ペルソナ5

 

 

一言レビュー

どん底からの逆転劇

 

グラフィック 7点
シナリオ 8点
ボリューム 10点
快適さ 6点
満足度 8点
総プレイ時間 238時間
総合評価 82点

 

 

ペルソナ5作目であり、3作目からの流れをくみ、

4からの正当進化の作品となります。

ペルソナは一作目には女神転生異聞録という副題が付き、

二作目の罪と罰まではアトラスのナンバリングタイトルである

女神転生シリーズの特色を色濃く残し、

従来のRPGを踏襲した、ダンジョン攻略をメインとした作品でしたが、

三作目でかなり作風が変わり、おしゃれでスタイリッシュ、

学園生活と日常をメインにおいたアドベンチャーRPGとなっております。

 

ある意味異色のRPGかと思われます。

普通のRPGは戦闘メンバーをメインとして仲を深めていくわけですが、

今作では戦闘メンバーを含む22人のNPCとも仲を深めていく、

コープ活動と日常の生活が七割ほどの比重を占めています。

殆どのRPGはダンジョンを攻略する合間にストーリーが進み、

ストーリーを進めるためにダンジョンを踏破するといった感じなのですが、

今作は日常の合間にダンジョン攻略をこなすといった感じであり、

ダンジョン攻略は途中で強制帰還させられるのを除くと一日、

ダンジョンボス攻略にもう一日という、

極短日で攻略可能になっており、それ以外の日数は日常イベントを

進めていくというスタイル。

 

その為、RPG部分よりアドベンチャー部分がかなり長く、

色々できることは多いが一日で出来ることは限られており、

そして制限が非常に多い作品です。

仲間と仲を深めるにしても、かなりの制限がかかっており、

自由度が高い割にはかなりスケジュールを綿密に練り、

パラメーターを上げていくという作業も必要で、

表現が難しいのですが、息苦しいものがあるのも確かです。

ただし、コープメンバーの22人のキャラクターは

各自非常にインパクトの強い人物達で、彼らと親密になっていくうちに

起こるイベントはとても凝って作られています。

これに強烈な魅力があり、人気のある秘密なのでしょう。

魅力的なキャラクター達が生き生きと作品自体を彩って

立体的に形作っていく様は感心しました。

 

 

戦闘システムですが、オーソドックスなタイプです。

敵の後ろから、物陰から攻撃するとチャンスエンカウントとして先制攻撃が可能です。

スピードの速い順から敵味方関係なくターンが回って来ます。

魔法やスキルのコマンドとしてペルソナを使えるようになっており、

仲間たちは単一のペルソナしか使えませんが、

主人公のみ複数のペルソナを戦闘中に付け替えて使用することが可能です。

敵には大抵弱点属性が設定されており、その弱点を突くともう一度攻撃が可能で、

味方とバトンタッチすると攻撃力が上昇し、

全敵をダウンさせると一斉攻撃や会話を行えるので、

敵の弱点属性を突いて攻撃していくというのが非常に重要になっています。

 

ここで生きてくるのが主人公のペルソナを戦闘中に付け替えられるという特性です。

仲間に敵の弱点属性を付けるメンバーがいない場合、

複数のペルソナに各属性の魔法を習得させておき、

ペルソナを付け替えることにより弱点属性を突き、

敵に攻撃させないうちにこちらから攻撃していくというのが肝となってくるのです。

 

ペルソナシリーズの特色として、

敵の弱点属性をついて全てダウンさせると、

戦闘中に敵と会話をこなし、ペルソナ化することが可能です。

会話中はお金を要求したり、アイテムを要求できたりするのが、

従来のペルソナ・女神転生シリーズに共通のシステムですね。

また今作は怪盗というキーワードを非常に重要視しており、

ダンジョン内を隠れながら移動し、敵の不意を衝く、

ダンジョンの最奥に位置するボスのお宝を探し当てる、

予告状を出して翌日に盗み出すというイベントがあるのが面白い。

ただ、物陰に隠れる「カバー」の操作性は少々難有りで、

向きを変えたと思っていたら物陰から出ており、敵に見つかったり、

角度によっては不意を付けなかったりしました。

 

 

 

この作品の醍醐味であるペルソナ作りですが、

ベルベットルームで行います。

行えるのは主人公のみ。

ペルソナとペルソナを掛け合わせて合成元の持つスキルを引き継いでいき、

自分だけのペルソナを作り上げることが可能です。

これがこの作品の魅力の一つでもあります。

ペルソナ一体を犠牲にしての強化やアイテム化、

ペルソナの弱点の克服と、

いろいろ弄り回して楽しむ要素があるのも面白いです。

遊び方に幅が出来ますし、これがこのシリーズの魅力の一つでもあると思います。

 

 

次に色々なシステムです。

日付を一日ずつカレンダーで送るのですが、

いちいちカレンダーを表示し、

日付を回転させて当日にナイフを突き立てるという

モーションが入るのがちょっとうっとうしいですね。

最初は物珍しいのですが、スキップが出来ず、

4月〜12月24日まで一日ずつ日付を送っていくことになるので、

このモーションをもっと短くするか、もっとシンプルにしてほしかった。

 

メニュー画面もおしゃれなのはいいのですが、

いささか見辛く、各メニューを指定するごとに何がしかの

モーションが入るのももたつくものがあります。

ダンジョン攻略中はセーブ部屋以外でセーブできないのもつらい。

システム画面が表示できるのならば、

せめて中断セーブぐらいはさせてほしかった。

 

MAP画面は3Dなのですがミニマップが常に表示され、

自分達が通ったところは地図として記憶されて大きなマップ表示も可能ですので、

複雑なワープMAP以外はさほど迷わないのは良かったと思います。

 

 

 

グラフィックですが、スタイリッシュでシンプルながら独特の魅力がある絵柄。

はっと惹きつけられるものがありますね。

目元が非常に魅力的。

ペルソナは悪魔絵師の金子氏の描いたものを

そのまま採用しているものが多く、

氏のイラストを忠実に3D化しているのは感動しました。

キャラクターの3Dモデルは他のPS4ゲームの物と比べるとかなり見劣りしますが、

途中で差し挟まれるアニメーションの出来は非常に素晴らしい。

全アニメーションにおいて作画が安定しており、

キャラクターの顔立ちも一定のレベルを誇っていて、

元のキャラクターデザイナーの絵柄をかなり正確に表現しています。

 

 

 

プレイ時間は、1週クリアに146時間、

プラチナトロフィー取得に34時間、2週目クリアまでにさらに58時間、

合計プレイ時間が238時間です。

とにかく破格の大ボリュームです。

ここまで1週目でボリュームのあるRPGも珍しいでしょう。

 

ペルソナというシステムとダンジョン攻略、

日常においてのコープイベントやミニゲームと、

とにかくプレイヤーが自由にこなせるイベントが非常に凝って作られている作品です。

何とも言えない魅力がある作品であり、

アドベンチャーとRPGが融合しています。

このあたりのイベントボリューム・クオリティの素晴らしさが

評価される所以かと思われます。

好き嫌いは多少別れそうで、好きな人はたまらない、

駄目な人は全く何がいいのかわからないということにもなりそうですが、

こういうアドベンチャーパートやイベントが

好きな方ならばどハマり出来ると思います。

色々と贅沢に出来ているゲームですね。




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