少女義経伝

 

一言レビュー

moo氏の魅力を完璧に表現

 

グラフィック 7点
シナリオ 5点
ボリューム 6点
快適さ 8点
満足度 6点
総プレイ時間 35時間
総合評価 65点

 

 

oo氏がキャラクターデザインを手がけているのですが、

氏の絵の魅力を最大限に表現していると思います。

 

原画とゲーム内の絵が違和感のある作品が多い中、

原画とゲーム内のCG ・立ち絵に

全くと言っていいほど差がありません。

完璧に近く、下絵は全部moo氏がやったのではないかと思うほど

良い出来栄えですね。

 

平安末期の時代背景の割には、

女性の髪が短かったり、この時代にはあり得ない髪型だったり、

当時、女性は顔を見せることすら恥ずかしいことでしたのに、

露出度が激しく足が丸見えな衣装だったり、

まず間違いなく無理のある衣装だったりしますが、

それはそれ。

あくまでもイメージということで。

そのあたりは突っ込んではいけません。

 

 

ではどうしてグラフィックの点が7点なのかというと、

 

1.CGの数が少ない

90枚ありません。130枚〜150枚ぐらいは欲しいところです

 

2.立ち絵が少ない

主要キャラでも少ないです。

雑魚敵などは、妖魔2種、雑兵2種しかありません。

なので同じ顔の人がずらりと並びます。いったい幾つ子なのか。

 

3.背景グラフィックが極端に少ない

違う人の部屋でも同じ背景グラフィック。

おまけに違う屋敷でも同じ背景グラフィック。

違う町でも同上。

戦場にいるはずなのに屋敷グラフィックはちょっと…。

 

4.十二単という割には、どう見ても打掛にしか見えない衣装

襟や唐衣、裳や引腰もなく、袴も緋長袴ではなく白なのはどうかと。

十二単というぐらいならば、せめて五衣ぐらいは着せてください!

 

という理由からです。

4つ目は私のこだわりでもあるのですが…。

この4つがなければ、9点をつけているところ。

ただ、moo氏の絵は可愛らしく、癖がありますので、人を選ぶと思います。

 

 

ストーリーは史実を結構忠実になぞっているので、

仕方がないといえば仕方がないのですが、

先の見える展開で、つまらないです。

 

ただ、お約束の名場面が沢山盛り込まれていますので、

ここではこの話が入るはず!

というのがきっちりあり、

歴史好きはニヤリと来るものがあります。

 

義経歴史講座が章と章の間にあるのも良いです。

詳しい部分に踏み込むと、自分で調べてくださいね!

と逃げられてしまいますが、

大体の雰囲気をつかむにはかっていると思います。

 

このゲームならではの話もあるのですが、

ありがちな話のため、盛り上がりに欠けますが、

キャラクターの性格付けがしっかりしているので、

そのあたりは幾分フォローしています。

 

それと、設定自体にかなり無理があると思います。

義経が少女だった、というのはともかく、

義経の側近まで弁慶をおいて全員女性だったというのは、

間違いなく無理があります。

 

ギャルゲーでもあるので、

女性を沢山出さねばならなかった、というのもわかりますが、

男性キャラをもっと出してメリハリをつけて欲しかったです。

 

ギャルゲーではあるが、お話の本筋はどのキャラクターを

パートナーにしても同じなので、

何度もやろうという気が全く起きなくて勿体無いですね。

マルチエンディングに出来ない理由もわかりますが、

もう少し何とかしてほしいかったです。

 

戦闘中にキャライベントというものがあるのですが、

いきなり街中にいたり、のんきな雰囲気があったり、

屋敷にいたりして、かなり不自然でした。

緊迫感がなくなりますし、

戦闘中ではないのか?こんなことしてていいのか?

ということで違和感ばりばりです。

キャライベントと戦闘は切り離したほうが良かったと思います。

 

敵キャラが物凄く少ない、というのも大問題。

雑魚をおけば、ボスキャラが5人しかいません。

ではボス戦はどうするかというと、同じボスが何度も出張り、

倒しても即効逃げるのです。

使い回しもいい加減にしていただきたいです。

 

 

システムは大体及第点。

オートモードとオートスキップ、既読の区別はありませんが、

上記のとおり、何度もやり直すゲームではありませんので、

なくても困らないですね。

最大の魅力であるCG閲覧モードはあるので、それで結構満足です。

 

 

戦闘ですが、最初は目新しさがありますが、

やることは

 

1.領地を広げ、

2.敵を戦闘で倒し

3.敵を生み出す鬼門を破壊する

 

の3つで、どのマップでもやることは変わらず、

難易度もかなり低いため、

戦闘は次の話を進めるための作業になってしまって、

正直あまり面白くなかったです。

おまけに1マップ1マップが時間がかかるのが苦しくって、

途中で飽きてしまいます。

 

戦闘中、参加キャラクターが掛け声をかけるのですが、

同じ掛け声が連続して出ることもあるのは少し興ざめ。

ただ、ボス戦の時の専用ボイスはこのゲームの売りでもある、

豪華な声優陣の魅力を十分に発揮していたと思います。

なかなか聞いていて楽しかったですね。

 

 

着眼点は悪くはないと思うのですが、

ゲームとしてはもうちょっとがんばって欲しいレベル。

もともとの定価がほかのソフトより安めなので

ある程度は妥協すべきだとは思うのですが、

ツメが甘いというか、使い回しが多いというか…。

続編の「少女義経伝 弐」でどれぐらい進歩があるか、興味があります



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