グングニル

−魔槍の軍神と英雄戦争−

 

一言感想

ほとんど敵のターン!

 

グラフィック 7点
シナリオ 7点
ボリューム 5点
システム 3点
快適さ 1点
満足度 5点
総プレイ時間 52時間
総合評価 52点

 

 

非常に暗いストーリーです。

ダルタニア人から差別され、虐げられてきた民族、

レオニカ人が組織するレジスタンス「エスパーダ」が積み荷を襲い、

少女アリッサを偶然助けたことで物語は転機を見せていきます。

主人公であり、レオニカの英雄の息子である

ジュリオ・ラグウェルが追い詰められてグングニルを手にした時から、

雪玉が転げるようにストーリーが展開していきます。

 

とにかく、始終暗い雰囲気のストーリーが、

淡々と、さしたる盛り上がりもなくエンディングまで続いていきます。

そこに興奮も、高揚も、喜びも、達成感も、ほぼありません。

主人公からして、戦いに勝ったからといって喜んでいるわけでもなく、

ただこれは自分の義務だからと、冷淡なまでに勝ち進んでいくので、

プレイヤー側も冷や水を浴びせられたように一気に冷めてしまいます。

 

そして一番納得いかないのがエンディングです。

張った伏線はほぼ丸投げで、主人公たちの苦労がほとんど報われない形で終わります。

詳しくはネタバレで語れませんが、勝ったけど、得たものはほとんどないという感じです。

最後の、崖から突き落とされるような喪失感と

何とも言えない寂しい終わり方は賛否どころか、

否が圧倒的に多いのではないでしょうか。

次回作があるという含みたっぷりの終わり方です。

 

ストーリー自体はさほど悪くない。

人種差別や、そこから這い上がろうとする人たちの思い、

葛藤も非常によく描けている。

ですが、いまいち盛り上がりに欠けるストーリーは

最後のエンディングでがっかり感が強くなります。

もしかすると最後にはどうにかなってくれるのではないかという

プレイヤーの一縷の望みを見事なまでに蹴り飛ばしてくれます。

絶望的というまでは酷くありませんが、

仲間の中にはひどい扱いをされているような

エンディングは正直どうかと思います。

続く、みたいな終わり方でもいいのです。

ぐっとくる盛り上がり、時代が動くという大きなうねり、

そして主人公たちが苦労した分だけ

相応に報われるエンディングでなければ、

プレイヤーは納得しかねると思います。

散々使われていらなくなったおもちゃのように

打ち捨てられた主人公たちがあまりにも哀れです。

 

 

さて、このゲームの肝心かなめとなる戦闘や、基本的なシステムですが、

詰め込みすぎて破綻していると思います。

とにかくありとあらゆるものが多く、

ごった煮の闇鍋状態で粗野といった方がいいでしょうか。

変に複雑にしすぎているところがあり、

いろんなシステムを盛り込みたいのはわかるのですが、

もうちょっとすっきりさせないとプレイヤーが投げてしまいます。

基本的な戦闘方法はだいたいがオーソドックスなSRPGなので、割愛します。

特色があるのは、配置と拠点の制圧状態で複数の人物で攻撃できること、

傭兵を雇えることと、グングニルの特殊な攻撃方法があるぐらいでしょうか。

複数攻撃は少々特殊であり、私は最後まであまり使いこなせませんでした。

 

問題のあるところをざっとあげていくと。

 

1.ほとんど敵のターン

2.アイテムが取れない

3.マップが無駄に高低ありすぎ

4.グングニルの特殊なシステムがほぼ無用の長物

5.画面ギリギリの位置でノックバック攻撃をされて撤退

 

この、1のほとんど敵のターンというのが最大の難点であり、

4〜5ターン敵にまわって、ようやくこちらに1ターン回って来ます。

しかも、数人いる味方ユニットの中で、一人しか動かせず、

前に行った行動如何でウエイトタイムが生じており、

ウエイトタイムがあるのに動かそうとすると

最大HPが減るというペナルティがあります。

敵側は普通に順番の早いものからまわってくるので、

多勢も無勢も相まって、一人だけ突出し過ぎると

敵にタコ殴りにあってあっけなく死亡、或いは撤退します。

敵は人数が多いため、前述の複数攻撃が非常にやり易いようで、

容赦なくガンガン使ってきますのであっという間に撤退・死亡ということになります。

敵よりも比較的ターンが回って来やすいという配慮はあるものの、

とにかく全ユニットを移動させるのだけでも大変であり、

敵ばっかりに行動が回ってこちらは攻撃させるのだけでも一苦労です。

そこに爽快感などありません。

敵にタコ殴りにされるのをじっと耐え、

ようやく回ってきたターンでじりじりと

回避率の高い敵のHPを削るといった具合です。

そして、このほとんど敵のターンが

ありとあらゆるところで弊害が出てしまっています。

 

