英雄伝説 閃の軌跡

 

一言感想

丁寧に描いたゆえの前編

 

グラフィック 6点
シナリオ 9点
ボリューム 10点
システム 8点
快適さ 7点
満足度 9点
総プレイ時間 134時間
総合評価 83点

 

 

碧の軌跡とほぼ同年代の、舞台はエレボニア帝国での物語です。

今回は2年の学園生活を送る学生ということになります。

トールズ士官学院で今年から新たに設立された特科クラスは、

貴族と平民という厳密な身分格差のある帝国ではとても珍しく、

貴族と平民が同じクラスに所属しており、

他クラスとは違ったカリキュラムが組まれていて、

毎月クラスを半分ずつに分けて帝国中に

数日という期間で2カ所に派遣されることになります。

 

派遣されて任される依頼はまさに遊撃士の仕事。

その合間に、帝国ではびこる身分の格差や、

帝国で問題になっている事態に直面し、

仲間たちと協力して事件を解決していくうちに、

クラスのメンバーとの仲を深めていくことになります。

 

一月一月、とても丁寧に描かれており、

各メンバーが己の立場や思想を超えて、

仲を深めていく様は見事です。

ただし、丁寧に描いている弊害として恐ろしく長くなっており、

今作としましても、これ一作で完結していません。

今までの作品は一応事件のエンドマークが綺麗に付けられているのに対し、

今作ではとんでもないところで終わるために、注意が必要です。

今までは2作目が続編といった感じが強かったのですが、

今回はまさに前編にあたり、後編をプレイしないと終わったことになっていません。

メインキャラクターはもちろんのこと、

NPCのキャラクターの感情や繋がりまでも

丁寧に描くのが良点の会社ですが、

最近はあくまでも続編有りきで作ってしまっているのが気になりますね。

 

 

また、この軌跡シリーズは世界を救うという

命題に必ずなってしまう他RPGとは違い、

規模が小さく、基本的に一国での事件を扱っています。

エレボニア帝国という国一つを舞台としているものの、

自由度は全くなく、行ける所は非常に限られており、

自由に世界を行き来することはできません。

また、前の街へ戻るということはトリスタ以外不可能になっています。

ある一定期間以外は前の街へは行けないようになっておりまして、

世界中を自由に旅するというタイプが好きな方は

今回も要注意ですね。

 

特別実習や休日での生徒会のお手伝いは

前作同様お使い要素の強いものですが、

それらをこなすことにより、世界観や人物に広がりを持たせています。

お使いが単にあれ取ってきて、これ取ってきてということで終わりません。

何故それが必要とされているのかというのにきちんと理由があり、

それがNPCの生活や人との繋がりに生かされているのは素晴らしいですね。

NPCを含めて、キャラクターの魅力という一点を見れば、

他会社に追随を許さないレベルだと思います。

 

そしてもちろん、嫌ならば大体が飛ばすことも可能です。

特定のアイテムなどが手に入ること多数なので漏れなくこなすことを推奨しますが。

今回も集めることのできる本のシリーズですが、

ある一定期間を除けば手に入らないという

意地の悪い仕様が改善されています。

質屋《ミヒュト》で売り物として一定確率で並ぶので、

取り逃しても買いはぐれるということがないのは評価したいです。

 

 

 

戦闘システム自体はとてもシンプルです。

ですが、昨今の複雑なシステムのRPGに慣れるのに苦労している身としては、

シンプルなのにきちんと考えられており、

飽きのこない戦闘システムを構築していると思います。

 

基本は今までのシリーズと同じ、敵味方スピードの速い順にターンが回ってきて、

ATボーナスがつくというタイプなのですが、

今作で追加されたのが戦術リンクというシステムです。

リンクはペアで組むのですが、クリティカルになる攻撃には

パートナーが追撃を行うことができます。

また、二人のリンクレベル、いわゆる精神的な絆のレベルが上がると、

ペア間で攻撃や回復をしてくれるリンクアビリティの数が増えていきます。

これが、今作は絆を大事にしている現れですね。

つながりの大切さが如実に表れているシステムだと思います。

また、このリンクシステムの為にテンポ良く

戦闘を続けていけるのも評価したいです。

シンプルなのに味があるシステムだと思います。

 

 

 

グラフィックはPS3としては他のゲームよりかなり見劣りします。

背景はもちろんのこと、人物のグラフィックがPS2レベルです。

中にはPS2のゲームの方が美しいものもあるぐらいで、

特に背景や建物、車や戦車などの建築物らがかなり玩具っぽく、

すごい設備、とても美しい自然と言われても首を傾げます。

 

反対に2Dは素晴らしく、時折1枚絵が表示されるのですが、

とても魅力にあふれていると思います。

Sクラフトやラッシュ時に表示される2Dはとても魅力的ですね。

作品中でもっと多用してほしかったと思います。

それに対して大変見劣りするのが人物のグラフィックです。

戦闘中は動きがリアルということでこれでもいいかと思うのですが、

アドベンチャーパートでもこの出来の悪いポリゴンで

進行されているのは非常に残念です。

 

 

 

システムはそこそこなのですが、いくつか気になる部分があります。

まず、アイテムの連続使用が出来ない事。

一度アイテムを使用すると元の画面に戻されてしまいます。

アーツやクラフトの動作をキャンセルできるのですが、

毎回キャンセルするのにボタンを押さなければいけない事。

頻繁にアーツやクラフトを使用するので、とても面倒でした。

また、ラッシュはキャンセルできないのも気になります。

システム設定で自動キャンセルに設定できればと何度も思いました。

 

イベント中は×ボタンで高速進行が可能なのですが、

高速進行中に幾度が止まったことがあり、

ボス戦後は止まらないかとハラハラさせられました。

出来ればイベントを丸ごとスキップできるシステムが欲しかったですね。

ローディングの時間はさほどないのですが、

細目にローディングが入るのがやや難です。

気になる点はそのぐらいでしょうか。

 

イベント進行は次にどこへ行けばいいか表示されるのは良かったですね。

また、マップ移動がとても快適で、

一気に別施設へ飛べるのは便利でした。

 

 

プレイ時間は、ノーマルでクエストをフルコンプリートし、

評価はオールSで1週目が96時間。

2週目はイージーでアイテムと絆イベント全部見られるという引継ぎをし、

イベントはほとんどスキップ、絆イベントをコンプし、

評価はオールSで38時間、合計134時間でした。

すべての要素をクリアせず、ストーリーを最短で

追ったとしても50時間ぐらいはかかるでしょうか。

私のようにオールSを狙うと100時間前後かかってしまいます。

イベントが多く魅力的で、

それをこなしているとどんどんボリュームが増えていきますね。

 

とても丁寧に作られている作品です。

人との繋がり、絆といったものを細やかに描いているのは

とても評価したいのですが、

いかんせん丁寧に描きすぎていて一作で収めきれていないのは残念です。

 

ストーリーの良いRPGを遊びたいというのなら勧めたいゲームですが、

前編にあたり、とんでもないところで終わっているところは

最大限注意すべきポイントです。

それでも良いというのならば、ボリュームのあるRPGとしては、

最適な作品だと思います。




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