テイルズ オブ エクシリア

 

一言感想

打ち切り漫画みたいな終盤ストーリー

 

グラフィック 8点
シナリオ 4点
ボリューム 6点
システム 8点
快適さ 10点
満足度 6点
総プレイ時間 99時間
総合評価 65点

 

 

今回は男女二人の主人公を採用しており、

2週楽しめるというのを謳い文句にしておりましたが、

ふたを開ければどちらもほぼ同じストーリーで、

途中のわずかな会話や、終盤の大事なところが数時間分岐するぐらいで、

水増し感たっぷりなストーリーでした。

何しろ二人の主人公がほとんど一緒にいるので、

ストーリーに分岐も何もありません。

それなのに、重要なイベントをジュード寄りに起きるようにしており、

女主人公のミラでプレイを始めてしまうと、

終盤で???という感じになってしまいます。

下手に主人公を二人に分けるのではなく、

この時ジュードはこういうことをしていた、

ミラはこういうことをしていたと、

1週目で同時に見せたほうが混乱はなかったと思います。

男女二人主人公にしてイベントをそれぞれで分けてしまったのは

大失敗だったと断言できます。

二人主人公にしたかったのならば、

まったく違うポイントから切り込ませたほうが

良かったのではないかと思います。

せっかく二つの世界があるのですから、

それぞれの世界からスタートして、

互いの問題点をそれぞれが解決していく、など。

 

また、終盤近くまではそれでも幾分楽しめたのですが、

終盤からは急激に駆け足のストーリーになっています。

ストーリーの三分の二ぐらいでブツ切りに終わっており、

開発費か開発期間、あるいはそのどちらもが足りなかったのかと

勘ぐってしまいそうな急転直下な終わり方です。

なにしろ主人公たちが良いと思った方策を強引に推し進めており、

それに対して他の大勢の人たちに意思の確認や承諾なしなので、

本当にこれでいいのかと首を傾げる人続出だったでしょう。

はっきり言ってしまえば、エレンピオスの人たちの考え方は

頑固かつ強固であり、あの考えを曲げさせるのは大変だと思います。

その辺の掘り下げが足りないですね。

最後にもうひと波乱あり、みんなの考えが一つになったというのなら

納得できたのでしょうが、事後承諾状態の一方的な考えを押し付ける行動には

正直開いた口がふさがりませんでした。

テイルズにあまりストーリーは期待していませんでしたが、

シリーズ中最低ランクの出来だったと思います。

 

 

 

戦闘はPS3版のグレイセスのシステム劣化系で、

ダブルレイド・リニアモーションバトルシステムを採用しています。

攻撃を止めたりすることで回復する

ACと従来通りのTPを同時に採用しています。

どうしてTP制を復活してしまったのかは謎です。

しかも前作のグレイセスでは通常攻撃も術技のようになっていたのに対し、

今作は従来通りの通常攻撃に逆戻りしており、

劣化してしまったという印象がぬぐえません。

 

キャラクター二人がカップリングしてのリンクシステムは面白く、

リンクの相手ごとに共鳴術技やサポート技が使えるのは良かったのですが、

共鳴術技を使える術技がリンクするキャラクターごとに違い、

またその数が限られているのが少々残念です。

リンク相手を変える度に操作キャラクターの術技を変えるのもとても面倒でした。

 

そしてコンボの繋がりやすさは従来通りに戻ってしまっていました。

まあ、この辺は私が下手だから、というのもあるのですが、

下手でもコンボがつながりやすくって嬉しくなった前作と比べると、

がっかり感が非常に強かったです。

 

グレイセスのいいところを潰し、共鳴術技をプラスした、

プラスマイナスでいえばマイナスになってしまった

システムはちょっと残念です。

グレイセスが完成され過ぎていたシステムだったというのもあるのですが、

素直にグレイセスのシステムにリンクシステムをプラスするだけでも

随分良くなったと思います。

 

 

さて、今回の失敗の一つであるのがリリアルオーブです。

今回はレベルが上がるだけでは全くステータスに変化が有りません。

リリアルオーブという蜘蛛の巣状の形をしており、

線と線を結ぶところに攻撃力UPやHPUPといった

ステータスUPのポイント(これをノードという)

