スターオーシャン

Till the End of time DIRECTOR’S CUT

 

一言感想

ストーリーはある意味反則技

 

グラフィック 9点
シナリオ 6点
ボリューム 8点
システム 7点
快適さ 5点
満足度 7点
総プレイ時間 77時間
総合評価 69点

 

 

一応現在より800年以上先の未来のお話であり、

2作目よりも約400年先の未来、

星々を自由に旅する科学力を持つ時代のお話です。

星の海というタイトル名ですが、

1作、2作目よりはマシなものの、

色々な惑星を旅するというわけではなく、

ファンタジー色の強い世界であり、

科学力とはあまり縁のない、エリクール2号星をメインに、

ほぼ徒歩でその星の一つの大陸を旅することになりますので、

強いSF要素を期待し、様々な惑星を廻るのを想像していると、

拍子抜けしますのでその辺は要注意です。

SF要素はあくまでもスパイスや設定程度で、

発展した科学力の世界を生きる少年が未開惑星に不時着し、

利用されるために引っ張りまわされるストーリーだと

思ってプレイする方が無難です。

 

また、ストーリーはネタバレの為詳しいことは避けますが、

ゲームのストーリー上ある意味禁じ手であり、

最大の禁忌ともいうべき設定を盛り込んでおり、

世界の謎を知らされた途端、はっと夢から覚めたかのような、

冷水を一気に浴びせられたような気持になります。

このあたりがこの時代の後の続編を作るのが難しい、

ストーリーは賛否分かれると言われる所以なのですが、

その辺りも留意し、何が飛び出てきても許せる広い度量が必要です。

ストーリー自体、悪くはないのですが、

評価するのになんとも困る内容ともいえます。

シリーズ物でなく、これ単品の作品でしたら、

これはこれでありだったのではないかと思うのですが、

シリーズ物ではこれはやってはいけなかったような気がします。

 

さて、本シリーズの特有のプライベートアクションという、

キャラクター達と会話をこなし、好感度を上下させるという

システムがあるのですが、これが攻略本必須です。

街に散らばっている仲間たちと会話するだけで上下するという、

ものすごく何気なく起こるプライベートアクションが多数あり、

狙い通りの人物とのパートナーエンディングを迎えたいのなら、

攻略本が絶対に必要になっています。

ほとんどは会話をしても全く上下しないというのが悩ましい所です。

要するに、プレイヤーにはこれがプライベートアクションかどうか

区別のつかないものが大量にあるのです。

ある特定の街である特定の期間のみ起こるという

ピンポイントでしか起こらないイベントも大量にあり、

そのイベントに直接関係のないキャラクターの感情値も上がり下がりが激しく、

攻略本があっても綿密な計画を練る必要があります。

もう少しわかりやすいイベントの起こし方はなかったのでしょうか。

 

 

 

次に戦闘ですが、大分複雑になりましたね。

大攻撃と小攻撃があり、小攻撃は隙が少なく素早く繰り出せるのですが、

Guts値が100%の時に小攻撃を受けるとプロテクトが発生し、

カウンター攻撃を受け、そのキャラクターのGuts値が50%に減少してしまいます。

大攻撃はGuts値が100%の場合プロテクトを破壊し、

相手キャラクターのGuts値を50%に削れるのですが、

その代わり隙が大きく、攻撃モーション中、

敵キャラクターに簡単に攻撃を受けてしまいます。

 

また、どのような動作をしてもGuts値が必要で、

いわゆる必殺技であるバトルスキルを使用するのにも必要になっています。

バトルスキルはHPやMPも使って繰り出す必殺技で、

成長要素があります。

使い込むうちに攻撃力が高くなったり、

攻撃回数が多くなったりするのですが、

このゲームの最大の難点が戦闘のゲームバランスの悪さで

あまり戦闘が楽しめません。

 

自キャラクターのHPが14,000ぐらいで、

敵キャラクターが数千〜10,000ぐらいの攻撃をしてくるのです。

ボスだけでなく、雑魚敵もこのぐらいの攻撃を平気でして来ます。

そして、バトルスキルを使うのにHPが必要なことが多く、

要するに、常にキャラクターのHPを満タンにしている必要性があり、

よっぽどアクションがうまい人以外、

戦闘時は自分が他のキャラクターのHPやMPを満タンに維持し続けている方が

戦闘の生存確率、勝率が上がるのです。

つまり、戦闘はAIに任せ、プレイヤーは回復一辺倒にならざるを得ません。

中盤以降、私はひたすら回復役に徹して、

余裕が出来れば攻撃するという感じでしたので、

あまり戦闘は楽しめませんでした。

もう少しゲームバランスの調整に心を砕いてほしかったかと思います。

戦闘時、アイテムを落とす確率や経験値にボーナスがかかる

ボーナスバトルのシステムは結構面白かったのですが。

 

 

このシリーズのアイテムクリエイションですが、

これが物凄い金食い虫で、出来るようになったばかりの時に

何かアイテムを作ろうとするのは無謀です。

終盤になると戦闘で大量に金銭を取得できるようになるのですが、

それまではあまりその恩恵を受けることはできません。

料理、錬金、細工、調合、鍛冶、執筆、機械、合成と多岐にわたり、

プレイヤーが参加するのはもちろんのこと、それ以外のクリエイターもおり、

そのクリエイターと契約をして一緒にアイテムを作ることもできるのですが、

実際の話、アイテムクリエイションを行わなくともクリアは可能です。

また、自動的に参加するクリエイターが契約をしていようがいまいが

勝手にアイテムを作ってくれるため、

作ってくれるのを待つという手もあります。

また、狙ったアイテムを作るのは非常に困難です。

攻略本・攻略サイト必須であり、攻略本があっても

狙って作るのはちょっと難しいです。

この辺が熱心にアイテムクリエイションを

行おうという気がしない所以ですね。

もうちょっと洗練し、プレイヤーに楽しめるシステムにしてほしかった。

 

 

 

グラフィックは少し癖のある、

柔らかな色調のちょっと可愛らしい絵柄です。

ただメインはポリゴンで進行しますので、

あまり問題はないかと思われます。

ポリゴンのキャラクターは今から見るとかなり見劣りするものの、

等身が低めのちょっとデフォルメされたリアルテイストですね。

一部キャラクターは違和感を覚えるアニメ調なものの、

当時ではかなり頑張っているモデルだったので、

そこはかなり甘めにつけています。

背景やムービー時のグラフィックは華やかで美しく、繊細です。

こちらは全く問題なく、今でも十分見栄えのするものだと思います。

 

 

プレイ時間は、出来るだけプライベートアクションを起こして77時間。

パーティメンバーにしたキャラクターとの

パートナーエンディングを全員分見ています。

途中で面白いぐらいレベルが上がるポイントがあり、

レベル上げが楽しくなって20時間ぐらい使ってしまったので、

普通にプレイする分は40〜60時間程度かと思われます。

 

アクションRPGで自分が戦闘に参加すると面白かったと思うのですが、

戦闘バランスのせいで中盤以降回復役に徹せざるを得なかったのが残念であり、

また、ある意味禁忌を盛り込んだストーリーは賛否が分かれます。

楽しめたのは楽しめたのですが、なんとも勧めにくいゲームですね。

悪いポイントも承知しながらプレイするのなら良いゲームかと思うのですが、

過大な期待は禁物です。

シリーズ独特の魅力は十分にあるのですが、

残念なところが結構あります。




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