セイクリッドブレイズ

 

一言感想

やり込み度の高いSRPGとして無難な仕上がり

 

グラフィック 7点
シナリオ 7点
ボリューム 9点
システム 8点
快適さ 7点
満足度 9点
総プレイ時間 129時間
総合評価 80点

 

 

今は亡きフライトプランのオリジナルタイトルのSRPGです。

魔物と闇に覆い尽くされんとする世界を救うため、

神の輝蹟に触れて聖痕を宿した勇者は

世界に散らばって封印されている神の力を解き放つために旅立ちます。

プレイヤーは世界を救う神として勇者を手助けすることになります。

 

ルートは二つあり、男主人公ロウルートのアレクシード、

女主人公カオスルートのキヨラの2人をまず初めに選ぶタイプ。

主人公によって仲間になるキャラクターががらりと変わり、

神の力を解き放つ旅をするという大筋は同じなものの、

一応ストーリーも別となっており、2週楽しめるようになっています。

ロウルートは最もオーソドックスでバランスが良く、

まさに英雄譚という感じの仕上がり。

カオスルートはやや殺伐としており、

100年前の、神が力を失って眠りにつくことになった戦いを

補完するというストーリー。

ストーリーについては特に言うことはありませんね。

世界救済の旅として、ごく無難に出来ていると思います。

 

 

 

グラフィックですが、会話部分は立ち絵の表示される2Dタイプ。

戦闘はちびキャラクターの3Dユニットを採用しています。

立ち絵はどのキャラクターも非常に魅力的であり、

絵師の魅力が十二分に生かされています。

 

シナリオ中に表示されるCGは複数の絵師を採用しており、

絵師によって絵のクオリティや雰囲気がバラバラになっています。

この辺はできればメインキャラクターをデザインされた方が

全部描いてほしかったなと思うものの、

作風の違った絵が沢山あるのは物珍しくもあります。

 

戦闘で採用されている3Dキャラクターですが、

各キャラクターの特徴は掴んでいるものの、正直あまり出来は良くありません。

ですがこの3Dキャラクターによって生かされているのが、

ヘッドドレスと武器によって外見が変わるという趣向です。

ヘッドドレスは主に頭部につけるものなのですが、

付ける装備によって髪型や雰囲気が変わり、

ドレスアップできて面白かったですね。

気分によって付け替えられますし、

システム部分で説明する機能を使うと別のヘッドドレスの効果を持ちつつも

気に入った外見のヘッドドレスへ変更可能というのも良かったと思います。

 

 

このゲームの戦闘ですが、基本的な部分はサモンナイトと同じタイプ。

サモンナイトはターン制でしたが、こちらはウエイト制を採用しており、

スピードの速いユニットの順番で敵味方入り乱れて

ターンが回ってくるようになっています。

不満点は戦闘モーションや魔法のモーションが

半分ぐらいしかスキップできないことと、

ユニットの移動速度がとても遅いのですが、

ユニットの移動速度を上げるには

丸ボタンを押しっぱなしにしなければならないという二点です。

高速移動・モーションキャンセルというシステムを付けてほしかった。

不満があるのはこの二点ぐらいで、特に言うべきことはありませんが、

戦闘中に頻繁に起きるこの不満は地味につらく、

この2点のせいで戦闘時間が長引き、

ストレスを感じたのは確かです。

 

後は神と勇者という部分を利用して、

パラメーターを底上げし、聖痕必殺技を使用可能とする聖痕解放、

キャラクターのHPを回復したり、強引にターンに割り込んだりといった、

戦闘を手助けする神の輝蹟と祝福というシステムが

ちょっと変わっているぐらいです。

 

戦闘でのやりこみ要素である、

宣誓(一人も戦闘不能にさせない、ボスを自分が倒すなど)と、

マップに散らばるアイテムの収集、

ある特殊条件を満たした場合のみ進めるエクストラマップ等があり、

プレイヤーによってどこまで極めるか変わってくる

システムも結構面白かったですね。

 

