シャイニング フォース フェザー

 

一言感想

ストーリーが短く、システムも改善の余地あり

 

グラフィック 8点
シナリオ 9点
ボリューム 5点
快適さ 8点
満足度 8点
総プレイ時間 30時間
総合評価 73点

 

 

シャイニングシリーズDS版です。

今回はRPGではなく、SRPGとなっています。

キャラクター達は生き生きとしており、非常に魅力的です。

何よりもこの作品の特徴として、会話がとても楽しいことが挙げられます。

とにかくキャラクター達の掛け合いが楽しい。

ただし、延々と会話が続いており、展開はほとんど動いていないのに

時間がいつの間にか過ぎているため、

プレイ時間は長くなっていますが、実際のボリュームはとても小さいです。

普通のRPGが12章だとするならば、このゲームだけでは3章ぐらいだと思います。

要するに4分の1ぐらいのボリュームに感じました。

全てが明らかになっているわけでもありませんし、

おまけに終盤で仲間になるキャラクターは、

何でこのキャラクターはこの場にいるのだろうと首を傾げる者もおり、

とにかくストーリーの丈が圧倒的に足りません。

会話やストーリー、キャラクターが良いだけにこれはとても残念でした。

そのため数名のキャラクターが生かされていません。

 

 

まずシミュレーションパートですが、独自のシステムを採用しています。

これがなかなか面白く、光るものは至る所に感じるのに、

最適化されていないため、完成度は高くありません。

システムはややアクション要素を含むタイプ。

敵に直接攻撃を与える場合、キャラクター下部に表示される

タイミングバーの中心部分でテンポ良く

連続に押していくことにより攻撃力がUPします。

これが結構面白いのですが、

このシミュレーションパートでは

移動以外何をするにもまずフォースというものが必要になっています。

そこで問題となってくるのが、

このフォースは戦闘開始直後に30%しか回復されないところです。

敵の攻撃を受けるときにタイミングよくボタンを押すことで回復も可能ですが、

これはあくまでも少量です。

 

通常攻撃はセットアップスキルというものを使用するのですが、

このセットアップスキルは1攻撃でフォースを15%以上消費します。

この戦闘システムでは70%以上フォースがなければ

攻撃してもあまりダメージを与えられません。

要するに、毎回攻撃していると最高でも2度しか攻撃できないのですが、

前述のとおり連続して攻撃していく毎に攻撃力がUPするため、

毎回攻撃せず、何もしないままターンを送って

フォースをためるという作業が三ターン中二ターンあるようになるわけです。

要するに、三ターン中1ターンしか攻撃が出来ない。

これがとても暇であり、残り二ターンは無駄なターンに感じます。

 

他の攻撃方法に仲間と敵を挟み撃ちにして連続して攻撃する

ユニオン攻撃と、二人以上の複数の仲間で攻撃するコネクト攻撃がありますが、

これも基本は各個人の通常攻撃を使用しており、

まずフォースがある一定以上たまっていないと話になりません。

1ステージで一度だけ使用可能な必殺技フォースMAXスキルも

その名のとおりフォースは100%でなければいけませんし、

いわゆる魔法であるフィールドスキルもフォースが必要と、

とにかく常にフォース貧乏です。

 

プレイしている時間が長い割にはボリューム不足に感じるのは、

アルフィンの衣装を変えるのも、施設を強化するのも、

キャラクターの装備を整えるのも莫大な金銭が必要であり、

常に金欠なのでどうしてもフリーバトルでお金を稼ぐ必要があるのと、

シミュレーションパートが3ターン中2ターンは何もしないか、

移動のみで終わって攻撃が出来ないため、どうしても待ちが多く、

そのためプレイ時間が無駄に長くなりすぎるからです。

システムは面白く、アイデア自体は光るものがあるのに、

もっさり感があって洗練されていません。

 

基本システムはなかなか良い出来。

DSらしくローディングもほとんどなく、特に問題ありません。

そしてDSにしては珍しく、セーブデータが5つあります。

これはなかなか良かったですね。

 

 

グラフィックですが、今回はいとうのいぢ氏とPako氏の二人を採用しています。

どちらの方の描かれたキャラクターも概ね魅力的ですが、

いとうのいぢ氏4名(プラス1)に対して、Pako氏が残り全てと

二人の受け持ちのキャラクター数が圧倒的に違うのがやや気になりますね。

Pako氏はやや癖がありながらも艶っぽい人物や

可愛らしいキャラクター、男らしさも描き分けるという万人向けタイプ。

対していとうのいぢ氏は萌を前面に押し出してくるタイプと、

両者タイプが違うのですが、塗りで統一されており、違和感は余りありません。

 

ちょっと気になったのがCGです。

Pako氏のキャラクターの原画はご本人が手がけられたのか、

立ち絵やイメージイラストと差はまったくなく、

実にうまく仕上がっているのですが、

のいぢ氏のキャラクターのCGは別人が手がけられたのか、

かなり違和感があり、独特の愛らしさがかなり損なわれてしまっています。

立ち絵やアルフィンのドレスアップ時のCGは大変良いだけに、非常に残念ですね。

 

 

プレイ時間は、ブレイクバトルやフリーバトルでかなり金銭を稼ぎ、

仲間との会話であるサブイベントを全て起こして30時間。

ストーリー終了後に開放されるブレイクバトルはしていません。

プレイ時間だけを見るとDSにしてはボリュームがありますが、

実質的に本編は10時間ほどであり、

シミュレーションパートでかなり待ちの時間があるため、

それよりもっと短く感じます。

明らかに本編のボリューム不足です。

ただ、サブバトルであるブレイクバトルは異常なまでに充実しており、

ストーリー終了後にその真価を発揮するため、

ストーリーはどうでも良く、このシミュレーションのシステムが気に入った、

という方ならばとても長く遊べる作品です。

 

システムの眼の付け所は良く、

フォースがたまって攻撃が出来るようになるととたんに面白くなるのですが、

3ターン中2ターンは暇であるというのがとにかく足を引っ張ります。

システムが洗練され、ストーリーがこの3倍ぐらいになると

とても良い作品になると思います。

惜しい作品ですね。


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