エターナルアルカディア レジェンド

 

一言レビュー

ジェットコースターのような冒険活劇

 

グラフィック 5点
シナリオ 9点
ボリューム 8点
快適さ 4点
満足度 9点
総プレイ時間 48時間
総合評価 78点

 

 

ジェットコースターのような勢いのある、

実に魅力的なストーリーのRPGです。

次々と繰り広げられていく未知なる世界は、

その独特な世界観を余すことなく見せています。

 

RPGといえば「コレ」というような、

プレイヤーが求めるものがぎっしりと詰まった、

王道派(もちろん良い意味で)のストーリーは、

プレイヤーを飽きさせることなく、とても良く出来ています。

 

驚くべきことに、RPGにありがちな

お使い要素が殆ど無いのが凄いです。

 

とあるアイテムを集めることが目的になることもありますが、

目的がそのアイテムである、と言うより、

未知なる物、自分の知らない世界を冒険しに行っている、

というのがぴったりで、無理やりやらされている感があんまりありません。

 

次の街やダンジョンはどんなものだろうか、

とわくわくドキドキ感が常にあり、

どこそこにいくにはあれが必要で、

それを仕方なく取りに行っている

というようなイメージは殆どありません。

久しぶりに心躍るようなRPGを堪能させていただきました。

 

 

戦闘システムも独特で、

技や煌術(魔法のようなもの)を使うには

ガッツというものが必要で、ガッツというものを溜めつつ、

それらのものを使って攻撃する、というシステムです。

 

ゲームに戦略性があり楽しかったのですが、

全ては技や攻撃で決着がついてしまうため、

回復や補助以外の煌術が必要でなく、

その辺のゲームバランスがちょっと悪かったですね。

 

攻撃にはとても強いが、煌術には弱い敵を作る等、

すると良かったのではないかと思います。

 

 

船での戦闘(砲撃戦と言います)も普段の戦闘を

アレンジしてあるもので、

こちらは4人全員で協力体制を引き

戦っていく、というものになっています。

ボス戦か、ワールドマップで移動時、

敵船とぶち当たった時(ぶち当たること自体が滅多にない)しか砲撃戦がなく、

殆ど船で戦闘することが無いため、ちょっと残念でしたね。

 

船での移動時でも普通に敵とランダムエンカウントするので、

船での移動時は、船で戦闘するタイプにすればよかったと思います。

 

 

グラフィックはDC版のリメイクなので

仕方がないといえばそうなのですが、

ドット欠けが随所に見られました。

3Dが得意なGCにしてはポリゴンが荒く、

人物が設定画とかけ離れていることもあったので、

点数は低い目に設定してあります。

ただ、表情にメリハリがきいていて面白くはありました。

 

設定画がとても魅力のある絵なので、

ゲーム中でももっと使って欲しかったのですが、

人物が出てくる絵といえばステータス画面や戦闘画面に

小さく顔のみが乗るだけでしたので、

とてももったいないと思いました。(一部例外あり)

せめてステータス画面ぐらいには

人物の(原画家さんの絵の)

大きなバストアットグラフィックが欲しかったですね。

 

 

戦闘システム自体はとても良い出来で、

いろいろと要素が盛り込まれているにもかかわらず、

わかりやすいシステムだと思います。

 

昨今のRPGは、独自性を出そうとして

かえって複雑にしてしまい、

システムを理解するのにストーリーの半分ぐらいまで

かかるものが多いのですが、

初心者でも容易く理解でき、なおかつ使い古されたものではない、

というのは簡単に出来るものではないでしょう。

 

また、やりこみ要素もいっぱいです。

ストーリーをそのまま追いかけていけば

20〜30時間で終わると思うのですが、

やりこみ要素が楽しかったので、

そのほかにたっぷり時間をかけてしまいました。

 

ワールドマップの発見物や、

ダンジョンや街マップのムーンフィッシュ、チャム集め、

本拠地システムやクルー集め、

おたずね者等、とても楽しかったです。

 

