FINAL FANTASY X/X2

HD Remaster

 

一言感想

チャーリーズエンジェルフルストレスお使いゲーム

 

グラフィック 10点
シナリオ 5点
ボリューム 10点
快適さ 6点
システム 8点
満足度 1点
総プレイ時間 74時間
総合評価 59点

 

 

今作はPS2で発売されたファイナルファンタジーXと、

Xのエンディング後を描いたX−2の二作のゲームを一つにまとめ上げ、

HD用に画像を綺麗に修正し、ワイド版に対応しています。

ワイドと言っても上下を断ち切るやっつけ仕事ではなく、

きちんと左右を継ぎ足しているのは流石ですね。

システムや追加要素はどちらの作品も

インターナショナル版のものを採用しています。

インターナショナル版はボイスが英語、日本語字幕でしたが、

今作はボイスも日本語になっているのは高く評価したいです。

 

さて、今回も注釈しなければならないことがあります。

今回のレビューはX/X−2の中で、

X−2のみに絞ってレビューをしているという点です。

Xの部分がご覧になりたい方は、一旦戻って

Xの方のゲームレビューを選択してください。

 

 

ストーリーはXのゲームエンド後の世界。

あれから2年が経過しています。

伝説の大召喚士の中で、ナギ節を呼び込んだ後にも唯一生存しており、

今までの大召喚士の者達でも誰も達成できなかった

永遠のナギ節を招いたユウナは、

スピラの人々に絶大なる影響力を持つに至っていた。

そして、ビサイド島でユウナを頼り、

あわよくば自分達の旗印にしようと

目論む者たちの思惑にユウナは懊悩していた。

永遠のナギ節が到来して以来、スピラの者達は混乱しており、

今まではシンを倒すという目的で団結していた人々は、

寺院が水面下で行っていたことが明るみに出て、

長らくスピラを実質支配していたと言っても

過言ではない寺院は崩壊し、精神的支えを失っていた。

結果、人々は大きく三つのグループに分かれ、

グループごとで互いに相争っていた。

 

そのような中、スフィアを見つけることを生業とする

スフィアハンターになっていた従妹のリュックに誘われて、

ユウナは村から飛び出した。

スフィアハンターとなって消えたティーダの手掛かりを探す中、

キマリがある一つのスフィアをユウナの元に届ける。

そこには、ティーダにそっくりな人物が映っていた。

 

という、さわりだけを書くと何だか真剣なお話のように思えますが、

実際は凄まじく弾けてしまった内容です。

女性三人でノリノリに戦隊風のポーズをとってみたり、

困ったことがあれば引き受けます!

とにこやかにお使いの依頼を受けてみたり。

しめやかに、悲壮感を込めて、決意を胸に

自分の死と引き換えに人々の安寧を願って旅をしていた

ユウナの雰囲気がぶち壊しです。

もちろん、ユウナはユウナであり、

どれほど口調や衣装を変えてみても、

本質は変わっておらず、お人好しで

困った人を見捨てられないのは相変わらずです。

それを軽〜いノリで依頼として引き受けて、

金銭やアイテムをもらっている、スフィアハンターとは名ばかりの

何でも屋なのを見ていると面喰い、落胆したものです。

 

このノリは随所で炸裂しており、

この雰囲気についていけないと非常につらいです。

また、ストーリーとは名ばかりで、

8割〜9割近くはお使いのクエストを達成していくものであり、

ストーリーはほとんどありません。

シナリオを重視される方はかなり厳しいゲームでしょう。

余りにお使い度が激しく、先が全く気にならないストーリー展開で、

さらにエピソードがブツ切りで次のレベルへ続く的な感じで進むために

途中で中断し、プレイを再開するのに相当気力がいりました。

プレイするのも嫌々プレイしていたぐらいであり、

ここまでモチベーションが上がらないゲームも久しぶりでした。

ザナルカンドエンディングを見るためには非常に厳しいものがあり、

攻略本や攻略サイトを子細にチェックして綿密に計画を練る必要があります。

面倒で時間ばかりかかり、難易度の高いサブイベントに途中で何度も挫折しかけ、

終盤は歯を食いしばってプレイしたほどです。

ゲームのレビューを書きあげるために

クリアしたと言っても過言ではありません。

 

 

 

戦闘はXと違ってアクティブタイムバトルタイプのRPGです。

リアルタイムで戦闘が進み、敵味方共にターンが回ってきた者から

次々と行動していくタイプ。

どのような行動を取るかによってもさらに待機時間が加算されます。

今回は戦闘メンバーががっちり決まっており、

ユウナ、リュック、そして今作からの新キャラクターパインの三人が固定です。

モンスターやキャラクターを捕まえて

パーティメンバーにすることも可能なのですが、

ストーリーには絡まないために私は完全に無視しました。

三人はレベルが同じならば全く同じパラメータをしており、

キャラクターを特徴付けるのがドレスフィアというアイテムです。

ドレスフィアによって各能力、使えるアビリティが

全く違っており、全19種類。

 

