Rhapsodia

〜ラプソディア〜

 

一言感想

幻想水滸伝Wのファンでも苦しい

 

グラフィック 6点
シナリオ 4点
ボリューム 6点
快適さ 6点
満足度 5点
総プレイ時間 45時間
総合評価 54点

 

 

ストーリーは幻想水滸伝Wのその後になっています。

4で謎を残したままの紋章砲の謎を追い、

人を魚人に変えてしまうという紋章砲を破壊するまでを描いています。

 

最初は続々と見覚えのあるキャラクターが仲間になり、

その後のお話やサブエピソードが語られて面白いのですが、

途中からはとにかく紋章砲はいけない、

すべて破壊しつくそうの一点張りで、

先の見えるストーリーに面白みはありません。

 

私自身、とりあえずエンディングを見るためにクリアしたような趣があり、

ストーリーとしてはいまいちですね。

しかもキャラクターはほぼ何の説明もなく仲間に参入してきますので、

幻想水滸伝Wをプレイしていない方には何がなにやらさっぱりで、

ストーリーにも全く入り込めないと思います。

そういう意味では、前提条件として幻想水滸伝Wプレイ済みなのが絶対ですね。

 

 

シミュレーションのシステムですが、

おおむね他シミュレーションのシステムを踏襲しています。

ただ、いくつか気になる点があり。

 

まずZOCが存在しないため、壁が作れません。

おまけに移動範囲が歩兵ユニットでも異常に広いため、

簡単に背後に回られてしまいます。

要するに、壁を作ろうとするとかなり長大になりますし、

背後の弱いユニットも簡単に狙われてしまい、

このあたりに戦略性があまりないのが気になりました。

 

後はユニットのグラフィックです。

一人一人、専用グラフィックがあるのは良いのですが、

頭身が高いためにどれがどのユニットか非常に分かり辛くなっています。

いちいちユニットにカーソルを当てて確認しなければならないのが面倒でした。

 

地面に属性(火、水、風、土、雷)が簡単につけられる点は面白かったです。

キャラクターごとに属性を持っており、

自分の属性の上に待機すればHPが回復したり、

攻撃力、防御力が上がったりします。

ただ、これがちょっと難易度を下げる原因になったかな、とも思います。

全員を同じ属性にし(防具で全員同属性にすることが可能)、

得意属性に全員固まっているとかなり難易度が下がってしまいます。

 

ただし、序盤のユニットが非常に少ないときは大変難易度は高め。

ですが、敗北しても敗北した時に入手していた経験値をそのまま引き継いで

再プレイ可能ですので、粘れば誰でもクリアできるようにはなっています。

 

途中から、戦闘中にユニットを控えユニットに変更することが可能なのですが、

私はあまりこのシステムは使用しなかったですね。

確かに、最初頃の敵ユニットが多いときに

弱い補助ユニットを出すことは難しいのですが、

終盤は宝探しのためにユニットを交換し、

宝を掘り当てる以外の使用をしませんでしたので…。

ただし、これにより沢山仲間になるユニットが

出来るだけ使えるようになっているのは良かったかとも思います。

 

基本システムですが、これもやや悪い目。

戦闘が終わるごとに使用アイテムの補充を

必ずしなければならないのが非常に面倒です。

しかも一個ずつ。

全部一回きりしか使えませんので、

全出撃ユニットの装備を整えるとなると膨大な数になってしまいます。

 

アイテムごとに使用回数を決めて、

アイテム欄が3〜4個ぐらいで十分だったのではないか、と思いました。

お店で装備を買うときも万事が万事その調子だったので、

そのあたりも面倒でしたね。

まあ、ユニット数がかなり多いというのもあるのですが。

 

後は、最初から最後まで、ず〜っと金欠になるのも見逃せないポイント。

殆どのユニットの装備が揃えられないため、

主要ユニットしか使えません。

私はサブイベント(依頼)を結構こなした方なので、

ストーリーだけ追った人よりも裕福だったとは思うのですが、

その私ですら装備不足に悩まされました。

装備する物が多すぎ、また武器もお金をかけて鍛えなければならないと、

とにかくユニットにお金が掛かります。

得られる金銭も少なく、出撃する主要ユニットですら

あまり装備が整えられない始末です。

この点も、私がユニット変更を戦闘中に殆ど行わなかった理由です。

 

細かいところをあげると、決定ボタンを押していても

次の台詞へページ送りされない事がかなり頻繁にあったところでしょうか。

どうも台詞を言い終わった後、しばらくたたないと

決定ボタンを押してもページ送りされないようになっているみたいです。

そのため、会話のテンポが非常に悪くなっています。

 

 

グラフィックですが、背景グラフィックはとても美麗。

草原では草が靡いていたり、川は美しい曲線を描いて流れていたりと、

他シミュレーションにはない動きのある絵を見せており、大変綺麗です。

ただ、キャラクターグラフィックがちょっと…。

絵本風の素朴な絵を目指したといいますが、

カクカクしていて紙で書いた(しかし3D)、

よく言ってもシンプルなキャラクターが

綺麗な背景グラフィックを背に動く様はかなり微妙です。

表情もそんな感じですので殆ど動かず、

台詞欄に表示される表情を見なければわかりません。

しかも、その表情のバリエーション自体もとても少ないです。

台詞に参加できるキャラクター自身がとても少なく、

ポリゴンのキャラクターの表情もサボっていますので、

この辺ぐらいは力を入れて欲しかったと思います。

キャラクターデザインはとても魅力的ですので、

その辺は非常に残念ですね。

 

 

プレイ時間は、声を全て聞き、サブイベント(依頼)を8割方こなして45時間。

その為に私のプレイ時間はかなり長い目です。

ストーリーを一直線に追うと20時間ぐらいになると思います。

ボリュームとしてはやや少ないぐらいかと思います。

ただ、サブイベントをこなさない方にはかなり少なすぎますね。

サブイベントといっても、ほぼ全部お使いイベントですので、

やっていてもあまり面白くありませんのでお勧めできません。

 

ストーリーはシンプルを通り過ぎて先の見える展開、

ラストでさえも、あまり謎の解明されていないまま、強引に

エンドマークがつけられているのがかなり気になりました。

ストーリー自体も起伏が少なく、ただ紋章砲を追っていくのみ。

また、幻想水滸伝Wをプレイしていることがほぼ必須になっているため、

幻想水滸伝初プレイの方には絶対向きません。

 

ストーリー自身、幻想水滸伝Wの世界観の中でも、

別に知らなくても良い感じですので、

幻想水滸伝Wをプレイされた方でも、

キャラクターに特別こだわりのある方以外には到底お勧めできません。

ちょっとその後が気になる、というのであれば、

Wのセーブデーターを用意して、あまり期待せずにプレイされるとよろしいかと。



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