スターオーシャン１

First Departure

一言感想

星の海は残念ながら巡らない

SFC版の移植作です。

システムやグラフィックを一新してムービーを追加、

及びメインイベント時フルボイス化を行っています。

生きたまま石化していく正体不明の病を癒す為に、

未開惑星の住人であるラティとミリーは薬草を求め、

メトークス山を目指しますが、

そこに現れたのは見知らぬ服をまとった男女。

病の原因は自分達にも原因があり、

協力する代わりに君達はもうこの世界には戻れなくなるが、

構わないかと問います。

それにうなずいた二人は、彼らが乗ってきた宇宙船で、

病に侵されていた親友のドーンを調べるうちに、

血清を作るには過去のロークへ行かなければならないことが分かり、

４人は過去のロークへ血清を求めて旅立つというのが大まかなストーリー。

さて、実際のストーリーですが、

何ともコメントに困る内容です。

さほど捻りも、感動要素もなく、大きな波もあまりなく、

すらすらと流れていきます。

そして星の海という名にもかかわらず、

様々な惑星を巡る…といった、題名から想像するような

ストーリーには残念ながらなりません。

基本は約３００年前の過去のロークほぼオンリーで進んできます。

現在のロークと、もう一つ惑星があるにはあるのですが、

ローク自身がファンタジー的な未開惑星であり、

過去も未来も変化があまりありません。

もう一つの惑星は文明が発達したところなのですが、

街マップはなく、ダンジョン２つ、回復できる施設が１つのみ、

しかも終盤のラストダンジョンのみのためにあると

言っても過言ではない感じですので、

どちらかというとファンタジー要素の強い作品のため、

過度な期待は禁物です。

本シリーズの特有のプライベートアクションという、

キャラクター達と会話をこなし、好感度を上下させるという

システムがあるのですが、

これが非常に面倒くさい。

本編が進むとプライベートアクションが一気に増えるのですが、

それが今まで行った街のありとあらゆるところで起こります。

ですが、移動は基本徒歩と船。

しかも船の出る港は決まっているので、

延々とプライベートアクションのために本編を止めて、

今まで行った街まで全部戻って

イベントを起こしてまわらなければいけないのがとても面倒です。

しかも、その街で複数のプライベートアクションが起るはずなのに、

一つしか起こらず、他のものを見るためにはもう一度街を出て、

入りなおさなければいけないので大変です。

街と街のマップ移動中ももちろんエンカウントはありますし、

最初頃のマップの弱い敵とのエンカウントは退屈兼面倒です。

原作ならばともかくとして、移植作なのですから、

せめてマップを作って一気に移動できるように設定するなり、

今いる街でイベントが起こるなりの改変をしてほしかった。

イベントとしての魅力は十分に持っているだけに、惜しいシステムでした。

次に戦闘ですが、シンプルを通り越して簡易です。

基本〇ボタン連打なので、何が面白いのかさっぱりわかりません。

必殺技もありますが、二つしか設定できないため、

○ボタンを連打しつつ時折必殺技を繰り出すぐらいしか

戦闘中にやることがなく、退屈です。

スキルというパラメータＵＰやカスタマイズ要素のある

システムはそこそこいいのですが、

スキルと密接な関わりのある

アイテムクリエーションが多岐にわたりすぎていて

何をどうしていいのよくわかりません。

究極の話、アイテムクリエーションはノータッチでもクリア可能であり、

殆どのアイテムクリエーションを行わずスルーしました。

もうちょっと何か楽しみや変化が欲しかったと思います。

グラフィックはアニメ調の絵柄です。

少し癖のあるキャラクターもいますが、

概ね受け入れやすいタイプかと思われます。

ムービーやバストアップグラフィック、

そして自然を生かした背景も綺麗ですが、

街マップで極端にキャラクターが小さくなることがあり、

見にくかったのが唯一のマイナスポイントでしょうか。

プレイ時間は、出来るだけプライベートアクションを起こして２８時間。

プライベートアクションをほとんど起こさず、

純粋にストーリーを追っていくのならば、

２０時間ぐらいで終わるかと思います。

ＲＰＧとしてはややボリューム不足ですね。

スターオーシャンの一作目、しかもリメイクということで

かなり期待したのですが、内容はちょっと残念な出来でした。

ストーリーは変えられなかったとしても、

もうちょっとシステム的に快適さを追求してほしかった。

パーティキャラクターがかなり多く、

こちらでそのメンバーを選べ、

新密度によりエンディング変化いうシステムは良かったものの、

２週目の引継ぎもなく、

全方位で面倒なシステムのゲームというのも珍しい。

昨今の快適なシステムのゲームに慣れた身としては、辛いゲームでした。

ＰＳＰのゲームとして過度の期待は禁物です。