真・女神転生W

 

一言感想

退廃的な独特の世界観

 

グラフィック 8点
シナリオ 7点
ボリューム 10点
快適さ 8点
システム 8点
満足度 9点
総プレイ時間 113時間
総合評価 88点

 

 

女神転生シリーズ久々のナンバリングタイトルです。

舞台は東のミカド国。

その国では国民は大きく二つに分けらており、

知能労働者、いわゆる支配者層のラグジュアリーズと、

肉体労働者、被支配者層のカジュアリティーズという、

生まれから徹底的に区別をされる政策を取っていた。

漁師の子は漁師、農民の子は農民にしかなれず、

カジュアリティーズはどこまで行ってもカジュアリティーズ以外になれないという、

職業選択の自由が一切ない世界。

カジュアリティーズはラグジュアリーズに

蔑みの目で見られることがほとんどだった。

 

特定の年齢になると、全国民はミカド城のアキュラ像広場にて行われる

ある儀式のために集まることが義務付けられている。

それは、悪魔召喚プログラムとサポートAIバロウズがインストールされた、

ガントレット(篭手)に適性があるか試されるというもの。

ガントレットに選ばれた者のみがサムライになれ、

これが唯一、カジュアリティーズがラグジュアリーズになれる方法であり、

サムライになるということはラグジュアリーズにおいても、大変名誉なことだった。

 

その儀式で、主人公はガントレットに選ばれたひとりとなり、

新人サムライとして活動するうちに、

悪魔という存在と、奈落というダンジョンの下に、

国民には秘された、ケガレビトという人間たちが住まう街があることを知り、

そこに任務のために赴くうちに

世界の根幹を揺るがす事件に巻き込まれていくことになります。

 

 

終末観溢れるストーリーはいつもの女神転生シリーズですね。

主人公は時折出てくる選択肢により、

ロウ側、カオス側、そのどちらにも大きく傾かないニュートラル側に分けられ、

4つのエンディングを選ぶことになります。

 

基本的には東のミカド国と東京のみを行ったり来たりすることになり、

箱庭的な世界になっています。

世界を旅するRPGとは一線を画するタイプ。

閉塞感のある世界であり、世界そのものは狭く、

従来のような世界中で旅するタイプが

好みな方はその点は要注意ですね。

 

 

 

戦闘はコマンドタイプのRPGです。

スキル選択式であり、

物理攻撃、魔法、補助魔法とスキルは大きく3つのタイプに分かれます。

主人公のみ、悪魔と会話することができ、

悪魔に仲魔になってもらったり、

アイテムや通貨(マッカ)をもらったりすることが可能です。

パーティは主人公+仲魔、最大4名で組むことになり、

仲魔は途中での入れ替えが可能になっています。

随伴の人物がいる場合はランダムで攻撃してくれます。

 

さて、実際の戦闘なのですが、今回は弱点を突くということが

非常に重要となっています。

各自1度ずつしか攻撃できないのですが(ボスを除く)、

敵の弱点属性で攻撃すると、行動が1つ増えるからです。

反対に、敵が無効・吸収がある属性の場合、行動が複数減ることになります。

ちなみに、この法則は敵側にも適用されています。

要するに、いかにして敵の弱点を突きつつ、

こちら側の弱点属性を相手側に攻撃させないようにし、

こちらの無効・反射・吸収属性を敵にさせるかというのがポイントであり、

敵の得意属性が弱点の仲魔を外して無効以上の仲魔を入れ、

敵の行動を減らして自分の行動は増やすというのが肝になっているわけです。

戦闘自体はこれ以外目立ったシステムはありませんね。

ごくシンプルかつオーソドックスなタイプだと思います。

 

 

 

さて、女神転生シリーズの最大の魅力である悪魔合体ですが、

今回はメニューが開ければ、どこででも悪魔合体をすることができます。

ガントレットにインストールされる邪教の館というアプリを使用し、

悪魔2体以上を合体させて新たな悪魔を作るのですが、

これが非常に面白い。

 