 

さて、他のシステムですが、このゲームの特徴であるサーバントというシステム。

マスター(メインキャラクター)達によって

雇うことのできるサーバントが決まっており、

最大同じタイプのサーバントを7人雇うことができます。

戦闘の初めごろはマスターたちがなかなか集まらないので

彼らが戦闘に参加してくれるというのは便利だったものの、

マスターが揃ってくると聖痕を解放できない彼らは

メインユニットから落とされて

二軍落ちしてしまうのがちょっともったいなかったですね。

何しろ最大出撃数が7人、マスターユニットが7人となっておりますので、

マスターが全員そろってしまうとサーバントを出す余裕や隙間がありません。

サーバントが出撃するとマスターの能力が底上げされるというシステムは

なかなか良かったものの、サーバントを出撃させなくなる

中盤から終盤にかけてはそのシステムが生かされていなかったのは残念です。

 

イベントと称される、マスターや民の報告や祈願、

要するにお願いを聞き入れると、聞き入れた国やキャラクターの信仰心が上がります。

信仰心が上がると神のフォースの最大値が上がり、

前述の輝蹟と祝福を使うのにこのフォースが必要になるのですが、

信仰を上げるにはお願いを聞く必要があり、

そのお願いをかなえるにはまずフォースを消費しなければならず、

あまり祈願を聞きすぎるとフォースが少なくなり、

戦闘中で輝蹟と祝福を使えなくなってしまいます。

ですがこのフォースの最大値を増やすには

フォースを消費してお願いを聞き入れなければならないと、

二律背反のジレンマに悩まされてしまいます。

この、戦闘中以外の祈願の消費フォースを

もうちょっと押さえてくれたらよかったと思います。

 

 

ヘッドドレスの合成ですが、結構シンプル。

ヘッドドレスは共通装備もあるにはあるのですが、

ほとんどが特定のキャラクター専用となっており、

他のキャラクターが装備しているものの効果を

このキャラクターのヘッドドレスにつけたいという時に役立ちます。

外見をそのままにして、他のヘッドドレスを掛け合わせ、

外見を維持したままで他のヘッドドレスの効果を

引き継がせることができるのがこのシステム。

合成するには販売されていない、

マジカルハンマーを一つ消耗する必要があって頻繁に合成できないものの、

終盤になって強いヘッドドレスが入手できるようになると非常に役立ちます。

1週目ではこのシステムの魅力がよく分からなかったのですが、

2週目でとても助かりました。

このシステムはアイテムが揃うとその真価が発揮されますね。

 

 

基本的なシステムですが、ローディング等問題ありません。

読み込みは早く、快適に作られていると思います。

セーブ時にラベルカラーを複数変えられるというのは

他のセーブポイントと区別できて良かったですね。

思いつく不満点は特にないと思います。

 

 

 

プレイ時間は、1週目はロウルートプレイ、

可能な限りマスターの宣誓をクリアし、

プレイしたマップはほとんどコンプリートクリア、

ノーマルエンドで66時間。

2週目は消費アイテム、ヘッドドレス等を引き継いで、

全マップ、おまけバトルまでプレイし、

可能な限りマスターの宣誓をクリアし、

マスターのレベルを最大にして、ベストエンドで63時間。

 

戦闘中のモーションや移動速度でやや難があるものの、

シミュレーションパートでの完成度は高く、

プレイする人でプレイ時間が大幅に変わるというやり込み度もあり、

全方向に隙がなく、無難な仕上り。

しかもそのやり込み度も莫大な時間(数百時間とか)がかかるとか、

難易度が高いとかではなく、ちょっと頑張れば達成できるという

絶妙な調整がされているのが心憎いですね。

ただ、ストーリーに関しては過度な期待は禁物です。

オーソドックスなSRPGを遊びたい、

やり込み度のあるタイプ大好きというのならばお勧めです。




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