百花繚乱エリクシル

 

Record of Torenia Revival

 

一言レビュー

悪くはないが良くもない

 

グラフィック 7点
シナリオ 7点
ボリューム 8点
快適さ 7点
満足度 7点
総プレイ時間 40時間
総合評価 72点

 

 

 

巡察使となって初めて赴任されたのは、

とんでもなく辺境の地、ミルトスだった。

それというものの研修時、

誰もが見て見ぬふりをしていた大貴族トリロバ卿の脱税を暴き、

先輩巡察使はもちろんの事、貴族たちにもこぞって煙たがられたからだった。

体のいい左遷であり、

本来は二人付くはずの護衛使も、幼馴染のアンドロメダ一人きり。

 

件のミルトスは税の滞納が酷い土地だった。

ここしばらく、税金が納められたことが一度もない。

土地は広いが人口は少なく、耕作地も少ないとはいえ、

数年間不作になるほどの悪天候はなく、

税を滞納する理由が分からない不思議な領だった。

 

脱税しているんじゃないか?

そのような疑いを持って隅々まで調べつくしたブルームは、

あまりな領地の経済状況に愕然と立ち尽くした。

「これでは税を納めるどころか、

助成金をもらわなければならない財政難状況だ。

俺が税を納められるようにこの村を何とかしてやる!」

 

そう啖呵を切ったブルームは村を豊かにするべく、

本来の職務からはいささか外れることになるものの、

村人たちの力を借りて村おこしをすべく奮闘することになります。

 

 

ヒロイン達はもちろんの事、村人たちも非常に善良であり、

ミルトスは朴歌的な村です。

彼らの朗らかながらもピントのずれた会話が良いですね。

村人たちを巻き込んで懸命に頑張るストーリーが共通なのですが、

村を盛り上げ、人を呼ぶように開催した

ミルトス祭をあげるまでが面白い。

 

村人たちに理解を求め、村の為に懸命に働くブルームに、

いつしかミルトスの人々は感謝するようになり、

豊かになっていく村に、是非ともこの村の女性と結婚して

これからも村を盛り立ててもらいたいとの思いから、

領主のご令嬢マーガレットを筆頭に、

村の若い女性陣が総出となってブルームを

引き留めるのが個別シナリオです。

 

口の悪い言い方なのですが、個別シナリオは予定調和的に進み、

なんだか不思議と先が気にならないのです。

きちんと起承転結があり、盛り上がりもある。

ヒロインのために頑張るブルームの姿を描いたストーリーは悪くはないのですが、

こうなるのではないかなと思ったその通りに進んでしまい、

意外性やハラハラドキドキ感がほとんどないのが原因だと思います。

捻りやこのゲームのシナリオならではといった点がないために、

悪くはないが良くもないといった不思議な感想になってしまいます。

 

 

 

システムはごく普通〜やや使い辛いぐらいです。

オートモード中に○ボタン以外の他のボタンを押すと

オートがキャンセルされてしまいます。

ボイス再生中にページ送りを押しても上手く次のテキストが表示されず、

複数ボタンを押すことになります。

これが少々イライラしますね。

 

システムは細かく設定でき、

アドベンチャーに必須のシステムはほとんど揃っています。

シーンスキップは出来るのですが、

スキップしようとするシナリオの簡易テキストがスキップできません。

これもスキップできるようにしてほしかった。

そしてスキップとオートの併用も不可です。

履歴からの巻き戻しや前の選択肢まで戻る事が出来るのは良かったですね。

 

 

 

グラフィックはやや癖のある絵柄。

目が特徴的であり、やや好みが分かれるところですね。

立ち絵は安定感があり、比較的癖が薄い目なのですが、

CGの目元が特徴的です。

画面切替演出に、ヒロインルートに進んだ場合

ヒロインの立ち絵とアップになった描き下ろしイラストが入るのですが、

そのヒロインの面立ちが立ち絵と違和感あります。

アイキャッチイラストとCGにデッサン崩れをしているものが

あるのが気になります。

 

 

CGの枚数は差分抜きで111枚。

内デフォルメのミニキャライラストが42枚と、

ややデフォルメイラストが半数近いのが気になりますが、

ボリュームに対して普通〜多い目だと思います。

差分は少なめです。

着彩は普通で可もなく不可もなく。

どちらかというとやや綺麗めでしょうか。

構図自体もさほど悪くはありません。

 

 

 

プレイ時間は約40時間。

時間が表示されないタイプですので、約の時間です。

プラチナトロフィーを取得しています。

 

どの個別シナリオも悪くはないものの、目新しさもなく、

予想通りに終始してしまうので先が気になりません。

村人達と村おこしをしていくまでの共通シナリオの方が面白かった。

ヒロインルートはこちらが思った通りにほぼ進んでしまうため、

意外性がないのが原因だと思われます。

強烈に勧められるポイントがないのですが、

何とはない会話を魅力的に書くのが上手いシナリオライターだと思います。




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