 

次に悪い点を書きます。

 

1.カメラワークが悪い

カメラワークが凄く悪いです。

特にマップが切り替わる時と自己視点になる時が最悪で、

カメラが急激に180度回転します。

 

急にぐるっと回るので3D酔いしますし、

時には人物の前にカメラが来ることがあり、

自分がどちらの方向に向かっているのかわからなくなったりしました。

また、極端に人物にカメラが近くなることもありました。

 

船での移動時も、高低差の概念があるのは良い点なのですが、

上下するたびにカメラワークがふらふらするので、

これも3D酔いの原因になりました。

3D酔いする人は、覚悟して挑んでください。

 

 

2.戦闘が長い

人物の戦闘も、船での戦闘もとにかく長いです。

そしてエンカウント率がものすごく高いのが、

戦闘の煩わしさに拍車をかけています。
 

船での戦闘は、7割は何もせずに敵艦の周りを

ぐるぐる回っているだけ、というのが原因だと思います。

この、何もしていない時間をバッサリ切れば、

テンポよく進んだのではないかと思います。

 

人物の戦闘ですが、

遠距離、近距離用(どちらも攻撃力は同じ)の

2種類の攻撃モーションが各自にあります。

 

遠距離に敵がいる場合は遠距離用、近距離時は近距離用の

モーションをするようになっているのですが、

遠距離に敵がいるにもかかわらず、

ターン中にわざわざ敵の前まで走って行って、

近距離用モーションをすることが随所で見られました。

 

近距離攻撃をさせたいのなら、他のキャラが攻撃している間に

移動させる等すればいいのに、

わざわざそのキャラのターン中に近づかせるので、

テンポがとても悪くなっています。

 

それと、敵ユニットが多すぎると思います。

こちらは2〜4人なのに、多い時は敵が8人ぐらいいるのです。

倒すのにとても時間がかかります。

 

後、回避率のとても高いエルモが色々なダンジョンに

色違いで現れ、これがなかなか攻撃が当たらないために

戦闘が長引き、イライラさせられました。

 

技モーションも、最初頃ならスタートボタンを押すことにより

モーションをキャンセルできるのですが、

モーションが途中まで進んでしまうと

モーションをキャンセルできなくなります。

コンフィング等で、技モーションON、OFFが

設定できれば、と思いました。

 

 

3.当たり判定が悪い

人や扉、梯子の当たり判定がとても悪いです。

一生懸命話しかけているのに、なかなか話しかけられなかったり、

梯子が下りられなかったり、扉が開かなかったりしました。

当たり判定がちょっと細かすぎるのだと思います。

 

 

4.ワールドマップ移動時のシステムが悪い

コンパスが右下にあるだけで、

自分がどこに行っているのかさっぱりわかりません。

地図は一応ありますので、それを見るのですが、

いちいち地図とワールドマップを切り替えなければならないので、

それがとても面倒でした。

コンパスは左上に、右下にはワールドマップの縮小版を

付けるべきだと思います。

 

 

他にも、ダンジョンが単純だったり、

高低差のあるマップであるにもかかわらず、

ダンジョンマップが平面でしか捉えられていないので、非常に見にくかったり、

またGCなので、若年層を狙って文字が平仮名が多い等、

快適である、とはちょっと言えないレベルでした。

 

特にひらがなはね…。

緊迫感あるときに「とつげきだ!」

とか言われてしまうと、ガクッと盛り下がってしまいます。

読み仮名を打つなど対応して、

もう少し漢字を使って欲しかったですね。

 

DC版からの移植作品でもあり、

ユーザーの声も充分聞けたはずですので、

快適さの点は辛めにつけてあります。

 

 

ゲームを快適に進めるためのシステム自体は悪いのですが、

それを補えるほどストーリーが良いです。

3D酔いするのが最大の難点ですが…、

ストーリー重視の方でしたら、充分満足できる出来だと思います。

システムがよければ80〜90点なのですが…。

とても惜しい作品です。




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