リズム怪盗R

皇帝ナポレオンの遺産

 

 

一言レビュー

ストーリー付きのリズムゲーム

 

グラフィック 10点
ボリューム 7点
快適さ 6点
システム 8点
満足度 9点
総プレイ時間 29時間
総合評価 84点

 

 

 

大体がストーリーのないリズムゲームの中で、

ストーリーを追ってリズムゲームをしていくというちょっと珍しいタイプです。

主人公は怪盗R

美術品を盗み出してはほとぼりが冷めたころに返すという、

愉快犯と思われていたのですが、

実は失踪した父が残したコインのマークの入った美術品を探しており、

美術品を返していたのは別の理由があって…というのが大まかなストーリー。

 

ストーリー自身はオーソドックスであり、

後半はどこかのアニメで見たような展開になるのが少々難ですが、

先の気になるストーリーは細かなところに目をつぶれば楽しめると思います。

実際突っ込みどころ満載であり、

主人公は怪盗Rの格好をして普通に街を歩いていますし、

まだ少年なのに母親死亡、父親失踪で親権はどうなっているのかとか、

とりあえずの生活費はどうしているのか、

怪盗としての技術は誰に教わったのか、

リズムゲームで警察たちの手から逃れられるのはちょっとどうなのか…など、

突っ込みたいところがあちこち目につくものの、

そこは素直にそういうものなのだと笑ってスルーできる人ならば、

謎を追っていく展開は結構楽しいですね。

 

ただし、終わっていません。

一応エンドマークはついているものの、

主人公が知りたかった謎はそのまま残り、

あちこちの伏線は回収せずに終わると、

次回作を作る気たっぷりの終わり方です。

この辺を気にする方は要注意でしょうか。

 

 

さて、実際のリズムアクションパートなのですが。

数パターンに分かれるものの、明らかに初見殺しです。

タッチか、ジャイロか、ボタンかの説明はあるものの、

どのようなタイミングでどのように操作をするのか全く説明がなく、

いきなりリズムゲームが始まるので、

初見ではよっぽど上手い人でなければ高いランクは取れないと思います。

また、普通〜下手な人では初プレイ時最後までプレイできないこと

多数なのではないでしょうか。

ガイドというシステムが左下のアイコンで操作のタイミングを教えてくれますが、

連続や素早い操作が要求される場合、

初見ではそれを見て操作するのはかなり無理があります。

もうちょっとデモンストレーション等有ればと思います。

 

リズムゲームは何度もプレイすることが可能であり、

自分のクリアランクをある程度ストーリーを進めてから

また改めて上げることも可能で、

ある特定のタイミングでなければ手に入れられないものがある

といったこともないのはいいですね。

一度エンディングを迎えた後でも

アイテム等を集めることが可能なのは良いポイントです。

 

歌詞はほとんどなく、音楽ばかりのリズムゲームなのですが、

リズムやドラムの音にタイミングがきっちりと合わせてあり、

ある程度タイミングを記憶する必要はあるものの、

きちんと音楽に乗れていれば押すことが可能です。

タイミングや音楽に合わせてリズムを刻んでいけるのは結構楽しいですね。

リズムゲーム自体は良くできていると思います。

 

下手な人でも救済策として、コインを使って

ヘルプアイテムを購入できるのは良いポイントです。

これがなければまずAランククリアは無理という

リズムゲームがあり、とても助かりました。

 

 

リズムゲーム以外のサブイベントなのですが。

音を探し、ある伝説の楽器を完成させるというものと、

幻の譜面を探すというものがあります。

丁寧にタッチしているとさほど難しくなく見つけることが可能なのですが、

これがすべて総当たりというか、総タッチになってしまうのが最大の難点です。

私自身は結構楽しかったのですが、

ここをタッチすれば、というポイントは特になく、

実際は作業になってしまうので嫌う人も多いことでしょう。

もうちょっとここを押せばいいといったポイントを解りやすくするなり、

総当たりではなく、とある会話から類推したり、

謎解きをしたりして見つけるといったものにしたほうが

達成感があって良かったと思います。

 

 

