逆転検事

 

一言レビュー

実に御剣検事らしい作品

 

グラフィック 9点
シナリオ 9点
ボリューム 7点
快適さ 6点
満足度 9点
総プレイ時間 17時間
総合評価 82点

 

 

「逆転裁判」での人気キャラクター御剣検事が主役のゲームです。

逆転裁判3の後のお話になりますね。

基本的な展開は逆転裁判と同じですが、裁判はありません。

全5話で、1話から5話まで話が繋がっており、

5話で一気に集約される手法は良いですね。

ただ、1話から4話の時系列がぐちゃぐちゃになっていて、

時間を遡ってプレイさせられるため、プレイヤーの中で

どの順番で事件があったのかわかり辛くなっています。

むやみに時系列をいじらず、最初に1話の

冒頭をちょっとだけ持ってきてから、

2、3、1そして過去編の4話の順番に

ストーリーを追いかけさせたほうが良かったと思います。

 

今回は御剣検事が主役なのですが、

彼自身が非常に頭の良い人物なのが良くわかります。

理路整然と事実を並べ、真実を見極め、

犯人や証言者を追い詰めていく様は爽快感があります。

ただし、まったくわからないところから

事実をひっくり返していくという従来のカタルシスはありません。

そういうタイプの逆転裁判を思っていた人はちょっと残念でしょうが、

これはこれで非常に御剣検事らしい理詰めの展開だと思います。

少しずつ証拠を集め、途中で事実の整頓を行い、

こんがらがった糸を丁寧にほぐしていくという、

推理小説の探偵タイプですね。

 

そしてロジックという理詰めのシステムは

御剣検事にぴったりなシステムだと思います。

事実と事実を重ねあわせ、新たな真実が導き出されるというシステムですが、

ロジックはちょっと簡単すぎている所が玉に瑕でしょうか。

 

 

システムですが、基本的なシステムは今までの逆転裁判のものを受け継いでいます。

システムの改善が図られなかったのは非常に残念です。

いろいろと改善すべきポイントがあると思うのですが、

一向に良くならないのはちょっとどうかと思います。

 

今回は、あまりうろうろと歩き回らなくなっていますね。

一本道なストーリーなのですが、

基本的に、次はどこに行けばいいかわかるようになっています。

その為、総当りコマンド形式のゲームなのですが、

余計なところはあまり歩き回らなくてもよくなっていました。

その辺の変更は良かったですね。

 

グラフィックですが、従来のキャラクターデザインの方が

メインに返り咲いたようです。

逆転裁判4のキャラクターデザインの方は

綺麗系のキャラクターは良いのですが、

アクの強いキャラクターの場合は

あまりうまくありませんでしたので、変更は大歓迎です。

今回も癖の強さは健在。

実に逆転シリーズらしいキャラクターデザインの奇抜さが出ていたと思います。

絵の綺麗さではなく、この独特のアクの強い魅力を評価する作品ですね。

 

 

プレイ時間は正確なところはわかりませんが、約17時間。

ほぼ自力で攻略しましたので、

プレイ時間は少々長めになっています。

攻略サイトを頼ると14時間前後ぐらいでしょうか。

もう一話ぐらいのボリュームがほしかったところですが、

携帯機としては、ボリュームはまずまずです。

 

ストーリー、キャラクターデザイン、

そして全話が綺麗に繋がり、きちんと複線を消化していき、

最終話で上手に纏め上げる手法はとても良かったです。

すべての話に意味がある展開は実に見事です。

とても御剣検事らしいゲームでした。

御剣検事が好きなキャラクターでしたら、十分満足できる出来でしょう。

従来のファンへのサービス要素も満載で、楽しくプレイできました。

ただ、あくまでもスピンオフ作品ですので、

過度の期待は禁物です。



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