フェイト／エクストラ

ＣＣＣ

一言感想

ぶっ飛んだ路線なものの、前作プレイ者に損はさせない

再び聖杯戦争の予備選の生活から始まります。

前と同じようでいて、どこか違う学園生活。

違和感を覚えつつも繰り返し日常を過ごしていた主人公は、

昇降口で、具合が悪そうにうずくまる間桐桜を助け、

家へ帰ろうとした途端、黒いノイズに学園が浸食され、

学生たちがどんどんそれに飲み込まれていくのに逃げ惑っていた。

屋上に何とか逃げたものの、見渡す限り黒いノイズに埋め尽くされている。

そんな時、空から甘く、蠱惑的でいながら邪悪な少女の声が降ってきた。

「このままお人形さんのように眠りなさい。

私があなたに、聖杯を与えてあげる」

だから、全て諦めろと囁く少女の声。

それに反発した主人公は、屋上から飛び降りた。

どことも知れない果てしない闇を落ち続ける主人公は、

何時しか自分を呼ぶ者の名を口にしていた。

気が付けば、そこは旧校舎と呼ばれる古めかしい校舎の中。

「ムーンセル」の月の裏側に閉じ込められた、他のマスターたちと共に、

月の裏側から脱出し、聖杯戦争へ復帰するために協力して

「サクラ迷宮」と呼ばれるダンジョンアタックを繰り返していくことになります。

今作も主人公には過去の英雄を具象化したサーヴァントが付くのですが、

彼らのキャラクター性が強烈に立っているのは相変わらず。

今作では一人以外かなり新密度が上がった状態で再開し、

互いを信頼しつつ、失われた力と記憶を共に取り戻していくという過程もいいですね。

淡白で個性があまりなく、記憶を失っている主人公を支え、

懸命に脱出を目指すのですが、今回はかなりコメディ風味が強いです。

前作とは真逆に走ったかのような

今作独特のエロいシステムもそれに拍車をかけています。

エロく、ギャグに走るものの、締める所はきっちり締めるのですが、

非常に癖のあるシナリオで、ぶっ飛んだあれこれを

許せるのならばとても楽しめると思います。

主人公につくサーヴァントは４人の中から選ぶことが可能で、

どのサーヴァントにしても大筋のストーリーは変わらないものの、

要所要所のセリフや反応がサーヴァントごとに違っており、

彼らの秘された過去やＳＧも相まって、シナリオに彩りを加えており、

サーヴァントを変えて２週目、３週目をプレイしたくなります。

サーヴァントの違いでこれだけ変わるのかと、

正直感心させられるものがありました。

戦闘システムは基本的に前作と同じですので割愛します。

スキルが増えたのと、コマンドがオートで

入れられるようになったぐらいの差異でしかありません。

システムは特に可もなく不可もなく。

イベント中やダンジョンに入っていなければいつでもセーブ可能です。

今作ではダンジョンの中の回復ポイントでもセーブできるようになりました。

後はサーヴァントと主人公の着替えができるようになったのと、

どのダンジョンにも最後まで好きなだけ入れるようになっているぐらいで、

それ以外は前作と基本同じです。

グラフィックは会話時左にキャラクターイラストが表示され、

３Ｄのモデルが身振り手振りをして立ち位置を表現するタイプです。

３Ｄのモデルは比較的イラストに近く、

ＰＳＰにしては大分頑張っている方だと思います。

体のモデリングもさほど悪くはないものの、

表情の変化がほとんどないので、お人形めいているのが残念です。

極たまにＣＧが表示されるのもいいです。

今回は周回すると、前に見たＣＧも見られるようになっています。

ＣＧはキャラクターイラストを担当している方が描いているらしく、

やや可愛らしい方向よりなものの、

華やかで塗も美しく、統一感があります。

今作も特に問題ありません。

後は特に問題があるのは敵の種類です。

ボス・準ボスを除けばモデルは２０種類程度で、

殆どが前作での敵の使いまわし、カラーバリエーションです。

もうちょっとバリエーションが欲しかったですね。

プレイ時間は、サーヴァントを４人・４週して、１２３時間。

セイバーで４３時間、アーチャーで２６時間、ギルガメッシュ２６時間、

キャスターで２５時間＋ＣＣＣルートに各１時間ずつです。

殆どの会話イベントをこなし、アーチャー以外は

サーヴァントエンド以外全員ＣＣＣルートを見ています。

クリアレベルはそれぞれ５０強で隠しボスは４サーヴァント分全部戦っています。

１週目が４０時間程度、２種目からはそれぞれ２５時間ぐらいですが、

サーヴァントが４人ということで

思わず２週目をプレイしたくなるタイプで、

携帯機としてはかなりボリュームがありますね。

全サーヴァントでプレイすると確実に１００時間を超えます。

前作とはあまりにも違いすぎるはっちゃけたシナリオに最初は驚いたものの、

芯を貫くシナリオは変わりません。

今作もずば抜けて良かったのが個性的なサーヴァント達です。

会話の妙が非常に面白く、全サーヴァントをプレイしてしまいました。

今作からいきなり加わるギルガメッシュはプレイ前に正直どうかと思ったものの、

ふたを開ければギルガメッシュのルートが一番面白かった。

前作をプレイしていないと全力で楽しめないので、

前作プレイがほぼ必須ですが、

Fateシリーズが好きな方、前作が気に入った方ならば絶対お勧めです。

ぶっ飛んだシナリオやエロいシステムが

ちょっとお勧めしにくいところがあるのですが、

それを押してでもお勧めしたい作品です。