ファミコン探偵倶楽部 PARTU

〜うしろに立つ少女 前後編〜

 

一言レビュー

クラシカルな雰囲気は大人向け

 

グラフィック 8点
シナリオ 8点
ボリューム 5点
快適さ 5点
満足度 8点
総プレイ時間 7時間
総合評価 73点

 

 

ある雨上がりの朝、川原に女子高生の死体が上がった。

警察から依頼を受け、現場に駆けつけた私立探偵空木と

その助手である主人公は、

自殺ではなく他殺であるということに気付き、

調査に乗り出すことになる。

 

殺された少女の名前は小島洋子。

丑美津高校の生徒である彼女は、

数日前から学園に伝わる怪談話、「うしろの少女」を調べ始めて、

様子が変わったとの情報を彼女の親友、橘あゆみから聞き、

「うしろの少女」の事を調べ始める。

 

その折、探偵である空木は警察より時効寸前の

殺人事件の調査を依頼されたが、

その二つの意外な接点を知り、

二つの事件を同時に調べることになった。

うしろの少女とは?

15年前の犯人と真実とは?

そしてその事件を調べた洋子を、殺した人物とは?

 

と言うお話です。

 

ホラー要素を含んだ推理物ですが、

今から見れば突っ込み所満載ですね。

15歳の少年が探偵で、一人で事件を任されるとは…とか、

警察に探偵が起こったばかりの事件を依頼されるわけが…とか、

警察が15年かかっても分からない真犯人を、

数日で調べられるはずがない、とか

検死を探偵助手がやるのは明らかに変、など。

設定に明らかに無理がありますが、

まあそこは子供向けの推理物ですので、固く目を瞑りましょう。

 

ファミコンミニシリーズで、私自身オリジナル作を

やったことがないので断言は出来ませんが、

かなり忠実にあの頃のものを再現しているようです。

事件に起伏があり、次々に明らかになっていく真実を追ってゆく、

冒険物に近いスタイルで、シンプルな音楽と絵があいまって

懐かしい雰囲気がしますね。

ストーリーもどんでん返しが幾度もあり、丁寧に作られています。

前作の消えた後継者よりかなりテンポがよくなっており、

フラグを立てるために、無駄にあちこち

回らされることが少なくなっています。

と、行ってもあの頃のもの。

だいぶもどかしいものがあるのは確かですが、

楽しくプレイできました。

後半は必死になってやってしまいましたね。

 

 

システムはかなり悪いです。

システムもかなり忠実に再現しているらしく、

その辺は仕方がないともいえますが、

総コマンド選択式で、何度も同じ選択肢を選ばねばならず、

聞かされるメッセージも同じだったりすると

システム的にだいぶ改善されている

近作のアドベンチャーに慣れている身としては

かなり面倒なものがあります。

表示されるメッセージも遅いため、

同じメッセージを見せられるとかなりもどかしいですね。

 

また、下のほうの選択肢を選ぶ場合、

上から順に下へ降りていかなければならないのが辛かったです。

後は殆ど平仮名の文章。

殆どヒントのない迷路。

いくら昔の作を忠実に再現しているとはいえ、

この辺をもうちょっと改善して欲しかったところです。

 

 

グラフィックですが、これまた昔のまんま。

一部見難い所もありますが、あの頃の少ないドット絵にしては、

かなり頑張っていると思います。

特に終盤のとある人物の豹変振りの表現の仕方は秀逸。

これだけのものでもこちらがドキリとする表現ができるのだと、

新たな発見をした気分です。

かなりドキドキしました。

 

 

プレイ時間は正確な時間はわかりませんが、約7時間。

基本的に一本道ですので、皆さんのプレイ時間は対して変わらないでしょう。

ちょっと短いですね。

総コマンド形式がネックと言う方は、

迷わず攻略サイトへGO!ですね。

 

最近の小学生が見れば、少ない色数、

シンプルを超えて荒削りで絵崩れの激しい絵、

少ない音で表現されたチープな音楽と、

何これ?と思うものがあるでしょう。

最近開発されているGBAのアドベンチャーと比べると、

確かに色々な部分で明らかに劣るものがあります。

でもこれはこれで味のあるものですね。

どちらかと言えば、大人が昔を懐かしんでやるタイプのゲームでしょう。

大人で、ファミコン世代を経験した人たちにはオススメですね。

小学生にオススメ!とはちょっと言いがたいものがありますが、

推理物初心者としてはいいかもしれません。

自分たちと対して変わらない年代の主人公ですので。



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