執事が姫を選ぶとき

 

 

一言レビュー

シチュエーションに萌えられなければ駄作

 

グラフィック 7点
シナリオ 5点
ボリューム 6点
快適さ 4点
満足度 5点
総プレイ時間 20時間
総合評価 50点

 

 

 

世界中から集うお嬢様が学ぶ、由緒正しき私立桂ノ宮学園。

そこは一風変わっており、別の執事養成学校で成績優秀だった者のみ

執事特待生として途中編入できるようになっていた。

執事特待生は、お嬢様方の指名により彼女たちに

仕えるという特殊カリキュラムを行っている。

途中編入早々、桂ノ宮学園の5人の薔薇姫

「サンク・ローゼズ」全員に執事に指名された椿尚哉は、

はたしてどのお嬢様に仕えることになるのか…?

 

 

という、超セレブのお嬢様、お姫様が寮生活を行う豪奢な学園の中で、

執事特待生として入り、誰に仕え、誰と友好を深めて、

どのように身分の差を乗り越えていくのか

といった事が焦点になるのですが、

とにかく好きになるのが早すぎます。

数日で好きになり、さらに十数日で愛を誓うようになるという、

とにかくインスタントな展開がどのお嬢様とも繰り広げられます。

 

身分の差を乗り越えるという壁が存在するのですが、

そもそもそういうものがなく、相手方の両親が

ノリノリで婿指名してくることもあり、

またそれ以外のお嬢様方もやや山があるものの、

大概が簡単に片付いてしまうため、

なんともインスタントな感が拭えません。

 

良く言えば安定感のある王道、

口の悪い言い方をすればありがちな展開なので、

一二も二にも、このシチュエーションと

お嬢様方のキャラクターに萌えられなければ

随所にあたって都合よく展開していくのが非常に鼻につく感じです。

良家のお嬢様方との恋と18禁的展開を

楽しむというのが本来の趣旨であるため、

間違っても高度なストーリーを期待してはいけません。

日常会話などは楽しく、どのルートでも

他ヒロインがフェードアウトすることなく

きっちり活躍してくれたので、そこは良かったのですが、

ヒロイン達ともう少し波乱やカタルシスが欲しかったですね。

 

 

 

システムは今時こんなシステムのアドベンチャーが

存在するのかというぐらい酷いシステムが搭載されています。

褒められるのは、オート時光度制御の

システムが搭載されているぐらいですね。

まず、セーブが20までしか出来ません。

クイックセーブは一つのみ。

セーブがどの時か右に場面が大きく表示されるのが唯一の救いです。

文章の履歴は1行ずつしか表示されないうえ、

30までしか遡れません。

履歴からのロードももちろんありません。

システム設定はBGM、効果音、ボイスの音量調整、

システム効果音、メッセージ表示の演出、

メッセージの色分けの、六項目のみです。

 

システムがたった一画面で表示されるのはもちろんの事、

オート時のページ送り速度や文字表示速度調整など、

アドベンチャーにあってしかるべきシステムがありません。

オートモードもシングルアクションでできないのもつらい。

Lボタンを押しつつ○ボタンを押すのも面倒ですし、

オートモード中はオート解除以外のコマンドをほとんど受け付けません。

セーブするのにも、システムを変更するのにも、

選択肢が出ている時以外は、

一旦オートモードを解除しなければなりません。

オートモード時の強制ページ送りも不可です。

タッチはほぼ使用できず、選択肢を選べるぐらいです。

 

 

 

グラフィックは綺麗&可愛い系で

華やかな絵柄なものの、ドレスデザインがどれもこれも残念です。

セレブなお嬢様が集うのですから、

もうちょっと、はっと目を引くドレスデザインをしてほしかった。

モブお嬢様方が三パターンしかいないのも少々手抜きです。

後は、既婚者なのにシスター服を着ていたり、

卒業して理事長になっているのに制服を着ていたり

ブローチのはずなのにペンダントだったりといった

場面にそぐわないCGがどうにも気になります。

色の塗りは特に問題なく、背景も美しく、

セレブなお嬢様方が通うにふさわしいです。

 

CGの枚数は差分抜きで47枚。

ストーリーのボリュームはないだけに、この枚数でも十分ですね。

その分差分が少なめなのが気になります。

表情などの差分がもうちょっと欲しかった。

 

 

 

プレイ時間は約20時間程度。

時間が表示されないタイプで正確な時間が分かりませんので約の時間です。

トロフィーはコンプリートしていますが、

プラチナトロフィーは存在しません。

 

とにかくシチュエーションを気に入り、

お嬢様方の誰か一人でもいいので萌られるかどうかにかかっています。

ストーリーは王道かつインスタントであり、

捻りや感動要素はほぼありません。

システムは昨今のアドベンチャーとしては

最底辺のランクなのも気になります。

どれも標準以下がほとんどなので、とてもお勧めはできません。

お嬢様との恋愛をしてみたいならばといったところでしょうか。

値段分の元は取れないのは覚悟しましょう。




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