スーパーロボット大戦OGサーガ

魔装機神

THE LORD OF ELEMENTAL

 

一言感想

ビジュアルを強化してベタ移植

 

グラフィック 8点
シナリオ 8点
ボリューム 9点
快適さ 6点
システム 7点
満足度 8点
総プレイ時間 70時間
総合評価 80点

 

 

スーパーファミコンの魔装機神の移植作です。

台詞や状況に若干の修正が加えられているものの、

評判の良いストーリーはほとんどあまりいじらずにベタ移植されています。

スーパーロボット大戦でのオリジナルキャラクターのマサキが

魔装機神サイバスターに乗ることになってから、

ラ・ギアスで第一章からちらちらとうごめいていた

シュテドアニスと決着をつけるまでが分岐を含めつつ描かれています。

シナリオの分岐はふんだんにあり、マルチシナリオを採用しているため、

長く遊べる作品です。

 

が、第一章から二章の間のストーリーがスーパーロボット大戦で展開されており、

ごっそり抜け落ちてしまっています。

メモリアル・デイで大雑把なあらましが語られてはいるものの、

複数のゲームで展開されたストーリーがさらっと人物の台詞で語られるため、

スーパーロボット大戦をプレイしていない人には正直「????」

といった感じになります。

実際私もスーパーロボット大戦はプレイしておらず、

何が起こったのか良くわかりませんでした。

この辺はさすがに補完する事が出来なかったのでしょうから、

仕方ないといえばそうなのですが、

スーパーロボット大戦(最低限第2次〜EXのあたり)をプレイしていないと

少々厳しい形になっています。

新キャラクターの類が全部その辺から登場しているので、

いきなり親しげに出てくる人物に面食らいます。

 

そこを除けば、ストーリーの展開や、

第一章から二章にかけてマサキが成長した姿、

政治や国家間での軋轢やしがらみ等、

とてもうまく描かれていると思います。

 

 

シミュレーションパートですが、ごくオーソドックスなタイプ。

ターン制バトルでこちらからターンが回ってき、

味方、敵と交互にターンを繰り返していきます。

高低差は命中度、正面より側面、側面より背面の方が攻撃力UP、

Zacありと、ごく普通のシステムです。

このゲームでのオリジナルは精神コマンドで

HPを回復したり、攻撃力をUPさせたりパラメーター等に

変化を与えるものがありますが、

それほど特殊なものではありません。

攻撃したり、されたりするごとに気力というものがたまり、

気力の数値がある一定以上ないと使用できない武器も存在しますが、

基本的なシステムはありふれています。

 

ロボットに搭乗するという内容上、

ユニットや使用武器に改造を加えることが出来ます。

これも複雑なものではなく、とにかく資金を費やしていけば

機体や武器性能がUPするというものであり、

気に入った機体を強化して愛を注げば

十分一軍で活躍することが可能となるものの、

始終資金難に悩まされますので、計画的な改造が必要になってくると、

その辺に頭を悩ませるのは楽しかったですね。

 

 

基本システムはSFC版より大幅に進化しています。

文章の読み返し機能を装備、セーブ箇所は96箇所という大ボリューム、

戦闘時のアニメーションはON、OFFが各戦闘で選べる(もちろん全OFFも可能)、

特殊な用語がストーリー内でばら撒かれているのですが、

それをフォローする用語辞典があり

その内容もかなり製作者の心情が入っていて面白いと、

思いつく限りの改良を加えたみたいですね。

とくにセーブ箇所の多さがすごいです。

DSでこれほど多いセーブ数をはじめてみました。

かなり頑張っていると思います。

 

ただ、最大の難点が、ローディングがDSにしては長いことです。

戦闘マップではそれが顕著であり、

移動して攻撃する武器を選ぶまでにロード、

選んでから戦闘マップに戻るのにロード、

戦闘時のアニメーションに移るのも、

アニメーションから戦闘マップに移るのもロードと、

一つ一つは2秒程度なものの、

頻繁にローディングがはいりますので

どうしてももっさり感が否めません。

これさえなければ諸手を挙げて評価したかったのですが、

この鬱陶しさがかなりのマイナスポイントになってしまっています。

 

後気になる点は、第一章は出撃ユニットが強制なところでしょうか。

せっかく仲間になっても、ごく限られたマップにしか

出撃できないユニットが多すぎてこの点は非常に残念です。

第二章になるとこちらで強制出撃以外は決められるようになるのですが、

約半分が決められてしまっているのはちょっときつかったですね。

 

 

グラフィックですが、アニメ調の癖のある絵柄。

ちょっと人を選ぶものの、人物の絵は基本昔のままで、

ほんの少しだけ今風にアレンジされているようです。

その分、昔のものよりは万人向けになっていますね。

ビジュアル面はマップも、人物絵も

ほぼ全面書き直し&一枚絵追加でかなり綺麗になっています。

ムービーも全面書き直しとなっているわけですが、

ムービー自体の出来はそんなに悪くないのですが、

戦闘のテンポはアニメーションをONにすると

SFCの方が断然良くなっています。

どうしてもモーションがDS版の方が長く、

派手に見せようとか、武器を取り出すシーンを盛り込んで、

といった装飾を追加してしまっているため、もっさり感が付きまといます。

嫌ならばアニメーションをOFFにして

チビユニットのみで戦闘をサクサク進めことも可能なのですが、

そうしてしまうとちょっと寂しい限りです。

 

 

プレイ時間は、5エンド中3エンドクリアで

4つ目のエンド途中で約70時間。

プレイ時間が表示されませんので、正確なプレイ時間がわかりません。

二週目、三週目は所持金額を引き継いでプレイしています。

忠実に移植して、システム的に大幅な改良を加えた作品です。

丁寧に作られてはいるのですが、SFCにはなかった

細かなローディングがあってもっさり感があるのがいただけないものの、

基本的に上手にベタ移植していると思います。

一枚絵追加でビジュアル総描き直しと、

断然綺麗になっているのでプレイするのならば

SFC版ではなく、こちらの方がお勧めですね。

 

基本的に面白く、ストーリーの良く出来たゲームでしたが、

これ単品でプレイすると途中のストーリー(スーパーロボット大戦)が

見事にかっ飛ばされてしまっているため、

そのあたりを考慮する必要があります。



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