が設置されているシステムを使って成長します。

台形のパネルを囲んでいるノードを

レベルを上げた時に得られるポイントで全部開放すると

術技やスキルが覚えられるといったシステムになっているのですが、

正直これが大変面倒です。

また、そのパネルのノードを開放したら

どんな術技・スキルが覚えられるのかは

開放してみなければ基本的にわからないようになっており、

そこに計画性がありません。

もう結局攻略本便りか適当になってしまいました。

術技・スキルはレベルアップごとに自然と覚え、

ステータスUPのみこちらで自由に決められる、

などにしたほうが良かったと思います。

 

また、得たスキルも前々作のヴェスペリアのシステムに戻されており、

セットするスキルを自分で付け替えるというシステム。

これがまめに付け替えなければならなくてとても面倒でした。

グレイセスのように覚えたスキル=セットで良かったのではないでしょうか。

 

 

後は、料理もグレイセスより劣化しています。

今回は作るのではなく、お店で買うのですが、

それぞれの種類が一つずつしか買えないようになっています。

並・大・特と料理ごとに三種類あるものの、

一つずつしか持てないのはがっかり。

ダンジョンやマップをクリアするたびに

料理を買いなおしに行かなければならず、

しかも複数の種類の料理を買わなければならないのがとても面倒でした。

 

 

素材をマップで収集し、お店(武器・防具・アイテム・料理・アクセサリー)

毎に素材を納品し、ショップレベルを上げると

売っている品が値引きされたり、

ラインナップが増えたりというシステムは面白かったですね。

せっせと素材を集めてしまいました。

ワールドマップを手に入れてからは、

一部の場面を除いて一瞬でその場所に移動できるというシステムも便利でしたが、

人によっては味気なく感じるかもしれません。

グレイセスよりも劣化したシステムになったのは非常に残念です。

 

 

基本的なシステムは問題ないですね。

特にローディング関係は抜群で、

マップが変わったりアニメーションに移ったりしても

ほとんどローディングを感じませんでした。

一つきりとはいえ、どこでもセーブできるクイックロードは助かりました。

RPGはセーブポイントまで長い場面が多々あるのですが、

このおかげで即座に止めることができて便利です。

イベントリストやGRADEのポイント、

チャットリスト、レコードを確認できるライブラリも完備と、

非常に快適にできていると思います。

 

 

グラフィックはグレイセスよりも等身が高くなっており、

より自然なしぐさができるようになりました。

その為、戦闘中や会話中もあまり違和感がなく、

派手なモーションで見栄えがします。

髪が固まりになってしまっているのがちょっと残念ぐらいでしょうか。

重要なシーンはアニメーションで展開されるのですが、

今回からは制作している会社が変わっています。

アニメーションななめらかかつ、躍動的であり、とても綺麗です。

背景も力作であり、素晴らしい出来でした。

次回からもこの会社でお願いしたい出来ですね。

 

 

 

プレイ時間は、1週目はできるサブイベントをフルコンプリートして64時間

魔装備引き継ぎ&解放、ショップレベル、

道具・素材・装飾品・ビジュアル・特殊アイテム引継ぎ、

術技使用回数引き継ぎ、経験値2倍、ガルド引き継ぎでプレイし

2週目でサブイベントを8割消化して35時間でした。

全部で99時間のプレイ時間です。

1週目が異常に長いのは、エクストラダンジョンに幾度も潜っていたせいです。

大体はサブイベントをほぼフルコンプしても40〜50時間程度でしょう。

獲得GREDEは最終的に6340。

1週目はジュード、2週目はミラでプレイしていますが、

普通の人ならばジュード主人公の1週で十分だと思います。

 

テイルズにストーリーはあまり期待していなかったのですが、

それをはるかに下回る出来にはがっかり。

打ち切りになった漫画状態の終盤には失望しました。

次回作はこのシナリオライター2人は降板してほしいです。

システムもグレイセスよりも劣化と、あまりほめられる点はありません。

前作より進化したと褒められるのは

グラフィックとアニメーションぐらいでしょうか。

戦闘重視ならばグレイセス、

ストーリー重視ならばヴェスペリアをプレイすることをお勧めします。

それでもうどうしてもプレイしたいというのなら

ジュード編をプレイし、ミラ側の謎はネットなどで補足すると良いでしょう。

2週するとわずかな場面以外は代わり映えのないストーリーに

徒労感ばかりが募るので、その辺は覚悟です。




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