さて、ちょっと気になるのが基本のシステムです。

リズムゲームが始まるのに数秒待たなければならないのと、

アイテムを使うのにもレスポンスが悪すぎなのが問題ですね。

リズムゲームを始めるにあたってスタートというボタンを押すのですが、

スタートボタンが見えているのに上画面で人物がきっちり出終わるまで

スタートボタンを押しても反応しないのはイライラさせられます。

アイテムを使うのにも、長々と説明が入って

なかなかアイテムを購入できないのも難点です。

システム画面から通常画面に戻るのも、ロムカートリッジにかかわらず

数秒のローディングで待たされるのも駄目なポイントです。

 

後は気になるのがリズムゲームのクリアランクです。

実はこのゲーム、ランクが上のものに上書きされるわけではありません。

パーフェクトが多かったランクが上書きされるのです。

このゲームはどんなにパーフェクトが多くても、

終盤で連続してミスをするとガクッとランクが落ちてしまいます。

ランクを上げるのには結構かかるのを見ると対照的です。

要するに、終盤で連続ミスをすると、パーフェクト数が多くても

ランクががっくり落ちてしまうのですが、

上書きランクはパーフェクトが多いものを選ぶので、

BCになってしまっているものもあります。

つまり、Aランククリアしたのかどうか全く分かりません。

全リズムゲームAランククリアでサブストーリーが追加されるものがあるので、

これには大変困らされました。

どれをAでクリアしていないのかわからず、

何度もクリアすることになったゲームが幾つもあります。

今度からはAランクでパーフェクトが多いものから

ランクを上書きにしてほしいですね。

あるいは採点方法を見直すか。

 

 

グラフィックですが、ダンス時のポリゴンはちょっと荒いこともあるものの、

概ねある程度のラインは超えています。

そして、途中で差し挟まれるアニメーションの出来はかなり良いです。

シンプルな絵柄なのですが、全キャラクターの特徴をきちんとつかんで

上手にデフォルメしており、非常に魅力的。

あまりにもシンプルなので最初はどうかとも思っていたのですが、

幾つかのムービーを見てそれが杞憂だとわかりました。

綺麗で滑らかに動き、キャラクターの表情や動きに

はっと視線が吸い寄せられることもしばしば。

動きのあるモーションも美しく、ストーリーを上手に彩っています。

随所で沢山差し挟まれるのも良かったですね。

 

一番気になるのがヒロインの声です。

女優の、いわゆる素人を採用したのは

このゲーム最大の失敗ポイントだったと思います。

声が入るのはほとんどムービーの時ばかりですし、

女優さんなので少しぐらいは大目にと思っていたのですが、

アニメーションの本数が多いこともあり、

また予想以上に酷い声に一気に盛り下がりました。

折角の見事なアニメーションとここぞといった場面を台無しにしてくれています。

演技のえの字もなく、ただ文字を読んでいるだけであり、

この女優は演技する気があるのかと真剣に問いただしたいレベルです。

形容するのならば、まさに「 小学生低学年の本読みレベル 」。

演技指導の人もこれだけ酷いと指導のしようもなく、困ったことでしょう。

もう最後はそこに書いてある日本語を発音してくれればいいからと

さじを投げたのではないかと思われるレベルです。

ここまで酷いのならば、せめて脇役どまりにしてほしかった。

話題を呼んで売り上げをUPさせたいのもわかりますが、

ムービーのクオリティをこの女優一人で

落としていると言っても過言ではないのは、

このゲーム最大の残念ポイントです。

 

 

プレイ時間は29時間。

どこまでやるかでプレイ時間が全く変わってくるタイプです。

一通りストーリーをクリアするのには

上手い人ならば7〜10時間程度で可能なようです。

やり込み要素をやると20〜30時間程度。

下手か上手いかでもがらりと変わります。

サブイベントは総クリア、サブストーリーも全部プレイ、

全リズムゲーム(エンドレスゲーム除く)でAランククリアをしています。

通信関係は未プレイの為、評価しておらず、

サウンドディスクは全部集めていません。

私はリズムゲームが下手なので、プレイ時間は多い目です。

難しくてとてもクリア不可能かもしれないと思った

リズムゲームもいくつかありましたが、

アイテムの力を借りて何とかクリアしました。

 

ストーリーは結構ありがちだったものの、

私自身は結構楽しくプレイできました。

アニメーションも非常に出来が良く、キャラクターも魅力的。

システム画面に少々難、ヒロインの声に非常に難がありますが、

細かいことは気にしないタイプなのなら楽しめるかと。

 

リズムゲームとしてはとても良くできていると思いますが、

声優は本職にしてほしいと実感したゲームでした。




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