出来る悪魔が最初から所持しているスキルと、

合体するのに使用した悪魔2体の所持しているスキルを

自由に組み合わせられるのです。

要するに、合体元の悪魔次第でできる悪魔の所持スキルが全然違ってくるのです。

より良いスキルを持つ悪魔を作るのにはあっちとこっちを合体させ、

さらにこっちと合体させてと、いろいろ試行錯誤するのが面白い。

今回は合体させる悪魔を指定するのではなく、

基本的に出来る悪魔を表示し、

その後どの悪魔同士で合体するのか選ぶタイプ。

悪魔合体にしても、作れる悪魔の合体元を表示してくれる

検索合体が条件を細かく指定出来てとても使いやすいですね。

その分、ある特定の悪魔同士を指定しての

従来通りの2体選んでの悪魔合体が廃止になっており、

いらない仲魔同士を選んで合体させるのが非常に困難です。

このシステムは次回作ではぜひとも復活してほしいと思います。

現在パーティにいなくても一度作った悪魔も加えて

表示してくれ、いちいち悪魔全書から悪魔を作らず、

悪魔全書に登録されている悪魔同士やパーティの悪魔を組み合わせて

ダイレクトに合体させるシステムもあるので、

合体関連のシステムは結構快適でした。

 

悪魔全書とは、一度でも作ったり仲魔にしたりした

悪魔を登録してくれる書であり、

レベルが上って違うスキルを覚えたり、違うスキルで悪魔を作り直したりした場合、

上書きすることも可能で、表示されているマッカを払えば

悪魔全書からの仲魔の召喚も可能になっているという非常に便利な書です。

 

 

さて、今回では基本的に戦闘では通貨を得られないようになっています。

悪魔と会話して通貨を得ることは可能ですが、それは微々たるものです。

ではどうやって通貨を得るかというと、

各地に散らばっている発掘・遺物ポイントで

換金専用のアイテムを収集して換金するか、

宝箱や戦闘で得るアイテムを売るか、

クエストの報酬で得るかの大きく3タイプに分かれます。

この3タイプがあまり大きく金銭を得られることがなく、

仲魔にするのも、悪魔全書を利用するのも、

装備アイテムを使うのにも共通の通貨マッカを利用するので、

とにかくマッカ不足になりがちであり、

いかにしてマッカを都合するのかもプレイヤーの頭を悩ませることになります。

得られるマッカをもうちょっと多くしてくれても良かったのではないかと思うほど、

とにかくマッカ不足に陥りがちであり、

アイテム収集に大分プレイ時間を割かれたのも事実です。

 

 

基本的なシステム、ロードやレスポンス自体は問題なく、

会話やムービー時以外はどこでもセーブが出来、

邪教の館を利用可能で、非常に快適です。

ただ、その分難易度はかなり高めに設定されており、

かなりレベル差がある敵でも先制を取られると

瀕死〜死亡ということが頻繁に起こります。

所定のマッカやゲームコインを払えば復活可能であり、

また、何度も死亡していると一切のペナルティなしで

難易度を下げることも可能になっています。

 

マルチエンドであり、何週もするタイプのゲームなのですが、

スキップがボタン押しっぱなしで、

スキップも遅いというのがちょっと煩わしかったぐらいでしょうか。

もうちょっとスキップを早くしてほしかったと思います。

 

 

 

グラフィックは、基本立ち絵で進行するイベントが多いのですが、

ムービーが表示されるタイプもあり、ムービーは大変綺麗です。

ムービーと立ち絵の差も全くなく、統一感があってとても美しい。

人物の造作の統一度は完璧と言って差し支えないかと思われます。

キャラクターの絵はやや冷たい印象の癖のあるタイプです。

結構好き嫌いが分かれるタイプですが、

世界観にはあっていると思います。

 

 

プレイ時間は、1エンドで90時間。

レベル上げや悪魔合体が楽しくなってついレベルを上げすぎましたので、

本来は1週40時間程度だと思います。

2週目の引継ぎの、レベル、マッカ、アイテムを

引き継ぐ転生リスタートで20時間。

終盤での分岐のセーブデータを利用して、一エンドで3時間、

全エンディングコンプリートで113時間です。

3週目はしていません。

1週目はチャレンジクエストを丁寧にプレイしましたが、

2週目は簡単なもの以外はほとんどやっていません。

3DSとしましては大ボリュームですね。

据え置き機並みのボリュームです。

 

ストーリーは終末感漂う、従来のタイプ。

いつものストーリーで問題ないと思われるのでしたら大丈夫でしょう。

結構波乱万丈でした。

 

悪魔合体でより強い悪魔、より良いスキルを所持した悪魔を作るのが

とにかく楽しかった。

コツコツプレイする人、レベル上げが楽しい人、

従来の女神転生で綺麗な悪魔、

強い悪魔を侍らせて楽しむ人にお勧めのゲームです。

今回は結構簡単にレベルが上がるため、

かなり高レベルの悪魔でも作れたのが良かった。

そのかわり、世界中を旅するタイプが好きな方や、

ストーリー最重視の人にはお勧めしにくいですね。

マルチエンドのため、何週もできるのも強みでしょうか。




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