逆転裁判６

一言レビュー

序盤から中盤ぐらいまでが辛い

逆転裁判のナンバリングタイトル６作目です。

前作からの続き物であり、クライン王国へ

修行に行っている綾里真宵を成歩堂が迎えに行き、

日本では王泥喜と希月が留守番をしており、

それぞれの国で各キャラクターが事件に巻き込まれるうちに、

互いのシナリオが交わるというストーリー。

全５話なのですが、それぞれのお話で主人公が違うというタイプは続投。

また、今回は少し変わった趣向も見られます。

二つの国で色々なパートナーと共に、裁判を行うという、

今までにちょっとないタイプですね。

さて、肝心のストーリーですが、

最初からかなり不利な状況から始まります。

この点はあまり他作と変わりないのですが、

観衆が明らかに害意のあるタイプで、裁判中の空気が大変悪く、

周りがほぼすべて敵といった状況で終始していくため、

そこを乗り越えてプレイしていくのが厳しいです。

要するに、なかなかテンションが上がりにくいのです。

容疑者にミヌキやマヨイが加わっており、

身内が容疑者として責め立てられているのを見るのも、

かなりつらいものがあります。

弁護罪という、弁護した者は容疑者と同じ罪を背負わされるという法により、

弁護士がおらず、弁護士が害悪と思われている

クライン王国の革命を主軸に語られていきます。

王泥喜君の過去も絡め、丁寧に紐解いていき、

最終話で綺麗に纏まる流れは相変わらず上手い。

特に終盤での疾走感が良かったですね。

最後までプレイすれば、やってよかったと思えるのですが、

そこに至るまでの過程がかなりつらいため、

挫けずプレイする根性が必要になります。

システムですが、強制スキップとバックログ、

セーブポイントは２つ、

クリア後のＣＧ・ムービー閲覧可能と、

前作を踏襲しています。

次回作はぜひともオートモード、ロードの追加、

テキストスピードの変更の追加を期待したい。

ゲーム内のシステムですが、探偵パートも概ね前作通りです。

画面を調べる場合、調べていない個所が赤印で丸が付き、

調べた個所はレ点でチェックマークがつきます。

そしてチェックポイントを全部調べたら調査が終了して会話が始まるため、

ある特定の箇所を調べていないので

同じところをぐるぐるとまわるという無駄はなくなっています。

今回新たに加わった霊媒ビジョンは、

託宣の言葉と共に、ムービーの中から

矛盾した言葉や映像を指摘するといったシステムなのですが、

これがかなり難しい。

映像の中で僅かな時間で消える言葉や映像を指摘しなければならず、

もうちょっとどうにかならなかったのかと思います。

新たなシステムを追加するより、今までのシステムを昇華して、

面白くアレンジしてもらったほうが良いと思うのですが。

グラフィックですが、立ち絵は３Ｄです。

実際のイラストともほとんど違和感がなく、

非常に上手に３Ｄへ加工していると思います。

仕草も自然で、なめらかに動く様は綺麗です。

いささか動作が長い仕草もあり、仕草をし終わった後に台詞を言うため、

ややテンポが悪くなっています。

仕草をしつつ、セリフを言わせたほうが良かったのではないでしょうか。

アニメーションパートはキャラクターの造作に

やや違和感があるものの、基本的に綺麗です。

個性的なキャラクターばかりなのは相変わらずですが、

やはり初期の頃の変貌振りはプレイしていてインパクトが強かったため、

あれ以上の物を求めてしまうので、

無難な変貌止まりなのがやや物足りなく感じます。

髪型やコスチューム等、奇抜なものの、

とてもそのキャラクターらしく

強調してデザインされているのはとても良かったです。

プレイ時間は正確なところはわかりませんが、約３０時間程度。

各話が５〜６時間、終盤が８時間程度、

最初の第１話が２時間程度、ＤＬＣの「時を超える逆転」が４時間、

「遊べる！逆転劇場」が１時間ほどのボリュームですので、

概ねこのぐらいの時間だったと思います。

ただ、ＤＬＣは現在有料になっているので、

実際のソフトのボリュームはいつもと同じぐらいだと思います。

クライン王国と日本という二カ所に分かれ別々に始まったお話が、

最後には綺麗につながるという流れは良いものの、

終盤近くまでかなり裁判中の空気が悪いため、

そこに至るまでのプレイヤーのやる気を挫くプレイスタイルになっています。

そこを乗り越えて最終話まで至れれば、全体的に楽しめるので、

是非とも皆さんにはそこまで頑張っていただきたい。

なお、ＤＬＣの「時を超える逆転」のシナリオは大変良かったので、

少々高い（今現在で８００円強）のですが、是非購入をお勧めします。