そして前述のとおり、ずっと敵のターンのためアイテムが取れません。

敵を倒すとアイテムを落とすのですが、

アイテムの入った袋のマスまで移動しなければ入手できません。

もちろん敵はアイテムを優先的に狙ってきます。

人海戦術とターンがこちらの数倍速く回ってくる利点を

最大限に使ってユニットを移動させ、

ほとんどのアイテムは敵に取られてしまいます。

マップに配置されている宝箱にしても、

前のマップで素早くクリアしていないと宝箱自体が出てこない、

宝箱の位置がランダムであり、中に入っているアイテムも場所によって違う、

宝箱が無駄に硬く、3〜4回攻撃しないとアイテムが取り出せないうえに

宝箱のあった位置にまで移動しなければ入手できないのに、

前述のとおりユニットを動かすだけでも苦労するシステムですので、

何度もターンを消化しなければならない宝箱にかまっている余裕などありません。

宝箱はほぼ放置、敵の落としたアイテムもだいたいが敵に取られるため、

たまたま取れればラッキーぐらいに思っていなければなりません。

とにかく非常にストレスを感じ続けるシステムです。

 

そして問題のマップなのですが、高低差がありすぎて

マップは狭いのに非常に複雑になっており、

マップを回してもよく見えないポイントもあります。

絶対に上れないポイントも装飾のために表示されており、

見にくさに拍車がかかってしまっています。

直線長距離範囲の攻撃をする場合、前から見ると位置がずれて見えて、

いちいち攻撃できる位置を探して移動し、キャンセルして再び移動しという感じで、

直線も非常に見づらいために時間がかかってしまってイライラします。

 

このゲームの特色であるグングニル特有の軍神召喚ですが、

使いづらくてほとんど使いません。

味方だけ、敵だけならともかくとして、

5体中4体がマップにいるユニット全員に効果のあるシステムは使いづらく、

はっきり言って無駄なシステム。

自軍にも効果が及ぶとあっては、前述のとおりほとんど敵のターンですので、

減ったHPを回復し、立て直す前に敵にタコ殴りにされてしまいます。

 

そしてマップ隅にいるユニットが敵にノックバック攻撃をされ、

撤退(そのマップで復帰不可)させられて呆然とします。

とにかく敵はノックバック攻撃を多用してくるのに、

こちらはほとんどノックバック攻撃ができませんのですごく不公平感があります。

何故ノックバック攻撃ができないのかは、

基本的なシステムの武器・防具で説明します。

とにかく戦闘システムもありとあらゆるところで

ストレスを感じる仕様になっています。

 

 

次に駄目なのが基本的なシステム。

1.ステータス画面がごちゃごちゃしていて、どれが何を表しているのかよく分からない

2.アイテムも防具も武器も状態異常もユニットの種類も無駄に多すぎ

3.お店でアイテムを購入する時、その武器の攻撃・回復がどのようなものかわからない

4.お店でアイテムを購入する時、

ステータスのUPDOWN、所持しているかどうかわからない

6.錬金術を使わない

7.途中セーブがない

 

ステータス画面も無駄に表示が多くごちゃごちゃとしており、

そのユニットの攻撃力がわからず、

(もしかすると武器依存かもしれません)

武器によって全然攻撃方法が違うのに、

攻撃方法、範囲、高低差のカバー範囲など、大事なところは表示されません。

それなのに、攻撃の種類の名称は複雑で、

回復魔法に至っては同じ効果なのに、

武器によって違う名が付けられており、

武器を一見しただけではどのような効果があるのか

詳しいことは書かれていません。

つまり、武器を見ただけでは

ノックバック効果がある攻撃かどうか全然わからないのです。

ここが、こちらはノックバック攻撃ができない、

どの武器ができるかわからないという理由です。

偶然装備した武器にノックバック効果があれば

幸運だったと思っておいた方がいいでしょう。

そのため、どの武器が使い勝手がいいのかわからない。

装備して初めてどのような攻撃方法があるのかわかり、

装備して戦闘に出て初めて効果・攻撃範囲がわかるという体たらく。

とにかく出たとこ勝負になるのと、

使えば使うほど武器の攻撃種類・攻撃力が増えるため、

おいそれと武器を持ち変えることができなくなっています。

とにかく、ありとあらゆるところが無駄に多く、

複雑を追い越して理解不能なレベルです。

 

