デモンゲイズ

 

 

 

一言感想

一見ライトユーザー向けと見せかけて難易度が高い

 

グラフィック 7点
シナリオ 7点
ボリューム 9点
システム 8点
快適さ 6点
満足度 8点
総プレイ時間 83時間
総合評価 80点

 

 

 

魔物のうろつく旧市街で倒れていたのを発見され、

主人公は竜姫亭へ運び込まれた。

目覚めれば、そこは牢獄のようなところだった。

鎧を着た男が、デモンが来るから早く逃げろと忠告する。

男が去って行った後、凄まじい叫びが響き渡り、ふつりと途切れた。

さ迷い歩くうちに、先ほどの男の遺体を発見する。

くすくすと聞こえる笑い声、からかうように開け閉めされる扉。

吹き飛ばされて、命からがら逃げた先は、地下室のような場所だった。

そこにいる赤毛の女に剣を渡されると、

お前はデモンに追いかけられているので、

自分でなんとかするように告げられた。

 

闇の奥から現れたのは、閉じ込められた怨嗟を吐く

狂った狐のような少女だった。

倒した後に現れたのは、おさげの可愛らしい少女、コメット。

女の助言に従って、瞳に少女を捕えた。

手をつかまれて階段を上がった先は、食堂らしき場所。

そこは宿酒場「 竜姫亭 」

グリモダール城下に唯一残された、安全な店だった。

そこの女主人である、管理人フラン・ペンドールに引き合わされ、

捕えたデモンの魂を渡した。

 

自分が魔を捕え、使役するデモンゲイザーであるということを

知らされた主人公は、記憶も行先もないことから、

フランに請われてデモンを狩ることになります。

 

というのが大まかなストーリー。

ストーリー自身あまり捻りはなく、

それでいて言葉足らずなところがあるのですが、

それ以外で不思議と人を惹きつける魅力があります。

このゲームの真骨頂はシナリオやキャラクターではなく、

ダンジョンアタックや育成にあると思います。

 

 

 

ダンジョンは3Dダンジョン型のDRPG。

ダンジョンを踏破していくと、通ったところのマップは自動的に記録されていき、

行った事がある道だと、行きたい箇所を指定すれば、

勝手にそのルートの最短距離を進んでくれるのが便利ですね。

ワープや迷いの森はダメですが。

また、宝箱はほとんどないわけですが、

敵が結構装備以外のアイテムやジェムを落とします。

 

ダンジョンに複数あるサークルにジェムというアイテムをセットし、

出現した敵に勝利して装備品を手に入れるわけですが、

これがどんどん手に入るのが非常に面白い。

ジェムによって、装備品のカテゴリーを決めることができるのもいいですね。

アイテムを手に入れて装備品を頻繁に切り替えていくのと、

装備品を強化したりレベルを上げたりするのが楽しくなって、

せっせとダンジョンへもぐっていました。

こういう作業系のシステムが好きな方にはお勧めで、

かなり中毒性があります。

 

キャラクターメイキングで仲間を作っていきます。

戦闘メンバーはほぼストーリーに絡んできませんが、

その代わりとしてかなり自由に作成でき、

途中でいくらでも容姿・名前・ボイスを変更できるのが素晴らしい。

そして容姿・名前・ボイスは主人公ですら変更可能です。

変えられないのが種族とクラスなので、良く考えて決める必要があります。

レベルが上がるごとに1ポイントずつ特性値(STRやLUCなど)を

振り分けることができるのですが、

これでかなりキャラクターの特徴がはっきりしますね。

キャラクターメイキングについてはかなり自由度が高いと思います。

 

戦闘は敵味方共に、素早い順から行動をするタイプです。

雑魚敵はともかくとして、ボスはきっちり対策をとる必要があります。

また、マップが変わると一気に敵の強さが跳ね上がることが良くあります。

戦闘やダンジョンの探索に必要不可欠なのがデモンですが、

誰を連れていくかで戦闘がかなり楽になったり、

マップ踏破に必要だったりと、どのデモンにするのか悩むのも楽しかった。

戦闘に加わってもらうオープンデモン、

ゲージ量を消費して使用するスキルと、

シンプルながら良く考えられていると思います。

 

ただ、難易度が非常に高い。

普通にマップを完成するだけではボスに勝てないということが頻繁にあり、

レベル上げ必須であり、レベル上げをしても、

戦闘での対策を考えていないと負けてしまいます。

非常に難易度が高いタイプであり、一番低い難易度でもかなり厳しく、

ライトユーザーでは途中で投げ出す人も多かった様子です。

製作者が考える戦闘バランスがかなりシビアであり、

それについていけるかが重要なポイントとなる、

高難易度のボス戦のため、プレイする人を選ぶゲームです。

少なくともレベル上げが苦にならないタイプでないと難しいでしょう。

 

 

 

基本的なシステムは少々難ありです。

前に使用したスキルやアタックをそのまま使用するオートが、

うまく作動しないところが結構あります。

戦闘中も一々ボタンを押さなければいけないのが非常に面倒で、

複数攻撃した場合はそれ毎に押す必要があります。

×ボタンで素早く飛ばすこともできますが、

ずっと押し続けていなければいけないのが大変です。

システムでこの辺はもうちょっと工夫をしてほしかったところ。

頻繁に戦闘がおこる為、このあたりの不自由はとても目につきました。

何度でも使用できるアイテムの場合、

あった場所が次回ほぼ間違いなく動くため、

次のターンでもう一度使う時にオートカーソルの位置が変更になっていて

一々動かさなければならないのが煩わしかった。

また、戦闘中に幾度かゲームが強制終了することがありました。

ボス戦で落ちた時はどっと疲れたものです。

 

 

 

グラフィックは2Dタイプ。

ふわっとしたやわらかで優しげな風合いで、

やや癖のある作風ですが比較的万人向けです。

等身が低めなのがちょっと気になりますね。

戦闘キャラクターの豊富なデザインには楽しませていただきました。

ただ、露出度が高いものがやや多く、

イベントでも露出が高めです。

 

立ち絵とCGは少し違和感のあるものもありますが、

概ね問題なく、綺麗に纏まっています。

途中で差し挟まれるCGも良かったのですが、

贅沢を言えば、もう少し枚数が欲しかった。

塗はやや厚めで濃いものの、作品イメージからさほど離れてはいません。

 

 

 

プレイ時間は、本編クリアで57時間、

本編終了後のエクストラマップで20時間、クエストコンプに3時間、

トロフィーコンプに3時間、合計83時間です。

序盤から難易度を一番低い「ぬるい」に変更しました。

 

かなりゲームバランスが悪く、高難易度です。

昨今の温めで、戦闘に逃げないで戦っていたら

さほどボス戦に苦戦しないタイプと同じと思うと痛い目を見ます。

レベル上げ必須の作業ゲーですが、それでも不思議な魅力に溢れたゲームです。

防御力やレア度の高い装備がドロップした時はわくわくします。

 

ややお色気要素が強く、ライトユーザー向けに見せかけていますが、

難易度はかなり厳しめに仕上げられていますので、

作業が苦にならない方ならば楽しめると思いますが、

そういうのが嫌いな方には向きません。

非常に向き不向きが出るタイプのゲームです。




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