逆転裁判4

 

一言レビュー

悪くはないが、前作より小粒

 

グラフィック 7点
シナリオ 8点
ボリューム 8点
快適さ 6点
満足度 7点
総プレイ時間 22時間
総合評価 76点

 

 

逆転裁判の完全新作です。

前作3から数年後のお話になっており、

今回は主人公やイラストレーターを変えてお色直しをされています。

ストーリーの運び方は相変わらずで、

1話から最終話への話の繋げ方が非常に上手い作品ですね。

また、最終話にしか出てきませんが、裁判員制度の使い方も見事です。

今迄の裁判の法則でネックになっていたところを、これで上手に覆しており、

あっと思わせる大逆転は唸るものがありました。

毎作最終回は奇抜な逆転劇と大掛かりなトリックがあって、面白いですね。

 

前作のキャラクター、成歩堂も出てくるわけですが、

彼の立場の描き方が最大の難点です。

主人公といえば、結構大事に思っている方が多いと思いますが、

今回の彼の立場は悪すぎます。

そしてあのとても真面目だった成歩堂の激変とも言うべき変貌振りは、

かなりへこむものがありました。

一言で言えば得体の知れないぬらりひょん。

無精ひげを生やし、実に胡散臭い人物として登場した時は目が点でした。

ここはもうちょっと前作ファンに気を使って欲しかったです。

これではあんまりでした。

 

今回の検事ですが、いささか拍子抜け。

格好良い、ミュージシャンとして描かれておりますので、

女性に喜ばれたかとは思いますが、

今までの検事から比べると実に癖がありません。

前作までの検事は、終盤では被告人が犯人でないと薄々勘付きつつも

勝ちに強烈にこだわって最後まで喰らい付いてくるしぶとさがあったのですが、

今作の検事は被告人が犯人でないと分かると

こちらの手助けをしてくれたり、助言をしてくれたり、

自分のコンサートに招待(?)してくれたりと不思議と仲良しです。

それは彼のポリシーから手助けしてくれているだけで、

仕事は仕事、遊びは遊びと割り切れる非情さも持っている検事ですので、

馴れ合いとはちょっと違うのですが、

検事が悔しがる様に快感を覚えていた方は

圧倒的に物足りないのではないでしょうか。

 

確かに完全に不利な状態の被告人を弁護し、

有罪確定かと思われた事実を逆転して行ってはいるのですが、

主人公自身、自分が言っていることがわかっていなかったりして、

周りがあちこちから手助けしてくれて

何とか辛くも無罪を勝ち取っている様はかなり問題です。

周りの流れに流されて、行き着いた先が無罪だったという、

無罪を勝ち取ったのは君の実力ではないだろう?

と言いたくなる様子はいかがかと思います。

まるで皆の手の平の上で踊らされているようです。

そういう意味では没個性で、周りに埋もれてしまう、

存在感の希薄な主人公はかわいそうでしたね。

終盤において、主人公の座を奪われるシーンがあったのも

それに拍車をかけてしまっています。

もうちょっと活躍させてやっても良かったのではないかと。

 

 

基本的なシステムですが、前作を忠実に踏襲しているので、割愛します。

システムの改善が見られなかったのは非常に残念。

これだけの人気シリーズですので、システムにおける不具合の声は

いくらでも聞けるはずなのに、基本システムの改善が一向にされないのは

企業としてどうかと思います。

もうちょっとユーザーの声を聞いて欲しいシステムですね。

 

で、今回新たに加わったみぬくシステムなのですが、

面倒で時間がかかるだけで、少しも楽しくないそれは

ストレートに言うと失敗ですね。

犯人が動揺するとしぐさに現れるのを、

どの言葉でそのしぐさをしているのか見抜くというシステムなのですが、

頭の使いようもなく、ただ見るだけで、

またそのしぐさも分かりづらいものもあり、

時間がかかってイライラするだけのシステムでした。

前作までの、頭をフル回転する必要のあったサイコロックのほうが

この逆転裁判という作品の雰囲気とシステムに合っていたと思います。

 

次に科学捜査ですが、実にシンプル。

移植版の蘇る逆転の追加された話でも

このシステムは採用されていたのですが、

楽しくない…というわけではないものの、

ただ画面を叩いて息を吹きかけるのみと、

タッチパネルを利用しているわりには

その遊びの部分があまり感じられないのはちょっと残念でした。

 

 

グラフィックですが、前作より背景がとても綺麗になっています。

ですが、キャラクターの個性という最も重要な部分が

前作に比べて明らかに劣ってしまっています。

どこか、個性的とキモイをはき違えている様な気がしますね。

確かに各人物ビジュアル的に飛び抜けたところがあるわけですが、

気持ち悪いキャラクターがチラホラ居るのはちょっと問題です。

また、前作までは追い詰められた犯人の変貌振りが凄まじくて、

そこがこの作品の醍醐味であったのですが、

その変貌振りが無難なところでまとまってしまっているのも、

前作に比べるとパワーダウンして見える一因でしょう。

前作のイラストレーター氏のほうがずっと良かったですね。

 

 

プレイ時間は正確なところはわかりませんが、約22時間。

全4話と話数はちょっと少なめですね。

もうちょっとボリュームは欲しかったのですが、

DSとしては多いほうでしょう。

 

今回初めて前作を超えられなかった作品。

DSのゲームとしては悪くはないのですが、

今までの作品に比べると小粒ですね。

新しくなった主人公の影がかなり薄く、

また、前主人公のポジションがかなり問題で、

両主人公のキャラクターをもうちょっと大事にして欲しかったです。

 

ゲームとしては悪くないものの、逆転裁判ファンとしては物足りないものでした。

前作までのファンとしては期待はずれでしょうが、

作品としての出来は良い方です。

逆転裁判は初めてこれをプレイする、というのならば良い作品でしょう。

今後の進歩と反省に期待したいですね。




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