さくらさくら

 

 

 

一言レビュー

三角関係が織りなすドタバタコメディ

 

グラフィック 9点
シナリオ 6点
ボリューム 6点
快適さ 7点
満足度  6点
総プレイ時間 20時間
総合評価 68点

 

 

 

高校二年にして麟徳学園に転入することになった稲葉徹は、

ホテルの様な学生寮の隣に建つ、

昭和臭漂うボロイ学生寮「月見荘」に向かっていた。

寮生の布施直樹と新田晶に

強引に弱小運動部へ勧誘されそうになっていたところ、

空から天使が降ってきた。

 

幼く可愛らしい容姿を持つ寮母兼徹の担任になった桜菜々子が

寮の二階から落ちるのを咄嗟に抱き留めた徹は、菜々子に一目ぼれする。

翌日、隣の席へ座ったクールビューティーな

美術部副部長、桐島さくらにも一目ぼれした徹は、

憧れていた文芸部である美術部へ入部届を提出していた。

麟徳学園の美術部は非常にレベルが高く、

入部するのには複数の入部試験に受からなければならない。

どうしても美術部へ入りたいという徹の熱意に絆された桐島さくらは、

絶対にあなたを入部させてみせると約束するのだった。

 

という、転入早々二人のさくらに一目ぼれしてしまった稲葉徹の、

三角関係の織り成すドタバタコメディです。

二人のさくらに挟まれて、揺れ動く優準不断な徹は、

はたしてどちらのさくらに告白するのか。

そして二人のさくらによる徹の取り合いが幕を開けます。

 

 

一部と三部は徹編、二部は直樹編となっております。

かる〜く、ゆる〜く進んでいくわけですが、

大きな波もあまりなく、最後にちょっと盛りあがって

終了してしまうので正直肩透かしでした。

また、圧倒的に心理描写が足りませんし、人物の掘り下げも物足りません。

キャラクター達はそこそこ魅力的なのですが、

二人のさくらが何故徹のことが好きになったのか

というのがほとんど語られないため、

随所で首を傾げることになります。

 

勢いで走り切ってしまいたかったのでしょうが、

その勢いも足りませんし、作品としてのボリュームもなく、

あっという間に終わってしまいます。

人物の描写が薄く、展開自体も強引で、

しかも簡単にどうなるか想像がついてしまうために

先が気にならず、始終物足りない感でいっぱいでした。

 

 

 

システムはちょっと風変わりですね。

各ボタンの設定をこちらで好きなように割り振ることが可能です。

一通りアドベンチャーに必要なシステムは揃っており、

履歴からのジャンプも可能なのは良いのですが、

タッチには全くと言っていいほど対応していません。

セーブがどのシーンか大きく表示されるので、見やすいですね。

 

また、ゲームプレイ中3〜4回突然止まってしまい、反応しなくなってしまい、

ソフトを強制終了させたことがありました。

再現性はないようですが、ちょっと止まることが多いのが気になります。

 

 

 

グラフィックは綺麗系の絵柄。

さほど癖もなく、比較的万人向けだと思います。

古い作品ですが、今から見ても古臭さを感じないのは凄いですね。

立ち絵のクオリティも良く、

立ち絵はもちろんの事、CGまで瞬きや口パクするのは素晴らしい。

塗はややシンプルですが、特に気にならない程度です。

 

CGの枚数は差分抜きで57枚。

ちびキャラのカットインはCGモードに載っていません。

差分もたっぷりとあり、差分の無いCGのほうが珍しく、

作品のボリューム自体が少ないのも相まって実際の枚数よりもかなり多めに感じます。

CGでは主人公の顔をほぼのっぺらぼうにしていますが、

徹編ではで直樹が、直樹編では徹の顔がきっちり表示されますので、

描いたほうが絵のクオリティが上がったと思います。

CGによってはクオリティの差を感じる物がちらほらあるのが少し気になります。

塗は立ち絵とさほど変わりありません。

 

 

 

プレイ時間は約20時間。

時間が表示されないタイプですので、約の時間です。

プラチナトロフィーを取得しています。

 

三角関係のドタバタ劇ですが、随所に物足りなさを感じます。

人物の掘り下げも、エピソード数も、心理描写も圧倒的に足りなさを感じてしまいます。

展開もあまり広がることはなく、

ちょっと盛りあがったかと思うとすぐ終わってしまいますし、

シナリオも安易なので先が気にならないのは非常に残念ですね。

唯一褒められるのは目パチ口パクする絵ぐらいでしょうか。




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