なないろリンカネーション

 

 

一言レビュー

短編エピソードがもったいない

 

グラフィック 8点
シナリオ 8点
ボリューム 5点
快適さ 6点
満足度 7点
総プレイ時間 13時間
総合評価 68点

 

 

 

大学生の加賀見真は亡くなった祖父から

譲られた家で一人暮らしをすることにした。

あれこれと世話を焼き、引越しの手伝いをしに来た母の横に、

赤い着物を着た少女が一人座っている。

赤い着物の少女は気さくに真に話しかけてくるが、

しかし、母はその少女に全く気が付く様子がなかった。

目にも入ってもいない風に、動揺する真を見て、

そういえば子供の頃の真は誰もいないのに独りで話をしていたり、

居もしない人の話をしたりして、

特にこの家にいる時が酷かったといった思い出話を一通りすると、

母親は心配げに帰っていった。

 

赤い着物の少女の名は伊予。

十数年前に一緒に遊んだ女の子で、

あの頃と全く姿が変わった様子がない。

彼女はこの家に住む座敷童であり、

この家に住むもう一人の人物を紹介したいという。

呼ばれて淑やかに現れたのは、喪服の着物をまとった美しい女性。

彼女、桔梗は祖父の鬼であり、加賀見家当主は鬼を従え、

この町の守護のお役目を負っており、この家と土地を受け継いだということは、

加賀見家とそのお役目を継いだということと諭す。

そして、鬼は霊視の能力を持つ者にしか見ることができないとも。

半信半疑な真に、伊予は桔梗をスマホのカメラで撮ってみるといいと進言した。

スマホのカメラを向けると、確かにそこには誰も映っていなかった。

 

 

霊を救い、彼岸へと旅立つ手助けをする。

血でもって、さまざまな力を持つ鬼を従える加賀見家当主の座を継いだ真は、

そのお役目につくことになります。

 

ストーリーは完璧にハーレムですね。

鬼の容姿、能力は真の望むがままに作ることが可能で、

鬼自身が当主である主人公を最初から慕っており、

既に攻略済みとして生まれます。

ですが、華やかな容姿を持つ鬼たちのルートは

存在しないのが要注意ポイントです。

ヒロイン達は半数が鬼と比べると地味であり、

ちょっと見劣りするのが可愛そうですね。

 

ギャグとシリアスのバランスが丁度良く、

テンポよく進んでいく読みやすいストーリーで、

なおかつきちんと感動要素やシリアスも散りばめられているのですが、

なにしろボリュームがない。

エピソード自身がとても少なくて、

正に短編エピソードのショートストーリーを作りました、

といった作品なのでその点で非常に損をしていると思います。

他のゲームであれば、序盤の山場を迎えたあたりで

エンディングを迎えてしまうために、とても物足りない出来です。

5時間ぐらいが共通ルートで、

ヒロインルートに進んでも1〜2時間程度しかないので、

随所にボリューム不足を感じます。

 

また、どのルートにもメインヒロインが目立ちすぎているのと、

大まかな事件の結末はどのルートも同じところに行きつくので、

3人目ぐらいでその辺りがちょっと飽きてきます。

シナリオはいいだけに、その辺りはとても惜しく感じます。

 

 

 

システムは一見快適に見えます。

細部まで気を配ったシステムで、

アドベンチャーにあったらいいと思うシステムが

ほぼすべて盛り込まれていると思います。

シーンモードがあるのは良いですね。

基本システムはクロガネ回帰譚と同じです。

同様に欠点が二つあり、それが評価を著しく落としています。

 

まず一点がオートモード中、殆どのボタンを押すと

オートモードが強制解除される点です。

そしてこのシステムが、オートモード中に何も操作しなければ

光度が落ちるというVITAの欠点が制御されておらず、

オートモード中は絶えずボタンか画面に触って光度が落ちないように

プレイヤーがしてやらないといけないというシステムの障害になっています。

つまり、光度を落とさないようにプレイしようと思えば

ボタンか画面を触らねばならず、触るとオートモードが解除される、

というイベントが一分ごとにあるということです。

何か触るたびにオートが解除され、またオートを設定し、

というのが非常に面倒でした。

 

仕方がなく、タッチ操作を無効にしてプレイしました。

タッチを無効にしてあるので、画面に触れても

オートモードが解除されずに光度を復帰させることが可能になりましたが、

その代わりに一切のタッチ操作が無効になってしまったのが不便でしたね。

最低限、光度制御はアドベンチャー必須のシステムにしてほしいかと思います。

どのシステムがないより辛かった。

後気になる点は、システムのセーブ時がちょっと長めで、

システムセーブ中は一切のコマンドが指定不可

といった事ぐらいでしょうか。

 

 

 

グラフィックは目元に濃く、くっきりとしたアイラインが入る特徴の、

ちょっと癖のある絵柄です。

立ち絵とCGで目の描き方が違うのが少し気になるでしょうか。

華のある個性的な絵柄ですが、好き嫌いがわかれますね。

 

CGの枚数は差分抜きで56枚。

何しろボリュームがない作品ですので、

丁度良い〜多めの枚数ですね。

差分はかなり多く、多いCGは20枚以上あるものもあります。

色の塗りもはっきりとしており、華やかで色鮮やかな塗で、綺麗です。

人物の顔がCGと立ち絵で違うのが結構あり、ちょっと違和感があります。

 

 

 

プレイ時間は約13時間程度。

時間が表示されないタイプで正確な時間が分かりませんので約の時間です。

プラチナトロフィーを取得しています。

 

感動要素もギャグもシリアスも上手にすみ分けた

なかなか良いシナリオなのですが、著しいボリューム不足を感じます。

さあこれからといったところで終わってしまうので、

どのルートも物足りなさを感じるエンディングです。

また、パッケージやHPで前面に出ており、華やかな容姿を持つ鬼が

全員攻略不可といったマイナス面もあります。

伊予もあれで攻略しているのかちょっと微妙です。

 

コンパクトながらうまく纏まっているのですが、

十時間強といったボリュームがお勧めする気を挫きます。

短編エピソードが読みたいというのならば良いと思うのですが、

そうでないというのならば勧められません。

ボリューム不足を覚悟してプレイしてください。

実にもったいない作品でした。




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