逆転裁判

蘇る逆転

 

一言レビュー

展開をひっくり返す爽快感と奇抜さ

 

グラフィック 8点
シナリオ 9点
ボリューム 8点
快適さ 6点
満足度 10点
総プレイ時間 32時間
総合評価 85点

 

 

GBAで発売されたソフト「逆転裁判」のDS移植作です。

新米弁護士となって、無実の罪を着せられた被告人の

殺人事件を探偵パートで調べ上げ、

裁判で被告人の弁護をし、

証人達の証言を「ゆさぶる」ことにより

真実を明らかにし、矛盾点を突いていくという、

ある意味推理ゲームですね。

 

ゲームの攻略システムですが、さほど難しくはありません。

証拠品を突きつけるのが間違っていた場合、

ペナルティが課せられて右上の緑色のバーが減っていき、

それがゼロになった時敗訴(有罪)となるわけですが、

ほぼ直前でセーブ可能ですので、総当りのところは変わりません。

そういう意味では、難易度は低い目ですね。

 

最初の時点では犯人はもちろんのこと、

どのようにしてその犯人が殺人を行って被告人に罪をかぶせたのかも分かりません。

それを裁判パートで証人達の話を聞いて、

証拠を突きつけていくうちに鮮やかに紐解いていきます。

 

とにかく毎回がけっぷち。

滝のように汗を流しつつ、ギリギリの瀬戸際で踏ん張って

はったりをかまし、カードをめくるが如く次々と

事実とされていたことを覆していく爽快感は素晴らしいです。

 

ストーリーはもちろんのこと、奇抜なデザインの

キャラクター達がとにかくアクが強く、独特です。

証言の矛盾を突いた時、強烈な動揺を見せるところや、

主人公に追い詰められた時の驚くべき変貌振りは特筆もの。

 

トリック自体に無理があるものや、

証拠を突きつけるとき、他の証拠でも良いような気がするところや、

探偵パートがとにかく総当りコマンドでだれるなど

いささか問題があるにはあるのですが、

裁判パートの前にはそのあたりは吹き飛んでしまいますね。

 

 

システムですが、これはDSとしてはいささか悪い目ですね。

まず「セーブ=中断」なのはダメです。

セーブしようとすると、絶対に中断させられるので、

いちいちメニュー画面で「つづきから」を

選ばなければならないのが非常に面倒です。

「セーブ=中断」のシステムは是非とも止めて欲しい所ですね。

セーブポイントがひとつなのもちょっと残念です。

 

メッセージスキップもあるにはあるのですが、

概読のみしかスキップできないところと、

タッチペンをぐるぐると回し続けなければいけない点が難点です。

ボタンひとつでスキップできるようにして欲しかったですね。

あと、スキップ速度が遅すぎると思います。

倍ぐらいで丁度良いのではないのでしょうか。

 

現場を調べる場合、素早く二度タッチしなければいけないのは非常に難しいです。

認識が悪すぎるため、右下の「調べる」アイコンも

いちいちタッチしなければいけないのが面倒ですね。

シングルタッチで調べられるようにしたら良かったと思います。

 

また、タッチ画面にすると画像が荒くなるのも

(わざと線を入れてそうしています)

いささか見難いですね。

上画面と同じ絵でよかったのではないでしょうか。

下で調べている時、上画面は違うイラストを表示させたり、

タッチしたところの拡大画面を表示させたりすると良かったと思います。

 

DSは圧倒的に推理ものと相性が良いのに、

それを生かしきれていないのがちょっと残念でした。

まあ、GBA版よりは快適にはなっているとは思いますが。

 

 

グラフィックですが、移植作だけあってあまり綺麗ではありません。

移植に際して、もうちょっとグラフィックを綺麗に処理して欲しかったですね。

背景グラフィックと立ち絵ばかりだったのが残念です。

キャラクターデザインは非常に癖があるものの、

この癖の強さが逆転裁判の魅力のひとつです。

また、これほどアクの強いキャラクター設定には、

個性的なデザインでなければ絵負けをしてしまいますので、

これはこれで良いと思います。

前述しましたが、とにかく変貌振りの描き分けが見事です。

逆転裁判の魅力を十二分に表現していると思います。

とにかくキャラクターデザインが抜群に良いゲーム。

絵の綺麗さではなく、持ち味に焦点を当てて点数をつけているため、

このゲームのグラフィックの点は高い目に付けてあります。

 

 

プレイ時間は正確なところはわかりませんが、約32時間。

ほぼ自力で攻略しましたので、

プレイ時間は少々長めになっています。

攻略サイトを頼ると20時間強ぐらいでしょうか。

携帯機としては、ボリュームは結構ありますね。

また、移植に際して一話付け加えられているのも良いと思います。

 

ストーリー自身、いささか無理があり、

これはこじつけなのではないか? と思うところもありますが、

とにかく勢いでそのあたりはなぎ倒していくタイプ。

ストーリー、キャラクターデザイン、

そして話の終盤において次々と逆転していく爽快感・展開のスピード感は見事。

ベスト版というのも値段的にすばらしいです。

大ヒットしただけはある作品でした。

これでもうちょっと、DSの特性を生かせれたら

文句のない出来だったのですが。

その辺だけがちょっと残念ですが、

システムを横に置けば高ランクでまとめられている楽しいゲームでした。




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