの難易度たるやその際たるもので、

普通レベルの人にはほぼ手も足も出ない難易度なのですが、

得意な人は腕が鳴ることでしょう。

 

さて、実際のアクションパート「オペ」なのですが。

タッチペンオンリーで使うアクションは10種類。

最初の数話はチュートリアル的な意味合いもあり、

数種類しか使いませんが、

その他のオペではこの10種類をほぼ全部使う必要があります。

一部頻繁に使うアクションがあるものの、

だいたいが全てのアクションを使うように調整されており、

必要のないアクションは存在しないのもいいですね。

 

左右にアイコンが5種類ずつずらりと並び、

アイコンをタッチして現在使用しているアクションを切り替えていきます。

基本的にどのアクションもこの時はこれを使う、

というのが決められているものの、

ギルスのバリエーションにより画一的には決してなっておらず、

さりとてどれをどのように使っていいのか分からないということはなく、

オペ自身に飽きることはありません。

このアクションパートはとにかく必要とされるのはスピードと正確さ。

どのオペもクリア時間が設定されており、

時間内に手術を終えないとゲームオーバーになります。

この時間制限も実に上手く、難易度とテンポの良さの調整に一役買っていますね。

また患者のバイタル(活力)がゼロになると

これもまた、ゲームオーバーになりますので、

手術にばかりかまけていられず抜群の緊張感があり、非常に面白いです。

 

DSのタッチスクリーンを実に上手く使ったゲームで、

DSでなければなかなか生まれなかったであろう、

独特のアクションスタイルは見事の一言に尽きます。

よくこれだけ、タッチパネル、タッチペンを上手く使うアクションを

思いついたことだと感心します。

 

ただ基本システムで少々難のあるところもあります。

まず、どこでもセーブが出来ない。

携帯機でこれはちょっと厳しいですね。

オペ後やストーリーの区切りのみセーブが可能であり、

それ以外は一切セーブが出来ません。

アクションですので、オペ中にセーブが出来たら

難易度が下がってしまうというのも分かるのですが、

一度だけロード可能な中断セーブ機能をつけて、

なおかつアドベンチャーパート中はいつでもセーブできるように

して欲しかったと思います。

 

オペ中にキャラクター(主にアンジュ)が話しかけてきて

オペでの執刀方法等を教えてくれたりするのですが、

この会話中はオペが中断されてしまい、

ちょっとテンポが悪くなってしまっています。

初回ならともかく、再チャレンジ時には

この会話をスキップする機能が欲しかったですね。

 

タッチスクリーンの下部と上部の反応が

ちょっと鈍いのもプレイ中に気になりました。

もしかすると私のDS自身か、

上に保護フィルムを貼っているせいかもしれませんが、

タッチしてもなかなか反応してくれないのは少々イライラさせられました。

 

 

グラフィックですが、DSとしては普通のレベル。

アニメ調の絵柄で体のバランスが少々悪く、

やや子供っぽいのが気になります。

ちょっと癖がありますが、プレイしている内に慣れてしまうレベル。

 

手術中のグラフィックですが、決してグロくはなく、

パステル調の淡い色彩で臓器等が表現されているので、

血や臓器が苦手、という人でも難なくプレイできるように作られています。

上半身裸、等あるのですが、身体はシンプルに表現されており、

決していやらしくないのも好印象ですね。

 

 

途中の難易度が跳ね上がったあたりで攻略サイトを参考にさせていただき、

何度も再プレイして約20時間。

アクション系が得意な人はもっと短くなりますが、

クリア後に出るエクストラステージをプレイされれば

このぐらいになるかと思います。

オペの再チャレンジができるようになっていますので、

Sランク以外のオペをやり直してランクを書き直すのもいいかもしれません。

 

高難易度のアクションゲーム。

でも難しすぎて絶対クリアできない、というほどではなく、

後ちょっと頑張れば、あの時こうではなく

ああしていればクリアできたかもしれないと、

再チャレンジする意欲を掻き立てる

病み付き度の高いゲームです。

難しかったのですが、大変楽しくプレイできました。

私のように少々アクション系が苦手でも

何度も再プレイしている内にクリアできる

ギリギリのレベルに仕上がっていますので、

よっぽどアクション系が駄目な人意外はお勧めできるゲーム。

自信のない方はちょっとだけ難易度がゆるめに調整されている

ベスト版を購入されるといいでしょう。

アクション系で何か面白いものを、と思っている方には

全力でお勧めしたいゲームです。




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