エクシズ・フォルス

 

一言感想

隠しエンディングは謎を補完出来る人向け

 

グラフィック 7点
シナリオ 8点
ボリューム 6点
快適さ 9点
システム 7点
満足度 8点
総プレイ時間 69時間
総合評価 78点

 

 

巫女セシリアと、騎士レーヴァントという、

男女のダブル主人公のストーリーです。

セシリアは闇の無い世界、レーヴァントは太陽の無い世界という

両極端の世界の住民ですが、時間軸を同じにしています。

時に二人のパーティーがストーリー上でクロスするものの、

それぞれがまったく違うスタートを切り、終盤以外は違う過程を辿るという、

マルチストーリー&エンディング方式となっています。

ストーリー中の選択肢や戦闘で勝利するか、逃走するかでエンディングが変化します。

それぞれ創生・破壊・均衡エンディングがあり全6パターン。

セシリアが本来の正道で、レーヴァントが

セシリアのストーリーを補完するシナリオになっていますので、

セシリア編をクリアし、引き続いてレーヴァント編をクリアして

初めて物語の全体像が見えてきます。

 

創世神話をモチーフにした王道譚なのですが、

真逆の世界なのに世界の違いが感じられないのはちょっと残念な気がします。

また、2週目以降にしか開放されない隠しエンディングが

この世界の根幹をなす一番の謎を残すようになっており、

その辺は謎を補完できるのならば、といったところですね。

隠しエンディングでは、あるもの達の謎が解き明かされるのですが、

反対に謎が深まってしまうので、

もう少しすっきりと終わるようにしてほしかったと思います。

本来の正道エンディングである創生エンディングは綺麗に完了しており、

未完という印象はあまり無く、

破壊エンディングは実はプレイする必要はありません。

二人の主人公の創生エンディング後の後日譚が違う(大幅なものではないが)、

というのも特筆すべき点で、

どちらも創生エンディングを選んでも

きちんと楽しめるようになっているのは評価したいです。

 

 

戦闘はシンボルエンカウントで、基本的にスピードが速いキャラクターから

敵味方入り混じってターンが回ってくるタイプです。

消費アイテムが使えないのと、イグニスを除く全員が最初から所持している

神器と2つある魔神器以外は必ず使用回数制限があり、

ある一定回数使うと壊れるようになっているのが

少々毛色が変わっているでしょうか。

特に顕著なのが回復系で、大体が1〜3回で壊れるようになっており、

回復をメインとする神器を持つセシリアが、

終盤以外はいないレーヴァント編では回復系の燃費が悪すぎて大変です。

アイテムは売買できず、手に入った素材で合成して作るしかないため、

売買できる消費回復アイテムが無いのは少々きつかったですね。

攻撃武器は使用回数がぐっと多くなるものの、

それでも6〜最大18回程度であり、

攻撃力を武器カスタムで底上げでき、

RP(MPのようなもの)を消費するものの、

何度でも使える神器が便利すぎるため、

ほとんど使いませんでしたので、使用制限のある武器に

何か、それしかないという独特の魅力が欲しかったと思います。

 

戦闘終了後には金銭ではなく、フォルスポイントと経験値とアイテムが入手できます。

このフォルスポイントが何をするのにも使用するといったものになっておりまして、

戦闘後にHPを回復するのも、ギミックを動かすのも、

神器をカスタムするのにも、アイテムを合成するのにも使うようになっています。

 

攻撃したり、されたりするごとにたまるフォルスバーストゲージを利用して、

その人物が得意とする神器を装備しているときのみ発動できる

必殺技がちょっと変わっているものの、

基本的に戦闘システムはごく普通です。

 

 

次はシステムです。

メモリインストールができるようになっており

マップ移動以外のロードはほとんどがとても軽くなっています。

また、RPGにしては珍しく会話の履歴が

ある程度の行数閲覧できるようになっているのは非常に優れた点です。

会話のスキップも出来、会話中のモーションも高速に変化、

戦闘システムもRボタンでモーション・スピードともに高速に進められると

基本システムはとても快適に出来ています。

ストレスなく進められるのがどれほど良いことなのかと再認識させられました。

高速戦闘をするにはかならず一戦闘ごとに

Rボタンを押さなければならないのが少々面倒で、

システム画面で高速戦闘ONに出来れば一番良かったのですが、

それ以外は快適さにこだわって作ったといっているあたり、

いかにして快適にプレイできるかというのを突き詰めた作品だと思います。

 

 

グラフィックですが、PSPにしてはごく普通の出来。

比較的万人向けのふんわりとした雰囲気のあるイラストで、

戦闘中などに表示される3Dの出来はお世辞にも良いとはいえませんが、

アニメーションはそれなりで立ち絵は絵師が担当しているらしく、非常に綺麗です。

ちょっと気になるのが、色違いの敵が多すぎるということ。

ボスを除き、色違いは同じと勘定すると25種類程度しかいません。

少なすぎる気がします。

ムービーは質が高いとはいえませんが、

ストーリー中随所に見せ場で挿入されて

表現力に一役買っているものの、

本来の絵師の絵とはかけ離れているのがちょっと残念です。

マップは発色が良く、綺麗なものの、グラフィックに関しては

特に注文をつけるポイントはありません。

 

 

プレイ時間は、3週し、セシリアで1週、レーヴァントで2週しています。

それぞれ途中のセーブデータを利用し、創生・均衡・破壊エンディングを見て、

全エンド制覇(全6エンド)して69時間です。

1週目で30時間、2週目で18時間、3週目で14時間、

途中セーブを利用して他エンディングに数時間ずつです。

2週以降はデータの引継ぎを行って

フォルスポイントや神器のレベルを引き継いでプレイしています。

 

基本的には2週〜3週、セシリアとレーヴァントでそれぞれ創生エンディング、

どちらかで均衡エンディングを見れば十分でしょう。

セシリア、レーヴァントの順でプレイするのがお勧めです。

どちらか1週というのは少々もったいないので、2週するのがお勧めです。

私は全エンディングを制覇して3週しているのでかなり長い目ですが、

1週でストーリーのみ追っかけていくと20時間程度、

2週目で合計40時間程度のプレイ時間になると思います。

サブイベントは基本お使いですので、どうしても手に入れたいアイテムがある、

というもの意外は回避でよいと思います。

PSPとしては1週目では少なすぎ、2週目で少々少なめ〜普通ですね。

 

ストーリーはオーソドックスな王道譚で、

それが嫌いでなければそこそこ楽しめると思います。

楽しくプレイできはしたものの、

均衡エンディングの「 ??? 」といった終わり方は少々残念でした。

もう少しきちんと丸く終わっているのなら

もっと評価できるストーリーだったので、ちょっともったいないですね。

それを置いておけば、テンポ良く、快適に遊びたい、

という方ならばぴったりなPSPのRPGだと思います。




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