星空☆ぷらねっと

 

one small step for

 

一言レビュー

何が何でも宇宙飛行士

 

グラフィック 6点
シナリオ 7点
ボリューム 8点
快適さ 7点
満足度 6点
総プレイ時間 41時間
総合評価 68点

 

 

子供の頃、宇宙飛行士になりたかった。

煌めく星の向こう側に行ってみたかった。

主人公、今村正樹の母親夏樹は、

三陸枝研でロケットの研究をしており、

そのような夢に余計に拍車をかけていた。

 

そんなある日、それは起こった。

三陸枝研でエンジンの燃焼実験を行っていたが、突如として暴発。

死者は、母夏樹と、友人の佳多奈の両親だった。

呆然自失の中、母親に付いて天美市に来ていた正樹は、

父親の元へと連れ戻された。

母を失ったと同時に、母親を奪ったロケット事故が、

正樹の宇宙飛行士になるという夢を打ち砕いてしまっていた。

 

それから数年後、高校生になった正樹は一人、

天美市に帰ってきていた。

懐かしい幼馴染達は、水島慎太郎以外は疎遠になっていたり、

敬遠されたりして、殆どかかわりがなくなっていた。

それを寂しく思いつつも、慎太郎に無理矢理入れられた

天文部の幽霊部員となって1年。

高校2年生になったある日、

唯一居場所が分からなくなっていた星見瞳が転校してきてから、

正樹と幼馴染達の、縁が回り始める。

 

 

という、星が好きで、宇宙飛行士になる夢を持っていたが、

母を奪ったロケット事故により、

宇宙飛行士になる事を諦めたと言いつつも、

未練たっぷりな主人公が、幼馴染と復縁しつつ、

最終的に夢を思い出す、というストーリーです。

 

タイプとしては、それぞれのヒロインのいる場所を選択し、

1週ごとにショートエピソードを読んでいくタイプです。

イベントがあまり連続しておらず、ちょっとブツ切り感があり、

日常生活が延々と続いていくために中盤ではやや弛むものがあります。

また、圧倒的に心理描写が足りないために

急展開、急な心変わりが多く、何故そのような行動を取ったのか、

何故考え方を変えたのかというのがわかり辛く、首を傾げるものがあります。

日常生活を延々と描くよりも、

もっとこの水面下での思いを丁寧に描くべきだったと思います。

 

そして、正樹の幼少時の状況はヒロイン毎に分割されており、

全員のヒロインをプレイして初めて、

主人公の幼少時がどのような感じだったのか、

どのような立場だったのかの全体像が分かるようになっているのですが、

分割され過ぎており、正樹とヒロイン毎の関わりはわかるのですが、

ヒロイン同士の関わりの描写がほとんどないために、

どうして彼女たちが友達になったのかあまりわかりません。

もう少しまとめて書くなり、ヒロイン同士の交流を書くべきだったかと思います。

 

そしてこれが最大の問題なのですが、

どのヒロインとでも、正樹が辿る最終的な結末は同じであり、

違う選択肢や未来があっても良かったのではないかと思います。

 

 

 

インストールありで、システムはローディングもほぼありません。

全体的にアドベンチャーに必要なシステムも搭載されているものの、

少々使い勝手が悪くなっているものもあるのが気になりますね。

 

まず、ヒロインの場所へ移動選択する場面では、

セーブ・ロード、履歴の閲覧、スキッ・オートモードの開始、

システムの変更等、殆どのシステムができなくなっています。

オートセーブ機能はあるものの、

選択肢のみでセーブしますので、

移動選択の時はセーブしてくれません。

この移動選択もヒロインルート分岐の重要なシステムですので、

ここをオートセーブしてくれないのは残念です。

 

また、オートモード時はこちら側でのページ送りはできず、

○ボタンを押すとオートモードがキャンセルされてしまうのが不満です。

長いエンディングムービーもスキップできません。

 

セーブデータはとても良く、その時表示されていたCGや立ち絵、

セリフが一行のみですが表示され、

どのセーブデータかわかりやすくなっています。

履歴も小窓でそのテキストの時表示されていた

CGや立ち絵が表示されているのも素晴らしい。

履歴からのジャンプが可能なのも便利です。

 

 

 

グラフィックは濃いソースタイプのこってりとしたアクの強い絵柄です。

特に笑ったり目を閉じたりした時のインパクトが凄いです。

かなり好き嫌いの分かれる絵ですね。

パッケージに採用されているのは新しいグラフィックが多く、

CGは実際の物を見たほうがいいのですが、

現在サイバーフロントのHPが閉鎖されているので、

ちょっと難しいですね。

とにかく癖の強い絵柄で、萌とはほぼ無縁です。

 

塗はかなり修正されているものの、いわゆるアニメ塗で、やや雑です。

背景の塗も結構粗く、CGによっては

顔立ちにバラつきがあるのも気になります。

特に佳多奈のCGのバラつきが顕著であり、

CGによっては別人のものもあります。

そして全ヒロイン体のラインがかなり独特であり、特に胸元が気になります。

胸の描き方が奇形に近く、歪で、絵としての完成度はいま一つです。

 

CGの枚数は差分抜きで102枚。

やや少なく感じます。

また、差分が少なく、テキストからするとどうしても

差分がないとおかしいものも結構あるのが残念です。

もう少し枚数が欲しかったですね。

 

 

 

プレイ時間は約41時間。

時間がきっちり表示されるタイプですので、正確な時間です。

全エンディングクリア、メッセージ既読数92.978%

選択肢既読数64.431%で、CGに1枚抜けがありますが、

これで終了したいと思います。

 

基本的に、好きなヒロインをクリアすればいいタイプなのですが、

全ヒロインをクリアしないと、主人公の過去の全体像が見えてきませんので、

全員クリアをお勧めします。

 

急な心変わりを感じるのは、

心理描写が足りないからかと思われます。

また、終盤での都合の良い展開も気になります。

どのヒロインでもエンディングでの最終目的は同じで、

絵は癖が強く、こってりとした絵で人を選ぶので要注意です。




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