探偵神宮寺三郎 きえないこころ

 

一言レビュー

渋い雰囲気とストーリーが良い

 

グラフィック 9点
シナリオ 9点
ボリューム 8点
快適さ 7点
満足度 8点
総プレイ時間 17時間
総合評価 80点

 

 

シリーズものになっている探偵神宮寺三郎のDS第二弾。

携帯用アプリで発売されている五作+謎の事件簿五作に、

今作でのオリジナルを一作ずつ加えて全十二作。

最近の作品だけあって、入り込みやすい設定になっており、

「 いにしえの記憶 」より親しみやすいストーリーになっています。

 

ストーリー自身は人間味を帯びたものを描いており、

渋い展開は相変わらずですね。

深みと哀愁を漂わせるストーリーは実に味があります。

確かにこの展開は…というところが無きにしも非ずで、

テンポそのものは実にいいのですが、

都合の良すぎる、まるで証拠の類が

あちら側から歩いてきてくれているような

作為的なものは感じますが、それでも面白くはありました。

さくさく進み、プレイヤーを飽きさせない、

小気味良く、次々と二転三転する展開は、

プレイしていて先の気になるストーリーで、

とても良くできていると思います。

 

ジャンルは一応推理物ですが、今回も推理を期待してはいけません。

このゲームは推理よりも起こったドラマチックな事件を楽しむ、

というものであり、こちらに推理する要素はほとんどなく、

推理コマンドに選択肢が一応ありますが、

何回間違っても違うといわれるだけでペナルティは全く無く、

結局は総当りコマンドになっています。

難易度はあまり高くなく、低年齢層でも遊べるように出来ています。

それを念頭においてプレイする必要がありますね。

 

 

システムは「いにしえの記憶」のものを引き継いでいます。

特に問題ありませんね。

テンポを崩さず快適にプレイできるように作られています。

ただ今回ちょっと気になったのが、

ロードする時に少し前の辺りから始まるのですが、

それが少しからちょっと長いぐらいに変更されている様な気がします。

もうちょっとセーブ間近から再プレイさせて欲しかったですね。

 

 

グラフィックですが、今回も完成度は高く、

神宮寺らしさが現れている渋いイラストで好感触です。

立ち絵、ムービー共に統一感があり、

ムービーに一部違和感が無くもありませんでしたが、

概ねイメージを壊さないレベル。

味のある落ち着いた色彩とあいまって、

実に良い雰囲気に仕上がっています。

 

ただし、立ち絵のバリエーションがかなり少ないのが今回も気になりました。

一部例外があるものの、前作のものをそのままに、

衣装だけ変えてきていますね。

洋子さんとある話だけは一部変更がありますが。

主要人物でも2〜3パターンしかありませんので、

この場面にこれではかなり無理がある、

というのがあちこちで見受けられたのが残念。

移植ですので、もう少しポーズや

表情のバリエーションを増やして欲しかったですね。

 

 

プレイ時間は約17時間。

全てのストーリーを丁寧に読み、謎の事件簿を一通りクリアしました。

パスワードの類は殆ど見ていません。

今回は前作よりボリュームアップしています。

表題になっている新作の本編が6時間、

新作の謎の事件簿が1時間ぐらいありますので、

ここが増えているみたいですね。

あとパスワードも文字だけではなく、遊びが現れているものもあるので、

やりこみたい方は攻略サイト等を参考に

プレイされるともうちょっと長くなるでしょう。

DSとしてのボリュームは普通〜やや多い目。

このぐらいのボリュームは欲しいところです。

 

作風を大事にし、神宮寺シリーズのイメージに沿って

きちんと作られている作品だと思います。

実に雰囲気の良い作品であり、

従来のファンならお勧めですね。

ただし大半が携帯版アプリの移植ですので、

そちらをいくつかプレイされているのならば少しもったいないかもしれません。

全体的にレベルは高く仕上がっています。

落ち着きのある、上品な作品ですね。




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