THE 交渉人
人質立てこもり・銀行強盗・誘拐・爆弾魔etc.的確な判断で事件を無血解決に導け!
SIMPLE DS シリーズ Vol.25
一言レビュー
目の付け所は悪くないが、システムとボリュームに不足あり
グラフィック | 7点 |
シナリオ | 7点 |
ボリューム | 5点 |
快適さ | 4点 |
満足度 | 5点 |
総プレイ時間 | 5時間 |
総合評価 | 54点 |
主人公、根越渉はNYでの交渉人としての研修を終えて、
日本警察の交渉班に配属された新人交渉人。
立てこもりを続ける犯人達を説得し、
無血解決に導くことを生業とする、ネゴシエイターの物語です。
ストーリーは一話完結式で全7話+1。
ストーリーはさほど長くはありませんが、テンポ良く進むので結構楽しいです。
ストーリーも画一的なものではなく、
バリエーションがあって面白いのですが、
完成度はさほど高くありません。
どうしてこれで犯人が投降する事になったのか首を捻ることもあり、
ハラハラ、ドキドキ感も殆どなく、
あくまでも交渉人という雰囲気を味わうゲームである、
と認識してプレイしなければ、肩透かしを食らう可能性が大です。
また、後に上げるシステムの悪さのために、
あくまでもストーリーを読むという目的のアドベンチャーになってしまっていて、
考える、推理するというものがないのも重要なポイントです。
推理ものである、と考えるのは止めておいた方が無難です。
肝心のシステムなのですが、
プレイ後に話ごとと全体評価がつけられているのは良いですね。
プレイするのに張り合いがあります。
コメントもあるのは良いのですが、同じような文章が並んでいるのはちょっと残念です。
そしてこのゲームの醍醐味である交渉なのですが、
いま一つ選択肢を選ぶ基準が分かりません。
これでなければならない、というものがなく、
またヒントもほぼ皆無なために感でいくしかないのは残念。
左上にバーがあり、正しい選択肢を選ぶとバーが延びるので、
それを見て選択肢を選んでいけば良いので、
二〜三の選択肢の内、どれが一番バーの延びるものが多いか調べるという、
基本は総当りコマンドになってしまっており、推理性は皆無。
また、サブやサポートとしてチーフとプロファイリング担当者がいるのですが、
この二人が殆ど要らない人になってしまっています。
会話の流れを作るのに一役買ってはいるのですが、
さっぱり役に立っていません。
チーフはベテランネゴシエイターという設定の割には、
交渉に際して殆ど関わってきませんし、
助言もほぼしない(あっても参考にならない)ので、いてもいなくてもいい存在。
プロファイリング担当者も見れば分かることしか言わず、
事件に関係する重要な事はあまり言わないと、
キャラクターだけでいるような存在。
どちらも魅力的な人物ではあるので、もっと活躍兼、
事件に関わらせて欲しかったですね。
彼らがいなければまず事件が解決できない、
というポイントを作って欲しかったです。
交渉SPという、チーフ達からヒントが聞けるというコマンドもあるのですが、
ヒントとも取れないことを言うばかりで、
また上記で述べたようにバーが延びるコマンドを選べば良いということもあり、
殆ど使わないシステムでした。
情報SPも同じような感じになってしまっています。
事件自体はシンプルで、さほど複雑な関係もなく、
また情報SPは幾階層にも分かれているという複雑なシステムになっており、
ゲームプレイの最初は物珍しく見に行くものの、
役に立たない情報ばかりで、
これを見ている間にも時間が経過する(事件解決に時間制限あり)ために
結局殆ど見ませんでした。
この情報SPで重要登録という、キーワードを登録できるのですが、
これも殆ど必要のないシステム。
ただ、一話だけこれを使わなければ
GOOD ENDにたどり着けないものもあるのですが、
その他の話では特に登録する必要もなく、
システムを盛り込んだ割には必要のないものばかりと、
どこかいらないところに力を注いでいる感があるゲームですね。
そして最も致命的なのがセーブシステム。
いつでもセーブは出来るのですが、ロード時にセーブしたところから始まりません。
どうもあるセンテンスごと(これが結構長い)にしかセーブできないらしく、
かなり前から再プレイを強いられ、
バーが延びる選択肢を見つけるために
セーブ&ロードを繰り返さなければいけないので、
何度も同じ文章を長々と見せられてうんざりします。
会話のスキップモードもありませんので、
延々と同じ会話を何度も見ることになります。
このセンテンスごとにセーブという
手抜きシステムは正直止めて欲しかったです。
グラフィックですが、可もなく不可もなく。
DSとしては普通〜やや悪目かな、とも思います。
キャラクター達は比較的万人受けするタイプで、好き嫌いのあまりない絵柄。
キャラクターごとにハッキリと個性が際立っている絵です。
特に注文をつける点はありません。
プレイ時間は約5時間。
プレイ時間が短いDSの中でも、かなり短い部類になるでしょう。
ボリュームが圧倒的に足りません。
一話一話の時間も、ボリュームも、全然足りないですね。
ストーリーやキャラクターの魅力、という点では悪くはないものの、
システムとボリュームが足を引っ張っているタイプ。
ちょっとした空き時間にテンポよく出来るゲームを、というのならともかく、
じっくり腰を据えてやるものを求めている方にはとても向きません。
シンプルシリーズということで、かなり安価なわけですが、