ティンクル☆くるせいだーす GOGO

 

豪華版

 

一言レビュー

ボリュームありすぎなショートエピソード集

 

グラフィック 5点
シナリオ 5点
ボリューム 10点
快適さ 9点
満足度 5点
総プレイ時間 103時間
総合評価 64点

 

 

ある特定の時期になると流星が多量に見られる町、流星町。

そこに住む咲良シンは両親が海外赴任中で、

またその両親がお人よしで損ばっかりしている為に生活費を送ってもらえず、

万年貧乏だが、学年主席を独走という持ち前の成績の良さで

流星学園に授業料免除の特待生として迎えられ、

己のアルバイトのみで生活を繋ぐ勤労学生。

 

きらきらの学園生活を過ごすべく、

生徒会長になると色々な特典があるらしいという噂を鵜呑みにし、

全バイトを辞めて生徒会長に立候補し、あっさりと当選。

しかし、シンが想像していたようなものではないが、

思いもしない特典がついていた。

 

ある日、前生徒会長の九浄リアに、

この町の平和を乱す魔族退治に協力してほしいと

天使の力を宿すロザリオを手渡された生徒会メンバーは、

「流星くるせいだーす」として魔族を退治することになった。

 

そしてその出来事からほど近いある夜。

父親から喋るパンダのぬいぐるみ、実は使い魔、

自称大賢者パッキーがシンの下へと送られてきて、

驚きの手紙を渡された。

 

「今日からお前が魔王だ。使い魔を送ったから後はよろしく也候。 父より」

 

なんと父親は前魔王であり、魔王の座を

問答無用でシンに引き継がせるとのこと。

魔王専属の使い魔、パッキーをバトン代わりに送られて、

なし崩し的に魔王の座を継ぐことになった。

魔族を退治する流星くるせいだーすと魔王という

二足のわらじを履くことになったのだが、

そもそもくるせいだーすと相反する魔王だという正体を

みんなに名乗れるはずもなく、

そのことは秘密にし、生徒会活動と

魔族退治をすることになった、という、

いわゆるドタバタコメディーです。

 

最終的に世界の危機に直面することになるのですが、

お話自体はシリアスでも深刻でもなく、

かる〜いノリで進んでいきます。

どのキャラクターも皆思い悩むことは少なく、和やかで明るいですね。

 

シナリオは一日一日マップに表示されたキャラクターアイコンを選び、

そのキャラクターのショートエピソードを読むことになります。

そして選んだキャラクターの好感度が上昇し、

結果ヒロインルートに進むというタイプ。

日付がスキップすることはほとんどなく、

ストーリーが連続していないショートエピソードを

一日ずつ読むことになるのですが、

このショートエピソードが膨大です。

 

前記のとおり日付をスキップすることが少なく、

10月初めから12月24日ごろまで、

各ヒロインルート約80のショートエピソードを読むことになるので、

とにかく各ルートびっくりするぐらいに長く、

またストーリーが連続していないので

だらだらと日常のストーリーを読むことになり、

非常にテンポの悪い長丁場の作品です。

起承転結がほぼなく、山場が終盤にちょっとあるぐらいなので、

三分の二を占める長すぎる日常エピソードが退屈であり、

終盤はどの正規ヒロインも似たような展開に飽きてしまいます。

 

また、正規ヒロインのだれでもいいのでクリアしてしまうと、

ナナカとマカロン以外全員のヒロインの謎から

ボスの謎まで、あらかた開示されてしまうため、

どのヒロインも目新しさはありません。

驚きや、このヒロインでのみ明かされる真実ということはほとんどなく、

顛末や各人物の思惑が2週目以降は解っている分どのストーリーも

出来栄えはあまり変わりありません。

どれか気に入ったヒロイン

1〜2人をクリアするのならいいのかもしれませんが、

全ヒロイン、全エンディング制覇するとなると

延々と続く日常のショートエピソードと

マンネリの終盤のストーリーに飽きてくるため、

とんでもない気力が必要とされてしまいます。

3人目からはだんだんと苦痛になってきてしまいました。

 