そして異常にアイテムが多く、何を買っていいのか迷います。

防具も武器もある特定のユニットしか装備できないものばかりなのに、

種類ばかりが無駄に多いのが理由です。

状態異常も無駄に多く、状態異常が起こっても

それがどのような効果があるものがわからないものがかなり多く、

ずっと敵のターン&装備しているアイテムしか使えない、

かつ状態異常を治療する回復魔法がないので

結局放置するのが一番ということになります。

 

また、お店でのアイテムの購入時も問題であり、

所持しているかどうかわからず、一旦アイテムを確認しに行かなければならず、

面倒で適当に買っていると実は持っていて

無駄遣いをしてしまったことが多々ありました。

今装備しているものよりステータスのUPDOWNがわからないため、

そのアイテムを買っていいのかどうかも判断に困ります。

で、結局たぶんいるだろうと思って買ってみると、

今現在装備しているものより悪くって無駄になってしまったりします。

 

 

そして武器のカスタマイズである錬金術ですが、

はっきり言ってこれも無用の長物です。

マップ内に配置しているクリスタルを攻撃すると排出されるジェムを使うのですが、

前述のとおりずっと敵のターンであり、

アイテムは取りにいかなければ入手できないので、

ジェムなんかに構っている暇もありません。

ジェムに構わない→ジェムが入手できない→

そもそも錬金術というシステム自体が使用不可という、負のスパイラルです。

途中セーブもできませんし、ユニットを捕まえていて特に操作をしないと、

カーソールが左右に勝手に動くなど、

とにかくありとあらゆるところが数十苦のありさまであり、

快適とは程遠いシステムは始終イライラさせられっぱなしです。

ここで紹介していないほかにも細々と複雑なシステムがあり、

そのすべてが無駄に複雑であり、なかなか使いこなせません。

ここまで不自由なシステムも珍しいと思います。

 

 

グラフィックは癖が味になるタイプの絵です。

くどさがあってやや人を選ぶ絵柄。

皆魅力的に描けているものの、立ち絵が一種類しかないのはさびしい限りです。

悲しい時も、嬉しい時もずっと同じ立ち絵が表示されるのは

場面にちょっとそぐいません。

主人公クラスだけでもせめて数パターン欲しかったですね。

傭兵はクラスごとにイラストが違うのですが、

別の角度からいえば同じクラスならば

みな同じグラフィックになるため、誰が誰だかわからなくなってしまいます。

敵ならばともかくとして、味方側はもうちょっと差別化が欲しかったですね。

ただし、同じ顔グラフィックになる傭兵たちは特に複数雇う必要もなく、

実は専用グラフィックのある人物たちで

だいたい足りてしまうというのも確かです。

背景グラフィックは特に問題ないものの、

高低差が激しすぎて非常に見にくくなっています。

もう少し見やすくなる配慮が欲しかったと思います。

 

 

 

 

プレイ時間は、真Aエンドで27時間、

2週目Bバットエンドで25時間、合計52時間です。

どちらも一番簡単なBASICでプレイしましたが、それでも高目な難易度でした。

一応マルチエンドを採用していますが、バットエンドで明かされる謎は全くなく、

分岐も最終マップが追加されるか否か、

そして僅かな会話とエンディングが違うのみですので、

バットエンドは実は見る必要がありません。

バットエンドは非常に後味の悪い終わり方をしており、

そちらに進むのはあまりお勧めできませんので、

Aエンド、つまり一周で十分だと思います。

シミュレーションにしてはかなり短めであり、明らかなボリューム不足です。

ストーリー自体は悪くないものの、盛り上がりに著しく欠ける、

前編的な感じの終わり方で、次回作があることを

たっぷりと匂わせるエンディングは賛否あると思います。

後編もプレイしてみないと正しくストーリーが評価できませんね。

また、ラストの終わり方の、主人公と仲間たちのあまりの報われなさには

がっくりくるものがあり、27時間もプレイしてこの終わり方かと思うと、

ただただもう、徒労感ばかりが残りました。

 

基本的なシステム、戦闘システムも非常に悪く、

とにかくありとあらゆるところで不自由でストレスの感じるシステムです。

無駄に詰め込みすぎて破綻したかのような、

複雑すぎるシステムも練りこみ不足。

ストーリー自体はエンディングを置いておけばそこそこだと思うのですが、

暗いストーリーは人によっては好き嫌いがありそうです。

そして特筆すべき、あまりにも酷いシステムに、

購入したいと思う人をもう一度じっくり考えてからにした方がいいと

助言したくなるレベルです。

それでもどうしても、というのなら、

システムの悪さは覚悟しなければなりません。




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