サモンナイト ツインエイジ

〜精霊たちの共鳴〜

 

一言レビュー

エクステーゼの簡易進化版

 

 

グラフィック 8点
シナリオ 7点
ボリューム 7点
システム 8点
快適さ 9点
満足度 8点
総プレイ時間 20時間
総合評価 78点

 

 

召喚獣、召喚使という独特の世界観を継承した、

ナンバリングタイトル「サモンナイト」の世界を異にした外伝的タイトルです。

7年前にあった召喚事故を軸に進んでいくのですが、

ストーリーはさほど捻りもなく、

これといった盛り上がりがないのがちょっと残念です。

ふんわりとした雰囲気のストーリーで、

プレイしていてのんびり先が気になるのは確かです。

殺伐としたところがなくはないのですが、

それを人の良いキャラクター達が打ち消してくれており、

ちょっとした時間に遊ぶにはちょうどいいゲームですね。

 

ただ、生存を隠されていた主人公二人が

こんなに簡単にふらふら出歩いていいのかとか、

エンディングのものすごく都合の良い終わり方とかには

首をひねるところがあります。

召喚獣の扱いは酷く、物以下の扱いだったのに

あっさりと受け入れられたりしているところは、

人と召喚獣、亜人の差別を前面に押し出している分不自然に感じました。

そして主人公二人が何か秘められたものがありそうな演出なのに、

終わってみれば取り立てて何もなかったところがちょっと残念ですね。

過剰な期待を持たなければ、楽しめるストーリーだと思います。

ただし、サモンナイト特有の世界観の狭さというのがあります。

基本的に一国の出来事であり、世界を旅するというタイプではありません。

 

サモンナイト特有の夜会話はこちらでも健在。

ただ毎話ではないのでちょっと少なく感じます。

夜会話はサポートランクを上げるのと、会話を楽しむという意味合いで、

夜会話は19話以外、キャラクターとマルチエンディングを見るために

必須ではないようです。

ただ、サポートランクを上げるとそのキャラクターの戦闘中での動きや、

使えるアイテムが増えるようになっているので、

いろんなキャラクターをダンジョンごとに使い分ける方は

まんべんなく話をしておいた方がいいかもしれません。

 

 

次に戦闘システムですが、アクションRPG

二人の主人公を切り替えることのできる、

エクステーゼに近いシステムになっています。

ただ、エクステーゼでは二人のキャラクターを

くるくる切り替えていくのが必須になっていましたが、

こちらは好きな方を使い続けていればよく、

二人を切り替えることも可能であるというスタンスのようです。

 

戦闘やマップ移動は基本的にタッチペンオンリーなのですが、

これがとても良くできており快適です。

タッチするところまで自動で動いてくれますし、

スライドさせてタッチペンを動かせばその軌跡の通りに動き、

オートランというタッチし続けていなくても

自動的にその方向へ動いてくれるシステムもあり、

DSの操作しにくい十字キーを使わなくても

思い通りに動いてくれるのは良かったですね。

ただ、オートランの操作方法がわかりにくかったのがちょっと気になりました。

いまだにどうやればオートランになるのかというのがよく分かりません。

 

さて、実際の戦闘なのですが、敵をタッチすれば

倒すまで自動で攻撃を続けてくれます。

スキルを使う場合は両横に一列ずつ並ぶパネルに

スキルをあらかじめセットしておき、

スキルをタッチして敵や場所を指定すると

そのスキルを自動で使用してくれます。

スキルの連続使用をしたい場合は十字キーかボタンを押しながら

スキルのパネルをタッチすればそのスキルが固定され、

いちいち攻撃するごとにパネルをタッチしなければならない煩雑さはなく、

こちらも非常に快適ですね。

戦闘システム自体は非常にシンプルなのですが、

このタッチペン操作が良くできているためストレスとは無縁であり、

楽しく、簡単にプレイできました。

ただ簡単なので退屈かと言えばそうではなく、

いきなり大量の敵に取り囲まれたりしますので、

それなりの緊張感を持ってプレイできたのも良かったですね。

 

