神曲奏界ポリフォニカ
3&4完結編
一言レビュー
伏線の回収は他シリーズで?
グラフィック | 8点 |
シナリオ | 6点 |
ボリューム | 7点 |
快適さ | 10点 |
満足度 | 5点 |
総プレイ時間 | 18時間 |
総合評価 | 70点 |
世界各国で散発的に起こっているテロリズム。
増殖傾向にあるそれは、世界に不安の影を落としていた。
そんな折、フォロン達は先輩のユフィンリーの特別講義で遅くまで
学園に残っていたところを神曲学士の集団に襲撃される。
上級精霊と契約を交わした彼らは、12年前に世界を震撼させた
「嘆きの異邦人」の残党だった。
圧倒的な戦力で学園を崩壊させ、
地下深くに隠されていた遺物をやすやすと奪い去っていく嘆きの異邦人達。
彼らの狙いを知った時、フォロン達が取った選択とは…。
ストーリーは完全に前作1&2の続きですので、
前作をプレイしていることが必須です。
ストーリーをストレートに言うと、大風呂敷を広げすぎた感じですね。
3話までは良かったものの、4話目で急に失速しました。
とあるジャンルのゲームで必ずなってしまうストーリー展開になった時は
ちょっとがっくり来ましたね。
これほど大事にしなくても良かったので、
この世界観の中での、もうちょっと小規模な事件を描いて欲しかったです。
また、終盤に出てきて全てを掻っ攫っていった
二人組みには首を捻るものがありました。
どうしてああなったのか説明ゼロなのは納得いきません。
プレイヤーはひたすら画面の前でわけもわからず置いて行かれます。
おまけに他シリーズのネタバレを、ここでど派手に明かすのは正直どうかと思います。
そしてこのお話の中で広げられた伏線のいくつかは未回収のままで終わっており、
もしかすると他シリーズでその部分は語られるのかもしれませんが、
このシリーズの中で広げられた事件の伏線は
このシリーズで回収されるべきです。
そういう意味ではあの終わり方は失格と言っていいと思いますね。
あれが全てを台無しにしてしまっていっていると言っても過言ではないでしょう。
文章ですが、全話を通して読んでみると、かなりくどくなっています。
繰り返し繰り返し、同じ説明文が出てくるのがその原因です。
いくつか例を挙げると、
世界観を説明するのに全く同じかほぼ同じ文章が使われており、
それが全話において何度も出てくるために、
どうしてもストーリーのテンポが殺がれてしまいます。
こういうのが随所にあるために、
読み手の興味が離れていってしまいますね。
ある人の姿かたちを文章で表すにしても、
コピー&ペーストをしているのではないか?と思うほど、
全話でほぼ同じ文章が書かれているので、
「もうその文章は見飽きたのでいいから」と思ってしまいますね。
別の角度から書くか、全く違う文章を書くべきだと思います。
とにかく同じ文章を幾度も読まされるのは興ざめでした。
システムは完璧です。
前回の1&2で絶賛したシステムはそのまま続投です。
前回で唯一の不満点をあげていたセーブのシステムですが、
今回は綺麗に解消されています。
解消というより、予想をはるかに上回る出来ですね。
セーブの仕方やシステムは以前のままなのですが、
「目次から読む」というシステムが4話目のエンディング後に追加されています。
これが話の各シーンの途中から読むことが出来るシステムで、
大きなサムネイルとはじめの文章が表示されるために
どのシーンからなのか大変分かりやすくなっています。
もう好きなシーンをわざわざセーブを取って残す必要はありません。
大変優れたシステムだと思います。
グラフィックですが、今回も大変美麗ですね。
立ち絵とCGにもあまり違和感なく、とても安定していると思います。
CG枚数は差分抜きで23枚と、今回文章のボリュームが
アップしている割にはとても少ないです。
随所でここにCGが欲しいという場面があり、
特に戦闘シーンはもうちょっとCGを加えて表現して欲しかったですね。
どうしても文章や立ち絵、ちょっとしたモーションではわかり辛いところがありました。
40枚〜50枚は欲しかったところ。
立ち絵は従来のキャラクターたちは
服装の変化や表情の追加はあるものの、
だいたいそっくりそのまま流用しているのが残念です。
前回のものを使うのはかまわないのですが、
その分ポーズ等のバリエーションを加えて欲しかったです。
表情は変わるものの、基本的に皆さん1ポーズですので、その辺は手抜きです。
プレイ時間は正確な時間はわかりませんが、18時間。
声を全て聞いていますので、
声を飛ばされる方は14時間前後ぐらいになるでしょうか。
前回よりボリュームがアップしていてその点は満足です。
キネティックでもこのぐらいは欲しいですね。
3話目までは前回の1&2を越える出来でしたので
とても良かったのですが、4話目で失速してしまっています。
4話目の戦闘シーンもだらだらと長い趣があり、
文章は冗長で、繰り返し出てくる同じ文章がくどいのですが、
全体的には何とか纏めてきてはいます。
終盤での強引な話の展開には納得できませんが、
1〜4を一まとめに見ると、高ランクで仕上げてきている作品ですね。
終盤で息切れしてしまったようなのが問題ですが、
全体を通してみるととても良い作品だと思います。
それだけに、4話目はとっても残念ですね。