 

 

システムは基本をきっちりと押さえた万能タイプ。

文字の表示スピード、オートプレイの待ち時間が

物凄く細かに設定でき、快適です。

その他のシステムも実に細かく設定でき、

アドベンチャーならば欲しいというシステムのほとんどが盛り込まれています。

クイックロード、クイックセーブがなく、

履歴からのロードができないのがちょっと残念でしょうか。

メモリインストール有りなのですが、

何故か読み込めないことが大量にあったのがマイナスポイントです。

後問題なのがセーブです。

ゲーム内での日付、プレイ日時、表題のみしか表示されず、

どのセーブが何なのかさっぱりわかりません。

ここが最大のマイナスポイントぐらいで、

後はかゆいところに手の届くシステムだと思います。

 

 

アクションパートなのですが、

各人物攻撃、詠唱、ユニゾンの3コマンドが選べます。

それぞれ必殺技を持っており、詠唱で必殺技が強化ないしは変化、

ユニゾンはほかのキャラクターが攻撃可能になるまで待機し、

協力攻撃を行うというタイプ。

各キャラクターに特性があり、ノックバックや必殺技といった

特色が出ていてアドベンチャーとは思えない出来ですね。

ですが初心者には結構厳しい難易度であり、

こういうタイプが苦手な人はイージーにすることも可能で、

バトルの雰囲気を味わいつつ

アドベンチャーパートをサクサク進めることも可能、

一度こなした戦闘はスキップ可能と

苦手な人も、得意な人にも配慮しつつ、

楽しめるようにできているのは非常に良かったと思います。

 

 

 

グラフィックは非常に可愛らしく、目の大きないわゆる萌絵です。

あまりにも可愛らしすぎて、ちょっと人を選ぶでしょうか。

絵の塗は綺麗でふんわりとしたグラデーションで、

絵柄にあっていて美しいです。

立ち絵とCGとの面立ち、特に眼元が違っており、

CGと立ち絵で違和感があります。

立ち絵も衣装バリエーションは3つ、

ポーズバリエーションは基本一人一つでずっと同じポーズです。

変身するときのみもう一ポーズになるのですが、

変身中はそのポーズオンリーと、とにかく絵に関しては

随所に残念なポイントが見受けられます。

どうも情熱を注ぐポイントを間違えているとしか思われません。

 

CGの枚数は差分抜きで109枚。

差分はまずますの枚数ですね。

一見多く思えるのですが、戦闘でのボス絵や

必殺技でのCG(どの戦闘も使いまわし)も枚数に入れられており、

戦闘や変身シーンでのCGは55枚、

実質アドベンチャーパートでのCGは54枚という驚異的な少なさであり、

どのヒロインもヒロインルートで開示されるCGは

5〜9枚、平均6枚と、その膨大なシナリオに相反して信じられないぐらい少ないです。

ここに是非CGが欲しいという場面が爆発的に多く、

ほとんどが立ち絵のみで進んでしまうのが非常に残念です。

サブヒロインルートともなると、

CGが一枚もないサブヒロインがほとんどであり、

とにかくそのボリュームに反してCGはとんでもなく少なくなっています。

 

 

 

プレイ時間は103時間。

おまけのディスクSTARLIT BRAVE!!が3時間ほど。

どのヒロインも代わり映えのないストーリーに

3人目以降は心が折れそうになりました。

サブヒロインたるや、労力に見合わない終わり方であり、

どのヒロインもストーリーは長く、

日常のショートエピソード集がずるずると続き、

これといった山場もほとんどない平坦なストーリーは退屈でした。

 

どのヒロインルートもそのルート特有の

目新しい謎や秘密はナナカ以外ほとんどなし、

終盤の展開はほぼ共通と、

とにかく全ヒロイン制覇はやめた方がいいと思います。

どれか気に入ったヒロイン1〜2人で終わりにすることを推奨します。

CGががっかり、ストーリーが退屈なゲームでした。

キャラクターが好きになれないと厳しいと思います。



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