さて、戦闘中の上パネルですが、マップ表示と、

スキル選択中はスキルの説明になっています。

マップはその場所に移動するまで隠されており、

その場所に行って初めて地図に表示されます。

その為マップの隅々まで行って地図を埋めてみたくなりますね。

二度目に訪れた場合、くまなく動き回っていればマップは全表示、

敵の位置や数・オブジェクトも表示されているので戦闘が有利になると、

このゲームはマップ上にあるオブジェクトを破壊してアイテムを回収するという

意味合いもあるため、アイテム収集にも便利でした。

 

その他のシステムですが、モンスター錬成、

アイテム作成、アイテム合成、ショップクエストがあります。

 

まずモンスター錬成ですが、敵を倒す時に時折落とす

モンスター由来のアイテムと錬成ビンを使って

戦闘中に呼び出せるモンスターを作成できます。

この辺がちょっとサモンナイトらしいでしょうか。

ただ、一度呼び出してしまえば終わりであり、

たくさんの錬成ができなくなっていますし、

敵も錬成モンスターがいないときついというほどではありません。

マップを抜けなければ錬成ができませんのであまり利用価値がなく、

さほど使用しませんでした。

成長要素といったものがあればよかったですね。

 

アイテム作成は戦闘フィールドにあるオブジェクトを破壊した時に出てくるアイテムや、

敵を倒すと落としたりするアイテムを使用し、

ショップで作成します。

これが安価で作成できて、結構便利でした。

アイテムさえそろえば作成可能なのでかなり簡単であり、

面白みというのはないのですが、ショップで高価なアイテムを購入するより

ぐっと安い値段で作成可能なのは良かったですね。

 

アイテム合成は持っているアイテムに特定のアイテムを組み合わせることにより、

そのアイテムに付加価値(属性付加、HP吸収など)をつけていくのですが、

この特定のアイテムというのがあまり手に入らず、

そして武器・防具を一話ごとに買い替えるタイプになっていますので

もったいなくて使用できませんでした。

武器は固定で武器自身が成長するタイプならば

このシステムが生きてきたのでしょうが、

頻繁に買い替えるシステムでは生かせませんでした。

 

最後にショップクエストですが、ほとんどがとあるアイテムを

取ってきてというタイプであり、

今まで所持しているか、次に行くダンジョンで取得可能で、

あまり面白みがありません。

物々交換みたいなシステムでした。

護衛依頼もあるのですが、こちらはほとんどなく、

アイテムもマップのオブジェクトをこまめに壊していれば

勝手に集まっていますのであまり魅力を感じませんでした。

 

 

基本システムは結構良くできています。

ローディングはおおむね短く、特に問題はありません。

基本的なシステムはきっちりと抑えてきています。

前述のとおり移動にも不自由なく、タッチペンオンリーでもかえって快適です。

タッチペンオンリーにして大失敗しているゲームが結構ある中で、

かなり上手に調整してきていると思います。

セーブポイントもこまめにありますし、問題ないと思います。

 

 

グラフィックですが、やや可愛らしいきらいがありますが、

癖もあまりなく、ふんわりとしているおおむね万人向けな絵柄です。

塗も丁寧であり、特に夜会話時の背景が抜群に綺麗です。

DSiLLでプレイしていたのですが背景にシャギー感もなく

とても繊細な塗をしていました。

ちょっと気になったのがリーハのランク11のスキル使用時に

表示される絵とちびキャラです。

シャギー感バリバリであり、これは通常のDSを使用していてもすごかったと思います。

大表示用にキャラクターを描きおろしてほしかったですね。

通常時のちびキャラは可愛らしく、キャラクターの特徴を

とても良くつかんでいると思います。

贅沢をいえば一枚絵のCGをもっと多用して欲しかったというところでしょうか。

 

 

 

プレイ時間は20時間。

一周一エンドしての時間です。

RPGとしてはちょっと物足りませんが、

DSとしては普通のボリュームです。

脇道もほとんどなく、ショップクエストも

時間のかからないものばかりですので、

だいたいの方が20時間前後ぐらいになったと思います。

サモンナイト特有の世界観を使用したストーリーであり、

ものすごく良かったという部分はありませんが、安心して遊べるレベルです。

ただ、エンディングの都合の良い終わり方と世界の狭さは気になりました。

 

サモンナイトシリーズが好きな方ならば楽しめると思います。

RPGとしてはボリュームがやや少なめですが、

DSでのアクションRPGとしての基本システムは良くできており、

手軽にちょっと遊ぶにはいいゲームだと思います。




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