ペルソナ

 

 

一言レビュー

ペルソナ作りにはまる

 

グラフィック 6点
シナリオ 6点
ボリューム 8点
快適さ 8点
システム 9点
満足度 8点
総プレイ時間 79時間
総合評価 75点

 

 

PS版で発売された女神異聞録 ペルソナの移植作です。

シナリオは今から見ると古臭く、かなりあっさり目ですが、

古い作品のベタ移植ということで少し甘めに採点しています。

本編のセベク編、外伝の雪の女王編とルートは2ルートあり、

かなり早い段階で分岐しますが、分岐が終われば一本道であり、

サブイベントの類はまったくといっていいほどありません。

また、自由度はほぼ皆無で、前に前に進むストーリーであり、

基本的にほとんどのダンジョンは一度クリアすれば

その後は入れないようになっています。

そして非常に箱庭的であり、お話自体がひとつの町が隔離され、

異界へ変貌する、というものですので、

とても世界が狭くなっています。

その為、従来のRPGのような、世界中を旅する事を

期待しているときついでしょう。

 

戦闘システムですが、とてもオーソドックスなタイプです。

ちょっと風変わりなのがペルソナを使えるということですね。

ペルソナは魔法・特殊攻撃を担っており、

ペルソナを付け替えることで各個人が発動できるものが違ってきます。

ペルソナと各キャラクターの相性というものもあり、

良い以上でなければ魔法・特殊攻撃の発動が不可になっています。

また、ペルソナのステータス自体が

各キャラクターのステータスにも影響を及ぼし、

ペルソナを付け替えることでステータスが底上げされます。

さて、このペルソナですが、実は育成要素も持っています。

ペルソナを発動するごとにペルソナの経験値がたまっていき、

ある一定以上になるとペルソナがレベルアップします。

ステータスがUPし、新たなスキル(魔法・特殊攻撃)を覚えるのです。

最高レベルに達すると、それ以上にスキルを覚えず、

パラメーターもUPしませんが、そのかわりペルソナを新たに生み出せる場所

ベルベットルームでペルソナをアイテムに変化させることが出来ます。

これでしか手に入らないアイテムもあり、

この変化させるシステムはなかなかに面白いですね。

 

また、悪魔と戦闘する以外に、悪魔と交渉を行って

お引取り願ったり、アイテムをもらったりすることが出来ます。

この交渉でしかもらえないアイテム「スペルカード」が

ペルソナ作りの元になっており、

スペルカードを2枚掛け合せてペルソナを生み出します。

 

 

この作品の醍醐味であるペルソナ作りですが、

ベルベットルームで行います。

作り方は前述のとおりなのですが、これに月齢、スペルカードの属性が関係し、

また合体時にどのアイテムを加えるか、

どの順でスペルカードを選ぶかで、出来るペルソナが微妙に変わってきます。

自分なりに気に入ったペルソナを作るもよし、

潜在復活を付けてパラメーターをMAXにするもよし、

ペルソナを鍛えまくって消去し、アイテムを集めまくるのもよし、

攻略本・サイトとにらめっこで魔法を継承させるのもよし、

合体事故でしか出来ないFoolを作って悦にいるのもよしと、

とにかくペルソナを作る事が面白い。

異常にペルソナ作りにはまりますね。

 

 

次に色々なシステムです。

基本的なシステムですが、かなり良いです。

PSPの弱点としてローディングの長さが

挙げられるわけですが、これがとても早い。

旧作では異常に長かった戦闘でのエフェクトが改善され、

ペルソナ発動時、敵攻撃時が短縮されています。

また、難しいと評判だったPS版から、

今回は難易度が最初に選べるようになっており、

難易度に二の足を踏んでいた方にもちょうど良いと思います。

MAP画面は3Dなのがちょっと人を選びますが、

地図は左下に表示され、自分達が通ったところは地図として記憶されますので、

複雑なワープMAP以外はさほど迷いません。

ちょっと癖が強いのがアドベンチャーマップで、

クォータービューとなっており、キャラクターを動かしにくいですね。

ここはもうちょっと改善してほしかったところ。

 

 

グラフィックですが、非常に癖のある絵柄。

かなり冷たい印象を受ける、シンプルで、

好き嫌いがばっさり分かれる絵ですが、

女神転生好きには金子さんじゃないと! というぐらい

熱烈なファンがいるのも頷ける、癖の中に独特の魅力があるイラストです。

やはりこれもかなり前の作品である、ということで

古臭さは否めませんが、まあそこは我慢、でしょうか。

今作で付け足された3Dムービーですが、

確かにキャラクターの特徴はつかんでいるものの、今ひとつの出来。

ここはシンプルにアニメーションムービーでよかったような気がしますね。

 

 

 

プレイ時間は、両編クリア、セベク編47時間、雪の女王編32時間です。

引継ぎはありません。

ボリュームは片方しかクリアしなければそこそこ、

二つクリアすればかなりありますね。

独特の世界観と、ペルソナというシステムがマニア心をくすぐるような、

隠れた魅力のある作品です。

移植に際して戦闘のテンポもかなり見直されており、

快適にプレイ出来ますので、PS版よりも

こちらのPSP版の方がオススメです。

アレンジ、差し替えされた音楽が色々と言われていますが、

確かにこの古い絵柄、世界観に

今時のスタイリッシュな音楽はちょっとミスマッチ。

下手に差し替え、大胆なリアレンジを加えず、

ちょっとしたアレンジだけで止めておいたほうが良かったと思います。

 

そして、追加要素はほとんどないと思って良いでしょう。

あったのはエクストラダンジョンとほんの少しのムービーぐらいです。

古臭い印象がぬぐえない本作ですが、

楽しく快適にプレイ出来ました。

癖の強い作品で、ストーリーは今ひとつと

誰にでもお勧めは出来ないのですが、

やりこみなどにはまる方には良いのではないでしょうか。

ペルソナ作りが異常に楽しかった作品です。



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