全員同じドレスフィアを身に着けていると色々と支障があり、

また、戦闘中でもドレスチェンジをして

能力を切り替えていくのが肝であるのですが、

ここにも随所で弾けてしまった感がたっぷりです。

まずドレスチェンジをすると、そのドレスごとに衣装がパーッと変わり、

独特の軽〜いモーションや、

妙に可愛らしいポーズをとるのに顔が引き攣りました。

ドレスチェンジをショートやオフにすることも可能ですが、

必ず一度は見る必要があり、戦闘後も

そのようなタイプのポーズをとってみせたりするため、

違和感が激しく、思わず残念すぎてため息が漏れます。

この独特の弾けちゃった感が許容できないと、

ただ疲れるだけか嫌悪感を覚えるだけのゲームだと言えるでしょう。

 

ドレスチェンジをするごとに

リザルトプレート上のゲート通過により加わる能力と、

装備するアクセサリ如何によっては勝てない戦闘も勝てるようになり、

戦闘を重ねるごとに各ドレスにあるアビリティを覚えていくという、

戦術性、育成度の高いゲームで戦闘自体は結構面白いのですが、

いかんせん開発者が遊び過ぎており、

はっちゃけてしまっているところが随所に溢れすぎています。

前作と雰囲気を変えたかったのでしょうが、

ここまで作風を変えてしまうとかなりの問題が生じてきますね。

前作の正当続編と考えると色々と残念なところがあります。

 

 

 

基本的なシステムですが、これも基本はXと同じシステムです。

ローディングが長いのが非常につらい。

昨今インストール有りでほとんどローディングのないゲームが多い中、

なぜかこのゲームはインストールを採用しておらず、

随所に10〜20秒のローディングがまめまめしく入ります。

メニュー画面も妙に引っかかるところがあり、

スムーズに画面が変わらないのも気になるところ。

 

アイテムも自動整頓してくれないので、

こちらがたまに整理してやらなければいけないのも相変わらずです。

自動整頓というアイコンがあるので、一瞬で終わるとはいえ、

それならばなぜ最初から自動で整頓してくれないのかと思います。

 

 

 

グラフィックは、当時PS2版最高と謳われたグラフィックです。

ムービー時の美しさは今のPS3版の他ソフトに引けを取らないどころか、

匹敵する、物によっては上のグラフィックが凄いですね。

今でも十分美しい所は素直に感嘆させられます。

ただ、ムービー時の顔の造作はXの方が好みです。

幻想的な背景の美麗さも素晴らしく、

このグラフィックの美しさも世界観をこの上なく見事に演出しており、

煌めき緩やかに舞い踊る光や美しい緑に覆われた広大な大地、

広がる美しい自然が非常に鮮やかです。

 

通常時や戦闘時のポリゴンはかなり見劣りしますが、

そもそもHDリマスターであり、リメイクではないので、

そこは妥協すべき点としてマイナス要素にはしていません。

むしろ、当時の物をかなり綺麗に

PS3版として丁寧に仕上げていると思います。

ワイド版に対応するにしても、前述のとおり上下を断ち切るという

手抜きを行うのではなく、

左右を継ぎ足すこだわりは凄いですね。

グラフィックに関しては妥協なく修正してきている熱意は素晴らしいです。

 

 

 

プレイ時間は、ザナルカンドエンドを見るために

コンプリート率を一週で100%にして74時間。

ラストミッションはプレイしていません。

一周でこなせるイベントというイベントをほぼ網羅しました。

ストーリーは非常に薄いので、必須イベントのみを追っていくと

20時間程度かと思われます。

ボリュームに関しては、ここのみXのプレイ時間も加味しています。

 

Xの正統続編ではあるのですが、それを期待していると面喰った後に

がっかりすることになります。

随所に弾けたノリが満載であり、残念感が非常に強いゲーム。

もうちょっと何かやり様があったのではないかと。

また、ストーリーというべきものはほぼなく、

殆どがクエストという名のお使いであり、

ユウナ、リュックは伝説の召喚士とガードであるにもかかわらず、

体の良い何でも屋に成り下がってしまっています。

イベントブツ切りで進むために全くと言っていいほど続きが気になりません。

ちょっと続きが気になってもその続きが見られるのはずっと先であり、

バサッと切られるためにいきなり目の前で

シャッターを下ろされたような感じがあります。

 

上記のことを覚悟してプレイするのでなくては、

プレイするのをやめた方がいいでしょう。

PS2版をプレイした時、ベストエンドを見るにはあまりにも綿密に計画を練り、

攻略本と首っ引きで常にコンプリート率に気を配らなければならない

ストレスに二度とプレイしないと誓ったのですが、

今回二作同時収録ということで結局もう一度プレイすることになりました。

今では何故PS3版を購入したのかと後悔しています。

PSV版を購入してXのみをプレイしたかった。

私にとって、ほぼストレスだけを与えたゲームでした。

満足度などほとんどありません。

ただ、ティーダの件に関しては良かったと思うぐらいです。




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