テイルズオブジアビス

 

一言レビュー

ストーリーとボリュームはシリーズ中随一

 

グラフィック 6点
シナリオ 9点
ボリューム 9点
快適さ 6点
満足度 10点
総プレイ時間 80時間
総合評価 82点

 

 

テイルズといえば戦闘が最も重要で、

ストーリーは2の次3の次という風に、

どの作品もストーリーがいまひとつなのが多い中

丁寧に作られた心理描写が素晴らしい、

シリーズ随一の作品でした。

 

今まで蔑ろにしてきたストーリーを深く練りこみ、

生まれた意味、自分のしたことに責任を取るという事等、

心に重く響く物がありました。

ストーリーはどちらかというと暗く、辛い場面も多いので、

そういうのが苦手という方にはあまり薦められませんが。

 

世界観も丁寧に作られており、

しっかりとした地盤を感じさせます。

ただその分世界観が特殊すぎて、専門用語が多くなり、

難解すぎてよく理解できない所も多々見受けられました。

 

誰一人としていらない人物がいないというのが

個人的に良かったかな、と思います。

RPGでは、どうしてこの人が居るの?

という人物が結構いるのですが、

ストーリーにうまく絡み合い、

蜘蛛の糸のように精緻に各自の関係が絡み合って、

実に微妙なバランスの上に成り立っています。

 

 

謎が謎を呼ぶストーリー、

目まぐるしく人を飽きさせない怒涛の如き展開と、

やっていて続きが気になり、楽しくプレイできました。

 

サブイベントも豊富で、

やってもやっても尽きないほど大量に用意されており、

またスキットもたっぷりとあって、

とても満足のいける出来でした。

 

 

戦闘はフリーランシステムという、

戦闘フィールドを自在に動き回れるシステムや

戦闘能力が高くなるオーバーリミッツ、

オーバーリミッツ中に繰り出せる秘奥義等があり、

戦闘に幅があってとても楽しかったです。

特に秘奥義のエフェクトが派手でよかったですね。

 

キャパシティ・コアというアイテムを装備して

レベルアップ時にステータスに追加ボーナスを加算し、

ある一定のパラメータ数値に到達したとき

ADスキルが習得できるというのも、

キャラクターメイキングという点において

とても良いシステムだと思います。

 

ただ、ADスキルとFSチャンバー(技、術を強化するもの)は戦闘時、

その恩恵があまり感じられなかったのがちょっと残念でした。

目に見えて劇的な変化があるものは少ないので…。

 

エンカウントも、ランダムではなく、

敵シンボルに触れてエンカウントする、

というのは個人的に気に入っています。

上記ですと、エンカウント数がこちらで調整できますので、

かなりストレス無く進められました。

 

 

ですが、やっぱり難点というものは存在します。

とても気になった点は2つ。

 

まずはシステムです。

部屋やマップ移動ごとにロードが入るのですが、

これが6〜8秒ぐらいある。

大体は8秒ぐらいでしょうか。

ただ慣れれば我慢できなくは無い長さです。

それでも長いのですが。

 

戦闘終了時、なかなか音楽が流れなかったり、

その戦闘で手に入れた経験値等を詳しく見る画面にすると

キャンセル後にフィールドに移動するのに5秒ほど

時間がかかるのも長いです。

 

中盤以降にアルビオールという空を飛ぶ飛行機を

手に入れることが出来るのですが、

途中で通り抜けられないマップが

随所にあるところもストレスを感じさせました。

通り抜けられないマップの範囲が大きく、

またその場所に行ってしまうと8秒ほど拘束されてしまい、

違う角度で違う場所に行こうと思っても

通り抜けられない範囲が大きいために

また拘束されてしまい…の連続でした。

 

アルビオールを強化できるアイテムを

手に入れることでその通り抜けられない範囲が

通り抜けられるようになるのですが、

それでもある一定距離の場所からメーターを溜めて

突入しなければ通り抜けられないシステムな為、

なかなか自由に動かせなくていらいらしました。

 

単純に、特殊ダンジョンとかは、

ある特定の手順をこなさなければ

ダンジョンの入り口が見つけられないようにしたり、

アルビオールが着地できないようにしたり

すればよかったのではないかと思います。

せめて長距離からメーターを溜めなければならないという

システムはやめてほしかったです…。

まあ、サブイベントで改善はされるらしいのですが、

そのイベントを見ることが出来る人がどれほどいることか。

 

しかし終盤になるとアルビオールをこちらで操作しなくても、

すぐに目的地へ飛ぶショートカット機能が追加されるのが救いですね。

 

後は宝箱から手に入れたアイテムですが、

それが武器なのか防具なのか使用アイテムなのか

はたまたアクセサリーなのかわからないのが辛かったですね。

アイコンでどのような種類なのか表示してくれれば、と思います。

 

確かに何かを手に入れたはずなのに、

それがどれなのかわからないんです。

今までのシリーズでは最近手に入れたアイテムが

20個ぐらいまでどれかわかるような項目があったのですか、

今回はそれがなくなっており、

結局はもう何でもいいか、という諦めモードが入ったり、

攻略本でいちいち検索したりしました。

 

 

次に駄目な所はグラフィックですが、やはりというかアビスも

人物の3Dグラフィックの出来が悪いです。

前回のシンフォニアよりは大分良くなっていて、

表情がずいぶん豊かになってはいますが、

各社の主力RPGのグラフィックに比べれば、

かなり見劣りがします。

 

重要なシーンはアニメーションで展開されるのですが、

そろそろアニメーションに頼らず、

ポリゴンで勝負できるレベルに到達してほしいものですね。

 

 

後細かな点を上げれば、

年中金欠なせいで、料理が殆ど出来なかったぐらいでしょうか。

入ってくる金額が少ないのに、武器や道具の類が高額なため、

ず〜っとお金が足りません。

主人公や戦闘参加キャラクターに

装備していれば戦闘後に貰える金額が増えるアクセサリーを

常に付けていてもお金がなかなか貯まりませんでした。

 

まあ、不満はそのぐらいでしょうか。

 

 

ああ、シリーズ初(多分)で

チュートリニアルがあるのは、正直驚きでした。

テイルズは戦闘に盛り込む新要素が毎回多いので、

こういうのはこれから以降も常に常備していただければと思います。

 

 

プレイ時間は、サブイベントをほぼコンプリートしての時間です。

2週目以降しか出来ないサブイベントと、

膨大な時間を要するものは諦めましたが、

すべての要素をクリアせず、

ストーリーを最短で追ったとしても50時間はかかると思います。

とにかくこれも物凄いボリュームです。

やってもやっても尽きないボリュームに感嘆しました。

 

全体的な要素を見るとシリーズ随一の出来だと思います。

10周年に間に合わせようと強引に発売日に完成させたため、

システムのバランスはやや悪く、バグも多いですが、

それでも素晴らしい作品に仕上がっています。

もう少し時間をかければ、もっと良いものになったであろうに、

少し惜しい作品ですね。




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