ラジアントヒストリア

 

一言感想

全体の完成度がずば抜けている

 

グラフィック 7点
シナリオ 10点
ボリューム 8点
システム 9点
快適さ 9点
満足度 10点
総プレイ時間 43時間
総合評価 95点

 

 

過去と未来を移動し、歪められた未来や過去を修正するというストーリーです。

自分の生まれる前の時代にさかのぼる、というわけではなく、

ある時を境に二つに分かれた歴史を行き来し、

砂漠化の進む大陸での戦乱の世を生き抜き、

破滅へと進む世界の謎に迫ります。

 

スタート時主人公は情報部に所属しているのですが、

そのまま情報部で動く(正伝)のか、

親友である軍人の副官となる(異伝)のか、

この二つの選択肢で歴史が二つに分かれ、

二つの歴史が互いの歴史に相互干渉し、

影響を及ぼすことにより世界が変貌していきます。

正伝(異伝)で手に入れたものが異伝(正伝)のストーリーを進めるうえで

必須の物になっていることが多分にあり、

一つの世界だけでは途中でストーリーが進まなくなっているため、

二つの世界を行き来し、同時に進めていく必要があります。

一つの世界では絶対になしえないことが、

もう一つの世界では可能になっており、二つの世界が存在し、

行き来できるというそのシステムが絶妙に絡み合っていて、

その妙技は大変素晴らしかったです、

 

ストーリーは劇的かつ、躍動的でかなり面白く、

複数の国が覇権を争ったり手を結んだりと、

目まぐるしく世界が変動していきます。

また、主人公がかなり頭の切れる人物であり、

行動力、決断力ともにずば抜けており、その覚悟が尋常ではありません。

無口で無愛想ながら、ここぞというところでは仲間たちを引っ張っていく力強さ、

熱さがあり、ストーリーを主人公がぐいぐいと引っ張っていく様は

プレイヤーまでもを飲み込んでいきます。

キャラクターがかなり多いのですが、皆魅力的で、輝いています。

大事なものを守るために、覚悟をもって

鮮やかに煌めきながら命を散らしていく様は見事です。

とにかく先が気になり、止め時が見つからないほど、

ノンストップで動いていく様はまさに躍動する歴史を垣間見ているようです。

近年まれにみる素晴らしいストーリーでした。

 

 

 

戦闘はシンボルエンカウントで、戦闘前に敵シンボルに攻撃が可能で、

これがヒットして敵が気絶すると、ターンが初めに多く回ってき、

戦闘が有利に始まります。

ただ、一撃ではなかなか気絶せず、複数当てなければ気絶しないのが面倒でしたね。

ヒットすれば気絶で良かったのではないでしょうか。

 

スピードが速いキャラクターから

敵味方入り混じってターンが回ってくるタイプです。

攻撃順はペナルティなしで変更可能で、

なんと敵とも攻撃順を変更することができるようになっています。

敵は3×3のマスに配置されており、前後左右に吹き飛ばせるようになっていて、

同じマスに集めると、同じマスの敵には同時に攻撃が可能になっています。

連続して攻撃を仕掛けるたびにコンボレベルが上がっていき、

コンボレベルが上がると攻撃力がどんどん加算されていきます。

戦闘に参加できるパーティメンバーは3人だけであるのに対し、

敵はほとんどの場合、それを軽く上回る数になっていますので、

この、できるだけ一か所に敵をまとめ、連続して一気に攻撃を畳み掛けるというのが

戦闘のキモになっているわけです。

ただ攻撃していればいいというわけではなく、

雑魚戦でも常に頭を使う必要があり、

このシンプルながら奥の深い戦闘システムはとても良かったですね。

 

 

 

次はシステムです。

ローディング関係は基本的にDSですので快適で問題ありませんね。

ゲームはタッチパネルのみ、キー操作のみでも操作可能になっています。

主人公を移動させるのもタッチペンで誘導可能であり、

移動はタッチパネルの方が楽でしたが唯一気になったのが、

画面の切り替えになる場所です。

キャラクターの遠くにタッチペンがあると走り、

近くだと歩くのですが、場面の切り替えのところでは

どうしてもキャラクターにタッチペンが近くなり、

歩いてしまうのが少々難点です。

また、主人公の歩く音が少々でかく、

常に音がしますのでちょっと耳障りですね。

この辺、システムで変更できたらよかったと思います。

 

さて、前述のように歴史を次々と移動していくのですが、

ちょっと遡れるポイントが少なすぎると思います。

ポイントに戻ってくるには何度も同じイベントや戦闘をこなす必要があったりして、

スキップ機能があるものの、その辺がちょっと面倒でしたね。

もうちょっと遡れる歴史のポイントをまめに作ってもらえたらよかったと思います。

気になったのはこのぐらいでしょうか。

ペナルティなく、アイテムもレベルもそのまま引き継いで

歴史をいくらでも移動できるというのは快適でした。

 

 

 

グラフィックですが、独特の癖が強烈な魅力となるタイプです。

手書き風の独特のタッチですが、画力があり、皆魅力的ですね。

ムービーがないのはちょっとさびしい限りです。

ただ、ミニキャラクターがくるくるとよく動いており、2Dは出来が良いです。

DSにしてはかなり綺麗なのですが、惜しむらくはバストアップの絵が

各キャラクター一種類しかないということ。

せっかく魅力的なイラストなのに、表示されるのは

常に同じイラストなのが非常に残念です。

できれば喜怒哀楽の表情が欲しかったですね。

悲しいシーンなのに、笑っているイラストが出てきて

かなり違和感がありました。

 

 

プレイ時間は、達成度210、バッドエンドは未回収で、

サブストーリーは一つを置いてクリアし、43時間。

トゥルーエンドを見ています。

サブストーリーをまったくプレイしなければ30時間ほど、

最短でトゥルーエンドをこなすには、

ある特定のサブストーリーをこなす必要があるので、

トゥルーエンドを迎えるには35時間、

達成度を100%にするには50時間ほどだと思います。

青いポイントのあるところならばどこでも好きなところまで

アイテム・レベル持ち越しでさかのぼれ、

実質的に全部のストーリーをプレイしなおすことが可能ですので、

RPGには珍しく2週目の要素がないタイプです。

 

躍動感あふれる、歴史を改変していくストーリーの完成度はずば抜けています。

激動の中で生き抜いていき、命を鮮やかに散らしていくキャラクター達は

キラキラと輝いており、生き生きとしていて皆魅力的でした。

運命を変えるために歴史をさかのぼっていく主人公の、静かなのに熱い思いと、

各キャラクターの覚悟は素晴らしかった。

近年まれにみる高クオリティなストーリーで、唸るものがありましたね。

ここまで素晴らしいシナリオのRPGは軌跡シリーズ意外に

あまりお目にかかったことがありません。

戦闘もシンプルながら考えて進める必要があり、面白かったです。

ゲームとしてここまでの完成度を誇る作品は珍しいと思います。

どうしてこのゲームが売れなかったり、

ワゴンにあったりするのか理解に苦しみます。

万人に胸を張っておすすめできるゲームです。

素晴らしい作品でした。



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